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国産ワクチン開発・生産、「平時から支援を」  日薬連・手代木会長、医薬品開発協議会で訴え
2021/4/16 23:11

 政府の「医薬品開発協議会」は16日、日本製薬団体連合会の手代木功会長(塩野義製薬社長)ら有識者を招き、国産ワクチンの研究開発・生産体制の現状や課題について意見を聞いた。手代木氏はそれらに対する平時からの切れ目ない支援の必要性を訴えた。

 手代木氏は新型コロナウイルス感染症に対する国産ワクチン開発が出遅れた理由について、米国の生物医学先端研究開発局(BARDA)などを例に、「米国は平時から感染症分野へ研究開発支援を続けている。その点が日本とは明らかに違う」と分析。日本でもそのような対応が必要だとした。

 また、「緊急時に支援を受け設備投資をしても、その設備をフルスケールで使い続けられるか。一定の雇用を維持しないと、いざというときに役に立たない」と指摘。企業が安心して設備投資できる体制づくりを求めた。

 今後も各国特有の変異株が生じる可能性が大きいとし、国家安全保障上も国産ワクチンの早期承認が必須と強調。条件付き早期承認制度の弾力運用を提案し、「厳しい安全性、有効性の確認をすることで、医療現場にフィットした形での国産ワクチンを提供できるのでは」と話した。その上で、「最終的には米国の緊急使用許可(EUA)のような新たな法整備が必要」とした。

 この他、石井健・東京大医科学研究所教授と、岩崎甫・日本医療研究開発機構(AMED)医薬品プロジェクトプログラムディレクターが発表し、研究開発拠点の整備や国際連携、企業間連携の必要性などを訴えた。

●新設のTF、開発・生産体制強化へ論点整理
 会合では、1日付で同協議会の下に設置された「ワクチン開発・生産体制強化タスクフォース(TF)」がまとめた論点整理が示された。

 論点として▽感染症発生状況のモニタリング体制▽世界トップレベルの研究開発拠点の整備▽戦略性を持ったファンディング機能▽創薬ベンチャーの育成を含む産学の橋渡し▽ワクチン開発を支える基盤となる新規モダリティの国内製造拠点▽日米欧の規制調和を含む国際共同試験の実施体制▽予見可能性を高める薬事承認の在り方などの制度設計▽国際協調―を挙げた。