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欧米 金融政策の掲示板

米利上げ シグナルが点灯、元FRBエコノミストがインフレ期待を指摘
2024年4月20日

ダーラム氏の長期インフレ期待の指標、当局目標の2%を上回る

米金融政策当局者にとって、債券市場のインフレ見通しは
政策を決定する上で重要な要素だ。

パイパー・サンドラーのグローバル資産配分責任者
元FRB エコノミストのベンソン・ダーラム氏

自身が調整を加えた長期インフレ期待の指標がここ数カ月でわずかに上昇し、
当局の目標値である2%を上回っていることを指摘する。
物価圧力が将来に続いていくと、トレーダーが見ていることを示す。

抑制されていない長期的なインフレ期待ほど、
再利上げを促すものはない。まだそこまでいっていないが、
眉をひそめている段階だ。

根強いインフレ指標と継続的に強い労働市場により、
ウォール街の予測担当者や投資家は既に今年の利下げ予想を
大幅に後退させている。

次の一手が小幅の利上げではないかと推測する声さえあり、
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、経済データが
正当化する場合はその可能性があると示唆した。

ダーラム氏が特に憂慮するのは、将来のインフレ期待に関する市場ベースの長期的な指標だ。具体的には5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォワードBEI)だ。

米金融当局には、長年にわたり政策の指針として使用してきた
独自の指標があり、それは今年に入り上振れしている。

国債のタームプレミアムは今年も上昇した。
10年債のタームプレミアムは今週、昨年11月より後で初めてゼロを上回った。

今年の金融政策に対してタカ派的な見通しが強まったことで、
イールドカーブのスティープ化を見込むポジションが実を結ぶ
という期待は現在、しぼんでいる。

18日現在、米2年債利回りは10年債より約35ベーシスポイント高い。
ダーラム氏は長期的なインフレ期待が高まり続ければ、
この傾向は続くとみている。

当局者は目標が2%であり、それにコミットしている。投資家がその達成を信じていないと当局者が感じるのであれば、自分たちの本気を示す必要性を強く感じるだろう