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シャープ(株)【6753】の掲示板 2017/08/02〜2017/08/03

鴻海、成長の土台は人脈づくり
中国で製造拠点40カ所に
日本経済新聞2017/8/3 1:44 [有料会員限定]
アジアニュース
 鴻海精密工業の郭台銘董事長は今年3月に広東省広州市で液晶パネル工場の起工式に参加すると、同省トップの胡春華・党委書記とがっちり握手した。胡氏は共産党の青年組織「中国共産主義青年団(共青団)」の先輩である胡錦濤・前国家主席に抜てきされた。郭董事長は投資規模が610億元(約1兆円)に達する液晶パネル工場建設で、胡春華氏にしっかりと恩を売った格好だ。

 中国で改革路線を敷いた鄧小平が精力を傾けた広東省深圳市に鴻海が進出したのは1988年。その後も大型投資を重ね、鄧小平との太いパイプを築いた。習主席の父親である習仲勲が晩年に過ごしたのも深圳市だった。家族ぐるみの付き合いがあったとされ、習主席が最高指導者に就任した後の2013年春に郭董事長と再会した際に、習主席は「老朋友」と声をかけたという。

 その深圳を基盤として、中国で約40カ所の製造拠点などを展開し、合計で約100万人を雇用する大企業に成長した。16年の輸出額は1社だけで中国の貿易総額の約4%を占めるという。政治家と太いパイプを活用しながら地元政府に対し、工場建設の用地や建屋、電力、水などの無償または低価格の提供を求め、ライバルより安い製造コストを実現してきた。

 「経済合理性に加えて、国家指導者やその候補との人間関係を重視して、工場の立地を選んできた」。鴻海の技術系幹部は打ち明ける。

 鴻海が次に見据えるのが米国だ。経営難に陥っていた日本のシャープを買収した後、郭董事長は米ホワイトハウスを訪れるなどで、トランプ大統領との関係を深めていった。米国投資により雇用創出や貿易赤字の削減に貢献するとしている。中国だけでなく、トランプ大統領など世界の政治家を手玉にとりながら次の成長路線を探るのが郭董事長の真骨頂だ。