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私と経済の掲示板

JAL営業赤字850億円 20年7~9月期、国際線低迷

日本航空(JAL)の2020年7~9月期は、本業の損益が850億円前後の赤字(前年同期は602億円の黒字)となったようだ。国際線の低迷が続き、4~6月期に続いての大幅赤字となる。国内線は回復傾向で、コスト削減もあって赤字幅は縮小した。需要の先行きは不透明で、黒字化にはまだ時間がかかりそうだ。

売上高は1100億円前後と、前年同期に比べ7割減ったとみられる。7~9月の国際線の旅客数は前年同期比97%減と需要が蒸発した状況が続く。国内線は政府の観光支援策「Go To キャンペーン」の効果もあり、7~9月の旅客数は4~6月に比べて3倍弱となった。

7~9月の営業損益の市場予想平均(QUICKコンセンサス)は715億円の赤字で、実績はそれより膨らんだようだ。国内線需要は回復傾向だが、本来繁忙期の8月に新型コロナの感染が再拡大、高単価の帰省や夏休みの需要に影響し単価が下落したとみられる。

業績悪化に歯止めをかけるため、コスト削減を急ぐ。8月には機材や人件費といった固定費の削減額を増やす方針を示した。7~9月期も一定の削減効果が出たようで、4~6月期に比べると赤字幅が縮小した。

JALは今期から国際会計基準を適用している。本業のもうけであるEBIT(利払い・税引き前損益)として開示する。4~9月期のEBITは2100億円前後の赤字になりそうだ。ただJALの自己資本比率は6月末時点でも46%あり、財務の不安は小さい。

航空業界は厳しい経営環境が続いている。7~9月期決算を発表した米デルタ航空と米ユナイテッド航空、米アメリカン航空の3社の最終損益は約1兆円の赤字だった。

JALは21年3月期の需要がコロナ前と比べて国際線で5割、国内線で8割に回復すれば、単月黒字化が目指せるとしていた。冬を迎えて再び感染拡大への懸念もあるなか、回復の道筋は不透明だ。