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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2021/04/15〜2021/04/16

>>1697

まるえもんさん、返信ありがとうございます。
なかなか難しいものですね。掲示板の限界を感じます。
以下は、お答えではありませんが、未実現利益の計上について述べたものでございます。ご参考になれば幸いです。ご指摘の通り、メーカーを想定しております。

未実現利益は計上してはならないのか、紙の上の利益として否定されるべきなのかについて、以下、私見を申し上げます。

まず、会計から離れて、世間常識に戻って考えてみます。実現主義とは、要するに「売って初めて儲けが出る。売ってもいない商品から儲けなど出ない。」と考えることです。
この考え方は、極めて納得できるものだと、私は感じます。ことに、儲けの確定を求める安定的な・保守的な思考からは、強く支持されるでしょう。そして、このような感覚は、時代を超えて根強く存在し続けるものでしょう。

次に、実現主義を、メーカーの生産販売の各段階に合わせて考えてみます。
材料を仕入れた。まだ利益はない。生産ラインに乗せた。まだ利益はない。加工作業が進捗し、仕掛品になった。まだ利益はない。さらに作業が進捗して、完成した。それでもまだ利益はない。
得意先に完成品を引き渡した。この時点で利益が計上される。これが実現利益です。

つまり、伝統的な利益実現の概念は、目的物である財貨サービスの引き渡しと、反対給付としての貨幣性資産の受取を要件としており、この要件は、通常の場合、販売によって満たされます。

このことから、利益は販売してはじめて計上すべきであり、未販売すなわち在庫になっている物からは利益を計上してはならないという基本思考が生まれました。

この考えを投資会社であるソフトバンクグループに当てはめると、
販売される商品・製品に当たる保有株式について、それを売却したときに、売却損益という実現損益を計上すべきであり、
逆に、株式を保有した状態においては、如何に時価が変動したとしても、そこから評価損益を計上するのは、未実現損益の計上であり、やってはならない、ということになります。

このような実現思考は、長い間、公正妥当な会計基準の中核を成してきました。販売まで利益計上を待つということは、販売前の保有状態にある資産の価値を、時価ではなく、取得時の支出額で評価することですから、
「実現主義による利益計上 = 取得原価主義による資産評価」
は、会計の基本であり、常識とされてきました。
ただし、それは昭和時代までで、平成以降、この基本思考が揺らぎ始めました。

現代に至り、IFRSは、所有する株式について、実現主義・取得原価主義を否定して、公正価値すなわち時価による資産評価と評価損益の計上を求めています。
すなわち、IFRSは、以前の会計思考とは真逆に、未実現損益を計上すべきである、としています。

はたして、このような会計ルールの変化は、古き良き昭和に照らして、紙の上の利益を認めるが如き会計ルールの堕落なのでしょうか、それとも進化なのでしょうか。

私自身は、未だに悩んでいます。
会計には哲学がない、あるいは数学的な真実の追求はできない、という言葉が脳裏をよぎります。
どちらが正しいではなく、どちらもそれなりに正しくて、それなりに間違っている。その重みづけが、時代の変化とともに、変化しているのかも知れません。

そのような状況を前提とするならば、IFRSによる会計処理を不可避のものとして受け入れ、その欠点によく注意しながら、決算書を真に受けずに、財務状態の解析に当たる、ということかと存じます。

難しいです。ひとまず、この辺で失礼します。

  • >>1723

    madさん、お返事ありがとうございます。

    おっしゃる通りかと思います。
    以前の会計基準が間違っていて、今のIFRSが正しいというものではないと思っております。
    どちらも今までの決算発表で使われてきた手法ですしね。

    財務状態を把握しやすくするという意味では含み益、含み損を計上する方法の方が実態に即しているという点で、現在主流ということなのでしょうか。

    SBGを何をもってして評価するのが正しいのかというmadさんの問いのように、明確に現状の企業を評価できる手法は存在しないと思う次第です。

    ご丁寧にお返事いただきありがとうございました。
    良い視点を与えてくださいました。

  • >>1723

    madさん
    お世話になります。
    先日に引き続きご教授ありがとうございます。
    又、まるえもんさんもご教授ありがとうございます。
    お二方のご解説非常に、参考になります。

    益々難しい問題ですね。
    昭和の日本の高度成長期の日本の産業構造を考えると持分法が適正かと思いますが、
    現在のホールディングス等、持株会社または投資会社に其のまま持分法はやはり無理がると思います。持ち株会社など連結から外さない限り利益を計上できない?利益を計上する為には=その会社の未来収益(配当利益や技術提携などのグローバルメリット)などを放棄してしまうこになってしまいますよね?(それも持ち株会社にとってマイナス)
    超簡単に、このような理解でよろしいでしょうか?

    うぅーーーん
    さて、無借金経営の堅実経営の企業に投資するか、莫大な借入がある未来先行投資型の企業に投資するか・・・
    無借金経営型の企業って大概は資産があっても現金があまりない企業が多いような~
    莫大な借入がある企業は、金利含め返済できるポテンシャルを持っている企業ですよね~!将来どちらがよいか?
    日本の保守的な思考では無借金経営の会社がよしなんでしょうね!