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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2017/05/09〜2017/05/11

ソフトバンク投資加速 背中押す17年前の後悔
2017/5/10 16:32日本経済新聞 電子版

第2章

 ここ数年は米スプリントの再建に追われていたが、ようやく道筋が見えてきた。ドル箱の国内携帯事業も盤石だ。守りは固まった。

 一方で世界に目を転じれば、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が広がり始め、人工知能が急速な発達を見せる。孫氏は「これからあらゆる産業が再定義される。人類史上最大のパラダイムシフトになる」と予言する。それは言葉を換えれば、新たな産業の覇者となる新興企業が雨後のたけのこのように生まれる時代に突入した、ということになる。

 そこで勝ち残る可能性を秘めたスタートアップをことごとくおさえるために考えたのが10兆円ファンドだ。世界のベンチャーキャピタルの運用総額を上回る規模だが、孫氏はそれでも足りないという。

 孫氏の投資術には特徴がある。少額ではなく20~40%を出資して筆頭株主になる。すぐにリターンを期待するのではなく仲間作りが最大の目的だ。次代の覇者候補と早いうちから孫氏が言う「同志的結合」を築いてグループに取り込む。そうすることで勝ち残るテクノロジーやビジネスモデルを絞り込んでいく。

 あくまで投資はそのための手段にすぎない。ただし、筆頭株主になるので、通常のファンドと比べ一件ごとにカネがかかる。そのため巨額ファンドが必要になるのだ。

■あのときアマゾンに出資していたら

 孫氏の背中を押すもう一つの理由が、かつての後悔だ。

 いわゆるネットバブルが崩壊した2000年ごろ。孫氏は1990年代後半から繰り広げたM&A(合併・買収)ラッシュを手じまいして、持てる資金をブロードバンドへの参入にあてた。もし、この時に投資を続けていたら……。

 「実はそれが僕がこれまでで一番悔やんでいることなんだ。世の中からはクレージーと言われただろうけど、やっておけばよかった」