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欧米 金融政策の掲示板

過去2年にわたる急ピッチの利上げが、実のところ経済を押し上げているとしたらどうか。つまり、金利上昇にもかかわらず経済が堅調なのではなく、むしろ金利上昇のおかげで経済が好調なのではないかとの見立てだ。

国内総生産(GDP)、失業率、企業利益といった重要指標の一部は、米利上げ開始当初と同じか、より好調であることを示している。

  これは政策金利がゼロから5%超の水準に切り上がったことで、米国民が20年ぶりに債券投資や預貯金から大きな収入を得られるようになったためだと、逆張り理論の支持派は主張する。元デリバティブトレーダーで現在はニュースレター「マクロツーリスト」を執筆しているケビン・ミュア氏は「現実には、人々はもっとお金を持っている」と話す。

ミュア氏を筆頭とする逆張り論者ら(中でもヘッジファンド運営会社グリーンライト・キャピタル創業者デービッド・アインホーン氏は最も有名)は、いくつかの理由から今回は過去の例とは違うと話す。その最たるものが、爆発的に膨らんでいる米国の財政赤字だ。米政府の借金は35兆ドル(約5410兆円)と、ほんの10年前から2倍に拡大した。つまり、政府の借り入れ金利が上昇していることで、毎月500億ドルほどが追加で米国(および外国)の債券投資家の懐に流れ込んでいることを意味する。

  この現象によって金利上昇が景気に対して抑制的ではなく刺激的になることは、経済学者ウォーレン・モズラー氏にとっては何年も前から明らかだった