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(株)東芝【6502】の掲示板 2017/03/01


■“忠誠心の証”

「株価下落で、人生設計が滅茶苦茶になりました」

 こう沈痛な面持ちで語るのは、東芝の30代技術職社員だ。

「実は、結婚を考えている彼女と一緒に住むマンションを購入しようと計画していたのです。
不正会計発覚前、自分が持っている自社株の評価額を調べたら300万円ほどだった。
それで株を売却して“頭金に”と考えていたのですが、
半額以下に目減りしたので購入を見合わせました」

 株価下落は若いカップルの夢を打ち砕いたが、ベテラン社員の悩みも深刻だ。
40代の管理職社員は頭を抱えながら、

「上場来高値は、1989年の1株1500円。私の平均購入額は1株900円から1000円ですから、
購入額の5分の1程度まで目減りしたことになる。定年まで住宅ローンが残っていたら、
自社株の一部を売って返済に充てるつもりでした。昨年末に住宅ローンの返済計画を見直した結果、
専業主婦だった妻にもパートで働いてもらうことになったのです」

 数年前まで勝ち組だった東芝。
社員の妻も、よもやこんな日が来ようとは想像もしていなかったはずだ。
自社株を買い続ければ、含み損も膨らむ一方だが、

「今後も、自社株を買い続けるつもりです。以前は、管理職の飲み会で“俺の方が株数が多い”など
と自慢し合っていました。保有する株数は会社に対する“忠誠心の証”。こんな時だからこそ、
買い続けて株価を支えなければならないのではないでしょうか。
万が一、上場廃止になったとしたら……」(同)

 彼らの“忠誠心の証”が、紙屑にならないことを祈るばかりだ。

「週刊新潮」2017年3月2日号 掲載
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新潮社