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(株)タムラ製作所【6768】の掲示板 2023/12/27〜2024/01/18

近ごろ話題の記事「世界初、垂直ブリッジマン法による6インチβ型酸化ガリウム単結晶の作製に成功」、見出しが一瞬フリンジマンに見えました・・・青木U平のマンガの(⌒-⌒)\( ̄o ̄;)ナンジャソリャ-

ネットで検索してみるとブリッジマン法の名前の由来は発明者のハーバード大学教授パーシー・ブリッジマン博士。1946年にノーベル物理学賞を受賞、いま映画でやっているオッペンハイマーは彼の教え子、ラッセル=アインシュタイン宣言に署名した11名のひとりで平和主義者として知られるという前世紀の大物科学者。誰だフリンジマンとか言ったのは・・・

さて基盤の大口径化=低コスト化で大きな前進となる今回のニュース、酸化ガリウム (Ga2O3)は炭化ケイ素 (SiC) や窒化ガリウム (GaN)に比べてワイドバンドギャップの性能が高いにもかかわらず低コストで供給できると期待されていますが、じっさい6インチ基盤ではいかほどの製造コストとなるか。検索すると既にその種の試算が出ているようで、EFG法(VB法と同様のるつぼを使った単結晶成長法)によるβ型酸化ガリウム(β-Ga2O3)の6インチウェハは月産5000枚の生産量を想定すると1枚あたり320ドルとのこと(*)。1ドル145円で計算すると約4.6万円ほどであり、たしかにコスト的に高い競争力を持ちそうです(日経クロステックの昨年2月の記事ではGaNの2インチウェハの価格が10~20万円)。今回のニュースでこの6インチウェハ生産への道筋がひとつ視野に入ってきたわけで、半導体メーカーの担当者各位におかれては、今後の次世代パワー半導体設備投資計画で算盤のはじき直しが必要となるのでは。今年2024年は酸化ガリウム半導体の実現に向けたいろいろなニュースが出てきそうで、私も忘却投資法どころではなくなりそう。

(*)米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)「Projected Cost of Gallium Oxide Wafers from Edge-Defined Film-Fed Crystal Growth(エッジ定義フィルム供給結晶成長による酸化ガリウムウェーハの予測コスト)」