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米国のイスラエル支援、過去最高に 中東戦争超え

米国が2024会計年度(23年10月〜24年9月)に実施した対イスラエル軍事支援が179億ドル(2.6兆円)超で過去最高を更新したことがわかった。物価調整後で第4次中東戦争があった1970年代を上回り、イスラム組織ハマスの奇襲攻撃で始まった紛争を米国が歴史的な規模で支える実態を裏付けた。

米ブラウン大は米連邦議会で承認された予算や定額で拠出している支援などをもとに算出した報告書をまとめた。米ハーバード大やシンクタンクの専門家らも参加した。

内訳には4月にバイデン大統領が署名した緊急軍事支援141億ドル、2019〜28年の10年間にわたりイスラエルに拠出する年38億ドルを含む。ミサイル弾を撃ち落とすイスラエル防衛の要である対空防衛システム「アイアンドーム」などの補充に40億ドルを充てた。

これにレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなど親イラン勢力の抑止などで米軍が周辺の態勢を強化するために投じた48.6億ドルを加えると、総額は227.6億ドルに達する。

報告書によると、このほかにも米メディアが個別の支援内容を報じており、実際はさらに上振れしている可能性が高い。議会への報告義務がある金額を下回る軍事支援が100件ほどあり「総額や軍事システムの内容を隠蔽する工作をしている」と分析する。

米国防総省のライダー報道官は10日の記者会見で対イスラエル支援内容の公開について問われたが、回答を拒んだ。対空防衛システムをはじめ、兵器の高度化が進んでいることも支援額が膨らむ原因になっているとみられる。

  • >>13042

    対外支援、イスラエルが突出

    23年10月から1年間で供与した179億ドルは①原則として米国から軍事装備・サービスを購入する資金「外国軍事資金供給(FMF)」に68億ドル②ミサイル防衛に57億ドル③米国の在庫からの武器補充に44億ドル④大砲生産の強化に10億ドル――をあてた。

    軍事支援からは「特別な関係」と位置づけるイスラエルへの優遇ぶりが浮き彫りになる。①について、イスラエルは例外的にFMFの25%を自国の軍需産業から調達するのを認められている。他国には許可されていない異例の措置になる。

    米外交問題評議会(CFR)によると、1946年から2024年の米国による対外国支援はイスラエルが最も多い。00年以降に輸入した武器の8割は米国からだ。米国が日本や韓国などの同盟国と結んでいる防衛条約はイスラエルとの間には存在せず、いわば「条約なき同盟関係」にある。

    2週間あまりで終結した1973年の第4次中東戦争の際、米国は124億ドルを拠出した。単年度でこれまで過去最高だった79年は140億ドル。78年の合意に基づきイスラエルとエジプトが平和条約を締結し、仲介した米国が双方に軍事・経済支援をすると決めた。その後も援助を継続し、米国の対外支援の上位を両国が占める。

  • >>13042

    地政学上の重要さ、ユダヤ系の影響力も

    イスラエルのネタニヤフ首相は地域の緊張を高める行動をやめるよう繰り返す米国のバイデン大統領の制止を無視して強硬姿勢を貫く。それでも米国がイスラエルへの手厚い支援を続けるのには、複合的な要因がある。

    ひとつはイスラエルの戦略的な重要性だ。米アメリカン大のマシュー・フォスター教授は「米国の敵国であるイランや親イラン勢力との戦いでイスラエルが敗北すれば、地域でイランの影響力が強まる」と話す。「地政学的な観点から米国がイスラエルと手を切ることはありえない」と断言する。

    信仰心のつながりも大きい。全米人口の2%ほどながらユダヤ系は政財界に強い影響力を維持する。とりわけ共和党支持者が多いキリスト教福音派はイエス・キリストが再臨する前にユダヤ人国家が樹立されている必要があると信じ、両国の良好な関係を望む根幹になる。

    新約聖書がキリスト教徒だけの聖典なのに対し、旧約聖書はユダヤ人とキリスト教徒が共有する聖典だ。米調査会社のギャラップの調査では23年時点でキリスト教徒が68%を占める。

    ただ、キリスト教徒の割合は2000年より18ポイント低下し、無宗教の割合は00年の8%から23年は22%に増えた。

    政治と宗教の関係に詳しい米デニソン大のポール・ジュープ教授は米世論がイスラエルを支える基本路線は当面変わらないとの見方を示しつつ「若年層は年配者ほどイスラエルに親近感を持っていない」と話す。

    ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)があった第2次世界大戦を経験した祖父母がいない世代の有権者が増えれば、対イスラエル政策が修正される可能性を指摘する。