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「ドクター」銅、米中対立に翻弄 下落続き3番底

自動車や家電、建設など幅広い産業に使う非鉄金属の銅。中国による対米報復関税の表明が売りを誘い、国際相場は23日に2年2カ月ぶりの安値をつけた。今春からの値動きを振り返ると今回は「3番底」の局面だ。世界景気を先取りして診断する「ドクター」の異名を持つ銅相場。どの水準で着地するのか。

銅のロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は23日、1トン5633ドルと前日比50ドル下げ、終値として2017年春以来の安値に沈んだ。米国による制裁関税「第4弾」への報復として、中国が原油や農産物など約750億ドル分(約8兆円)の米国製品に追加関税を課すと表明したためだ。

同日に対抗措置を表明したトランプ米大統領は26日、一転して中国との交渉再開に意欲を示した。これを受け、27日の相場は5683ドルに反発したが、上値は重い。

銅相場は4月中旬時点で6500ドル台半ばと現在より2割弱高かった。だが米中通商交渉に暗雲が漂った4月下旬から反落し、米国による「第3弾」の関税引き上げを受け、6月上旬には5800ドル近辺に下がった。

その後はいったん上昇したが、関税合戦であえなく下落し、トランプ大統領が「第4弾」を表明した8月上旬には約2年ぶりに5600ドル台まで下落した。米中対立を起点とした急落は4月以降、これで3回目だ。

「世界の工場」と呼ばれて久しい中国は銅地金の世界消費の半分を占める。値下がりの背景には米中対立への不安心理があるが、気になるのは景気減速で中国の実需が鈍っていることだ。銅相場の「診断」の正しさを証明するように、中国の銅輸入は鈍化している。

中国税関総署によると、1~7月の銅地金の累計輸入量は241万トンと前年同期比で12%減った。単月でみると2月から6カ月連続で前年割れだ。伸銅品など銅製品の輸入量も16%減った。景気減速が新車販売や家電販売を減速させ、銅の需要をボディーブローのように下押ししている。