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きらやか銀行、公的資金の返済延期交渉 引き金は金融庁

きらやか銀行を傘下に持つじもとホールディングス(HD)が2024年3月期に赤字に転落し、9月に予定していた公的資金の返済が難しくなったと発表した。返済期限の延長を金融庁と協議するが、実現すれば異例の措置だ。金融庁が問題視する経営課題を処理したことで赤字になり、延期要請しか手段がなくなった背景を探った。

「延期ありきでない」、金融庁は新たな計画をもとに審査

「返済時期の延長で話をしたい。その後は見えていない」。26日に山形市内で開いた記者会見できらやか銀の川越浩司頭取はこう話した。24年3月期の税引き損益を244億円の赤字(従来見通しは7億円の黒字)に下方修正した。2期連続の赤字で、自己資本比率は7%台まで落ち込んだ。公的資金を返すと4%台まで低下する危険水域だ。

金融庁は「延期ありきではない。きらやか銀行が新たに経営計画を策定し、9月までに審査会が判断する」との立場だ。公的資金の返済延期は例があまりなく、12年の返済期限を10年先延ばしにしたあおぞら銀行などに限られる。

  • >>6323

    赤字転落の主因の引当金、金融庁がかねて問題視

    赤字転落の裏には金融庁のプレッシャーがあったとの見方が強い。今回の大幅赤字への転落は、企業の倒産に備える貸倒引当金の大幅な増額が主因だ。当初は22億円と見込んでいた与信関係費用を185億円まで増額した。これに加え、178億円の含み損を抱えていた有価証券の売却損(96億円)を計上した。

    いずれも金融庁が問題視していた経営課題だ。きらやか銀は公的資金を原資に、毎年およそ20億円ずつ10年かけて引き当てつつ、今年9月に公的資金を返済する青写真を描いていた。ただ金融庁は、引き当てが不十分なため収益改善が遅れ地元企業の再生も手薄になるとみていた。

    そのためきらやか銀は今回前倒しすることにし、一括で計上した。含み損も23年の公的資金注入の際に金融庁が問題にしていた点だった。当時、きらやか銀は「当面は止血をし(運用を委託する)SBIグループと相談する」と説明していた。

    金融庁内ではきらやか銀に対し「危機感が足りない」との批判が絶えなかった。そもそも23年に注入された公的資金は「コロナ特例」で、地元企業の支援が名目だ。それを使って過去の公的資金を返すような動きに冷ややかだった。金融業界でも「事実上の借り換え」との指摘が出ていた。

  • >>6323

    自力返済のための3つの選択肢、いずれも難しく

    引き当て増額と公的資金返済は事実上、二者択一だった。仮に引き当てを積まずに返済した場合、自己資本比率は8%前後を維持できるが、抜本的な企業支援は後手に回る。引き当てを増額すれば9月返済は難しい。

    引き当てを積み増して、自力で返済できない場合、きらやか銀がとれる選択肢は主に3つあった。まず、優先株を新たに発行し地元企業などに引き受けてもらい返済する方法だ。22年に公的資金を完済した南日本銀行宮崎太陽銀行がこの手法を採ったが、業績が大きく悪化したきらやか銀が地元企業を説得するのは無理だった。

    次に、国が持つ優先株を肩代わりしてくれるスポンサーを探すという手段もあったが、やはり足元の業績では難しかった。3つ目は既存の株主に追加支援を仰ぐ手法だ。ただ、大株主のSBIグループは23年12月に約20億円の増資を引き受けており、資本面で一段の支援を引き出すのはハードルが高かったようだ。

    こうした選択肢は実現せずに「とれる選択肢は延期協議しかない」という状況に追い込まれた。公的資金の返済という「国との約束」を破る覚悟をしてうみを出し切ることで地元企業の支援や銀行の収益につなげられるのか。トップ交代にまで発展したきらやか銀の再建は、新たな段階に入った。