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富士通とノースロップ・グラマンは非常に密接な協力関係にある。特に米軍が推進する「戦域全体のネットワーク化」という文脈で、具体的な共同実証を行っている。
1. 5Gを活用した次世代戦術ネットワークの共同実証
3社連携のプロジェクト: 2023年に、ノースロップ・グラマン、米AT&T、富士通の3社は、5Gを活用したISR(情報収集・警戒監視・偵察)機能の実証実験に成功したと発表した。
富士通は、通信のオープン化規格である「O-RAN」に基づいたネットワーク技術を提供している。
目的は戦場での高画質映像やデータを低遅延で伝送し、迅速な意思決定を可能にする「デジタル・バトル・ネットワーク」の構築を目指している。

2. JADC2(統合全領域指揮統制)への貢献
米軍の構想への連携は、米軍が掲げる「JADC2(あらゆるセンサーと攻撃手段をネットワークでつなぐ構想)」の基盤となる技術である。
相互運用性はノースロップ・グラマンの戦術データリンクと富士通の通信技術を組み合わせることで、陸海空、さらには宇宙・サイバー空間を横断した高度な情報共有を実現しようとしている。

3. 日本防衛への影響
自衛隊装備との関連ではノースロップ・グラマンは、自衛隊が運用するE-2D早期警戒機やグローバルホーク(無人偵察機)のメーカーでもある。
富士通は国内防衛システムの大手ベンダー(FDNS等)であり、パランティアのAI、そしてノースロップ・グラマンの防衛アセットを統合し、日本の防衛DXを支える中心的な役割を担っている。

富士通のネットワーク制御ソフトウェアのブランドである「Virtuora(バーチュオーラ)」、または近年提携したAI企業の「ARYA(アーリャ)」

ノースロップ・グラマンとの共同実証では、「Virtuora」が中心的な役割を果たしている。
1. Virtuora:ネットワーク運用の核心
富士通が提供する、ネットワークの運用・管理を自動化するソフトウェアシリーズで、AIを活用してネットワークの消費電力を削減したり、通信経路を最適化する。
米軍・ノースロップ・グラマンやAT&Tと行った5G戦術ネットワークの実証においても、こうしたネットワーク制御技術が基盤となっている。
2. ARYA(アーリャ):高精度AI連携
もうひとつ、富士通が提携している米国のAI企業「ARYA」があります。
AI検知ソリューション: 富士通は米ARYA社と共同で、高精度AIによる不審行動検知システムを開発している。防衛・セキュリティへの応用でパランティア同様、高度な解析技術をセキュリティや防衛分野に活用する。

IP Infusionと富士通は、まさに次世代ネットワークの「中身(ソフトウェアとハードウェア)」を作り上げる非常に強力な協力関係にある。
特にノースロップ・グラマンとの連携で触れた「5G戦術ネットワーク」などの通信インフラにおいて、IP Infusionの技術は欠かせない要素となっている。
1. 「White Box」戦略での深い提携
富士通は、特定のメーカーの専用機に縛られない「オープンなネットワーク(White Box)」を推進しており、その核となるOSを提供しているのがIP Infusionである。
戦略的提携で富士通(Fujitsu Network Communications)は、自社の光・パケット製品群にIP InfusionのネットワークOSである「OcNOS」を統合して展開している。
5G通信の最適化に両社は共同で、5Gモバイル通信の運用の効率化やコスト削減を実現するソリューションをグローバルに提供している。

パランティアが「脳(データの分析)」であれば、IP Infusionは「神経系の基本OS(ネットワークOS)」であり、富士通はそれらを統合して「体(システム全体)」を構築し、米軍やIOWNといった巨大なインフラへ提供するインテグレーター、という役割分担になっている。
富士通が提携を強めているロッキード・マーティンとの「軍民両用技術」についても、こうしたIP Infusionとの通信技術が土台になると考えられる。

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