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世界の株高にブレーキ 4月3%安、株指数が半年ぶり下落

世界的な株高にブレーキがかかっている。世界全体の株価の動きを映すMSCI全世界株指数(現地通貨建て)は3月末比で3%安と4月月間では2023年11月から続いていた上昇が6カ月ぶりに途切れた。米長期金利の上昇を受け、株式に流入していたマネーが逆回転し始めた。

4月は多くの国で株価指数が下落した。米ダウ工業株30種平均と日経平均株価はともに月間で5%下げた。ドイツやフランスも3%安となり、先進国を中心に株式が軒並み売られた。

米調査会社EPFRによると、1〜3月に世界の株式ファンドと債券ファンドにはそれぞれ、1500億ドル程度の資金が流入していた。4月は債券ファンドには資金流入が続いたものの、株式ファンドは約100億ドルの流出に転じた。

  • >>6512

    きっかけは粘着質のインフレを警戒した米国の利下げ期待の後退だ。

    市場が織り込む政策金利の予想を示す「フェドウオッチ」によると、3月末時点では利下げ開始時期は6月と見込まれていた。だが、堅調な米経済指標の発表などを受け、足元では11〜12月に先送りになった。「3回」だった年内の利下げ回数の有力シナリオも「1回」に減った。

    利下げ期待の後退は米金利の上昇圧力となっている。米長期金利は4月下旬、一時4.7%をつけた。三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「(金融政策では制御できない)中東情勢の緊迫化による原油高などがインフレの要因として受け止められ、株価の重荷となった」と指摘する。

    金利上昇で株式が割高な水準であることを示す警戒サインがともっている。それは米国株の1株あたりの利益でみた株式の利回りを示す「益回り」と債券利回りとの差の大幅縮小だ。株式は債券よりもリスクが高いため、投資家は債券よりも高い利回りを株式に求めるのが通常だ。

    4月30日の米S&P500種株価指数の12カ月先の利益に基づく益回りは4.94%に対し、米長期金利は4.6%台後半だった。新型コロナウイルス禍から米経済が回復局面にあった22年前半には、その差は3%以上となる場面もあった。

  • >>6512

    米2年債利回りは一時5%台に浮上し、05年以降で初めて株式の益回りを上回った。クレディ・アグリコル証券の大藤新マクロストラテジストは「当面はリスクの低い国債や格付けの高い社債に資金が集まりやすい」と指摘する。

    米金利高は世界の市場から米国への資金流出を招きかねない。特に影響が大きいのは新興国だ。6カ月ぶりに利上げしたインドネシアのほか、ブラジルや韓国で株価が下落した。これらの国は通貨が対米ドルで下落している。第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは「通貨安で物価上昇の懸念が高まりやすい国では株式も総じて売られた」と話す。

    「世界の株式はなぜこんなに下がっているのだ」。4月中旬、野村証券の須田吉貴クロスアセット・ストラテジストが香港やシンガポールで計100人の海外投資家と会った際に常に聞かれた内容だ。「米金利の上昇が売り材料視され、ヘッジファンドが4月に売りを膨らませた」と回答すると潮目の変化に高い関心が集まったという。

    世界の株式市場の調整にどれくらい時間がかかるかは見方が分かれる。

    日米の株式と債券を組み込んだファンドを運用する三菱UFJアセットマネジメントの石金淳チーフファンドマネジャーは「低リスクで安定して5%程度の利回りを確保できる米国債は魅力だ。直近半年程度は海外投資家には米国債の方が投資妙味がある」と指摘する。

    一方、BofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは「米利下げが遅れたとしても、方向性は変わっていない。企業決算の好調と合わせて株価もいずれ上向いてくるだろう」と話した。