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伊藤忠エネクス(株)【8133】の掲示板 2015/04/29〜2021/01/07

仮想発電所、電力需給を秒単位で調整
Next Tech2030
環境エネ・素材
科学&新技術
2019/4/5 6:30
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その他
地域に点在する太陽光発電設備や蓄電池などの電力システムを1つに束ね、大型発電所のように稼働させる仕組みが仮想発電所(VPP)だ。発電量が不安定な再生可能エネルギーを電力網に組み込みやすくする技術として、実証実験が始まっている。2030年には電力需給の調整を現在の数十分程度から10秒以内でできる可能性がある。
「需要家側のエネルギー源は30年に大規模火力発電37基分に相当する量になる」。経済産業省が15年に出した試算は、VPPの普及に向けて大きな可能性を示した。
試算した約3700万キロワットすべてをVPP向けに使うわけではないが、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使って規模の小さなエネルギー源を一括管理できれば、大規模発電に取って代わる可能性がある。16年から実証実験が始まった。

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東京電力エナジーパートナー(EP)は主に関東圏内の14の工場などにある蓄電池や発電機を使った実験を進めている。それぞれ離れた計1万キロワットの発電容量を、東京で一括して制御している。
電力の需給に応じて蓄電池の放電と充電を自動でできるようにし、工場内の電力システムとして活用する。1日の間でも電力を多く使う時間帯と、使わない時間帯がある。真夏や真冬には電力需給は逼迫する。こうした電力需給を需要側で調整する「デマンドレスポンス(DR=需要応答)」の仕組みを使う。
現在実験中のシステムでは、蓄電池を使った需給の調整に数十分程度かかる。この間は電波の周波数が乱れ、電力供給は不安定になる。
東電は調整時間を、秒単位に抑える目標を掲げて今後さらなる実証に取り組む。蓄電池システムを素早く動かすための通信技術や、必要な電力の分に合わせた量を調整する技術開発を続ける。E&G事業本部の田中晃司アドバイザーは「調整時間が短くなれば、電力をより安定的に使えるようになる」と話す