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富士フイルムホールディングス(株)【4901】の掲示板 〜2015/04/27

現在、テストが始まっているのは、米国アレルギー感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases:NIAID)と、グラクソ·スミスクライン社(GlaxoSmithKline:GSK) が共同開発したワクチンで、「VRC 207」と呼ばれています。

このワクチンは、改良が重ねられてきたもので、現在のワクチンで行われた動物実験については、「人間以外の霊長類の保護について、非常に優れた結果が得られています」、と報告されています。

このワクチンは、チンパンジーに風邪を引き起こす「チンパンジー・アデノウイルス3型(ChAd3)」と呼ばれる種類のウイルスを元にして作られました。人間の体は、外から異物が侵入すると「外敵を発見した!」という警報を出して、異物を撃退しようとします。「免疫反応・抗原抗体反応」というものです。

「チンパンジー・アデノウイルス3型(ChAd3)」と呼ばれるこのウイルスには、ザイール・エボラウイルスとスーダン・エボラウイルスという2種類のエボラウイルスの特徴的な遺伝物質が付け加えられています。

エボラウイルスの特徴を持ったこの「チンパンジー・アデノウイルス3型」ウイルスは、「担体・ベクター」と呼ばれる「運び屋」です。それは人間の体に接種されると、免疫系に「敵がいるぞ!」という警報を出させ、どんな敵なのかを免疫系に確認させ、敵を撃退する為の「抗体」というものを作らせる為の道具になります。

「チンパンジー・アデノウイルス3型」ウイルスは、自分自身を増やすことはできません。また、そのウイルスに付け加えられているのは「エボラウイルスの成分」でしかないので、ワクチンを接種された人が「エボラ出血熱」にかかる事もありません。

このワクチンの為のウイルスは「ザイール・エボラウイルス」の成分を持っています。そのウイルスは、今回の西アフリカでの大規模な流行を引き起こしているエボラウイルスです。人間の免疫系がそれを「敵だ!」と認識してくれれば、現在流行しているエボラウイルスが入り込んでも、人間の体がワクチン接種によって既に持っている「抗体」によって撃退される事が期待できます。