(株)ナイスクラップ【7598】の掲示板 2015/04/08〜
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<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”⑪
― 平凡パンチ創刊号とカジュアル言葉 ―
平凡パンチ1964(2004’9/10 赤木洋一 著)という本は
当時この雑誌に携わった新入社員の話だが、「カジュアル」
と「アイビー」のとらえ方が理解できて実に興味深い。
以下はその一節。
”平凡パンチが創刊されたとき、その表紙がおしゃれな若者
たちのイラストだったから、みゆき族という風俗現象をパ
ンチの表紙、そして読者像と同一視している人がいたが、
それは間違いである。パンチの表紙に出てくるのはアイビ
ールックで東京に出現した、学生たちの群像だった。”
で、他のページではこの創刊号立ち上げ前に編集長から表紙
になる予定の絵を見せられるのだが、そのときの感想が以下
である。
”絵画というよりデザイン画のように見えた。そこにはパス
テルで描かれたクルーカットの若い男たちが、カジュアル
なジャケットやダンガリーシャツ、裾を短くしたコットン
パンツといういでたちで並んでいた。銀座にできた帝人メ
ンズショップから出てきたばかりのようだ。”
同じ本の中で「現時点での回顧談=カジュアル」と「当時ス
トレートに感じた風俗現象=アイビー」が渾然一体となって
書かれているので実に紛らわしい。
まあ、当時「カジュアル」ということばがまだ市民権を得て
いなかったので無理もないが、読者は1964年当時も「カジュ
アル」という言葉が自然に使われていたと誤解をうけるやも
知れない記述ではある。 -
>>43
<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話"㉕>
「日本のカジュアルウェアー誕生秘話:no.10」の訂正!
― 石津謙介と「カジュアル言葉」―
【誤】
>ちなみにVAN並びにVAN関係者が多数関わった「男の服飾図鑑・
メンズクラブ編(70’3/15)」には、「カジュアル」の記述はどこ
にも見当たらない。
【正】
>ちなみにVAN並びにVAN関係者が多数関わった「男の服飾図鑑・
メンズクラブ編(70’3/15)」の「服飾用語解説・欄」には「カジ
ュアル」の記述は見当たらない。
但し、一箇所だけだが「BESIC WADROBE・欄」に「カジュアル
スラックス」の記述がある。
only_yasterday 2017年1月2日 16:32
>>42
<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑩
― 石津謙介と「カジュアル言葉」―
「石津謙介」をウィキペディアで検索すると【影響】欄に以下の
ような記述がある。
”「時・場所・場合を考慮して」という意味でよく用いられる
「TPO(Time、Place、Occasion)」、「カジュアル」、「Tシャツ」、
「トレーナー」、「スウィングトップ」、「ステンカラーコート」、
「ヘビー・デュティー」などの和製ファッション用語を定着させた
のは彼であり・・・・・”
ん?? ”などの和製ファッション用語”の範疇に「カジュアル」
を加えるとはコレ如何に?
ちなみにVAN並びにVAN関係者が多数関わった「男の服飾図鑑・メン
ズクラブ編(70’3/15)」には、「カジュアル」の記述はどこにも
見当たらない。
このような”男性を対象にした服飾図鑑”は史上初ではなかろうか。
そしてこの本の表紙カバーの裏には以下のような記述がある。
”●こんな人は、この<男の服飾図鑑>を是非お読み下さい。
1、毎日忙しい、しかしおしゃれに関心がある人。
2、いま一番大切なムードやフィーリングを、手っとり早く、身に
つけたい人。
3、雑誌、TVに出る流行に、乗りおくれたくないと思う人。
●<男の服飾図鑑>は、どこから読んでも役に立つ、実用的でしか
も楽しい、男のおしゃれのガイド・ブックです。
つまり、1970年3月時点においては「カジュアル」という言葉は男性
誌では重要視されてはいないことがわかる。
日本においては誰よりも早く「カジュアルウェア」を世に出した石津
謙介氏だが、氏の息のかかる男性誌においては女性誌の後塵を拝する
ことになる。
これはこれより遡ること6年前の1964年、世の若い男性に多大な影響を
与えたエポックメーキング的な雑誌”平凡パンチ創刊号(昭和39年5/11)”
でさえもこの言葉「カジュアル」を見つけることはない。