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本日の為替市場は米雇用統計を見るまでは動きにくいという声が多いが、現時点ではドル売りの利食いが優勢となっている。

 先月発表された雇用統計後のドル円の値動きを振り返ってみると、非農業部門雇用者数が前月比14万人減と予想の7.1万人増に反して減少したことで数十銭程度売られた。ただし、失業率と平均時給が予想より強い内容となったことを受けて、その後は発表前の水準を取り戻すなどレンジの中で方向感なく上下した。NY引けにかけてはバイデン新政権の財政出動に伴う国債増発を見込む債券売り・金利上昇でドルが底堅くなった。
 今回の雇用統計のシナリオを描くのは難しい。仮に市場予想よりも雇用が回復していた場合は、ドル円のイニシャル・アクションは買いで反応するだろう。仮に米株が上昇しても、ここ最近は米株の上昇がかつてのようにリスクオンのドル売りに傾きにくいことで、株価が動いてもドル安にはなりにくいか。
 判断が難しいのは市場予想よりも結果が悪かった場合になる。市場の反応は、まずはドル円が売られるだろう。しかしながら、現在米議会で協議している新型コロナウイルス救済法案(1.9兆ドル)に対して、民主党は雇用情勢悪化を理由に妥協を許すことなく、財政調整措置を発動しても可決に向けて進むだろう。また、共和党も悪い雇用指数にもかかわらず、救済法案の減額を強引に進めにくくなる可能性が高い。その場合は、先月の雇用統計と同様に、財政出動拡大による国債増発、そして米金利高のドル買いになる可能性もある。
 ここ最近は強いドル買いトレンドが出ていることで、ドルの下値は限られそうだが、週末を前にした利食いが入ることには注意を怠らないようにしたい。動きが鈍いとはいえドル円は先週のクローズ104.68円から約1円上昇、ユーロドルは1.2136ドルから1.19ドル台半ばまでドルが買われている。米株も週初からの上昇率はダウ平均が3.58%高、S&P500が4.24%高、ナスダック総合が5.41%高となっていることで、利食いが出やすい地合いではある。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、昨年11月11日の高値105.68円が目先の目標、抜けた場合は9月7・8日に抑えられた106.38円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは今月2日安値104.83円。