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AGC(株)【5201】の掲示板 2018/06/27〜2019/04/02

>>849

素材もサービスで売る 三井化学、義歯を自動設計 AGC、工場見守り

日本や欧州などの素材メーカーが人工知能(AI)や3Dプリンターのデジタル技術を活用し、「脱・売り切り」のサービスを次々と打ち出している。アジア勢が汎用品を中心に追い上げるなか、日欧勢は素材単体での競争を避ける。製品の納入後も生産効率化の支援などで顧客との結びつきを強める狙い。デジタル技術を使ったサービスの巧拙が各社の競争力にも影響しそうだ。

三井化学は、AIスタートアップと共同で義歯の自動設計ソフトを開発した。3Dプリンター用の樹脂の販売につなげる戦略だ。

三井化学子会社の独クルツァーが保有する100万件の治療データを機械学習させ、1本あたり約15分必要だった設計時間を約20秒に短縮した。義歯の種類や形状に応じて使い分ける1400以上の樹脂も用意して義歯製作を支援する。

義歯設計を担う歯科技工士には「職人肌」の分野が多く、デジタル技術に抵抗感がある人も多い。三井化学は作業の負担を減らすソフトを通じ、技工士にも使いやすい環境を整えて樹脂の販売につなげる。

「素材産業は『モノ消費』から『コト消費』に移る」。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長はこう指摘する。素材産業は従来、顧客企業と性能や価格で交渉して、納入後の「アフターサービス」は少なかった。だがデジタル技術の進化で顧客が最終製品を使う場面まで接点を持ち続けることが可能になった。材料供給や料金の受け取り方法も変わる。

自動車部品に着目したのが旭化成だ。樹脂で部品を作るために金型設計や生産プロセスの提案を強化。日本とベトナムに設計拠点を構え、部品の強度などを高精度にシミュレーションする。金型に樹脂を流し込む温度やスピードを助言し、生産の効率化まで支援する。

自動車メーカーは金属から樹脂へのシフトで車体の軽量化を急ぐが、樹脂の物性などの知見は樹脂メーカー側にある。樹脂販売に付加価値をつけ、単純な価格競争から距離を置く考えだ。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」も素材と親和性が高い。ガラス大手のAGC(旧旭硝子)は、温度センサーを使った工場の見守りサービスを手がける。ガラス工場の溶融炉の耐熱レンガを外販し、あわせて顧客の溶融炉を遠隔監視する。炉内温度の変化をみてレンガの劣化を察知し、交換を提案する。