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楽天グループ(株)【4755】の掲示板 2024/04/02〜2024/04/03

2月14日決算発表の日、自分は仕事の帰りで車を運転していた。そのときラジオから次のようなニュースが飛び込んできた。『本日の15時過ぎに楽天グループが決算発表を行いました。最終損益は3,394億円の赤字、これは5期連続とのことです。又、配当は無配、これは23年振りとのことです。楽天Gによると赤字の殆どはモバイル事業であったとコメントしています』。これを聞いたとき自分はハンドルから手を離しガッツポーズを3回とった。他でもない、それは翌日のストップ安を確信したからである。しかし、結果は皆さん周知の通り。

だが、売り方の負けが決まった訳ではない。

少々長くなるのでまずはモバイルについてコメントする。

<モバイルが今後も苦戦すると考える理由>

1)マーケットシェアが少ないこと

楽天Gは現在、モバイルに全振りしており、今までに1兆2,000億円を超える資本を投下するもMNOに参入した2020年から今日にかけてマーケットシェアは2.4%~2.6%で推移しており、三木谷氏の思惑とは裏腹に3大キャリアにアッパーハンドが取れていない状況である。そして、この先、価格の安さだけを武器に競合他社のシェアをひっくり返すのは、携帯のイメージと安心感から至難になることは想像に難くない。楽天経済圏を利用する人は乗り換える可能性があるが、それ以外の人は敢えて楽天モバイルには乗り換えないと考えるのが普通の考え方である。

2)モバイル黒字化までの道のりが険しいこと

モバイルが黒字化するためには①800~1,000万契約、②2,500~3,000円のARPU(一回線たりの売上)の両方を達成することが必須(損益分岐点を月間240億円~250億円で見積もっていると思われる)だが、契約数は3月8日時点で630万契約(ダイヤモンド社調査)、3月末時点でも650万契約(総会での三木谷氏の発言)である。12月末と3月末は携帯の乗り換えシーズンでもあるが、その時期をもってしても650万契約なのである。つまり、この先の純増については家族割(学生割を含む)や法人営業を展開しても3大キャリアをひっくり返すのは至難である。そして家族割や法人契約はARPUの向上には繋がらない。ビジネスマンの心得として法人携帯でYouTube(動画)は見ないであろう。

3)MVNOでも十分であること

自分はUQモバイル(4G)だが、外での繋がりは若干悪いものの60歳以上のため電話はかけ放題で月2480円(税込)と十分満足している。同じように友人(55歳)はMVNO(5G)でUQモバイルの電波が悪い場所でも快適に動いており満足してる様子であった。つまり、4Gの楽天モバイルよりも5GのMVNOのほうが選ばれやすいのではないか。それを証明するかのように先日、総務省が発表した調査結果によると楽天モバイルよりもMVNOのシェアのほうが高かった。

4)モバイルのブースが少なく、契約がリモートであること

楽天モバイルはブースの数が少なく、基本的にリモートで契約するようだが、それがハードルを高めている可能性は高い。先日、イオンスタイル碑文谷店の携帯ブースにはAUのブースが2つ、ドコモとソフトバンクのブースが其々1つづつあり、楽天ブースは存在しなかった。又、通話は楽天LINKなるものを必要としており、それに違和感を覚える人も多いと考えられる他、相変わらず『繋がりにくい』という声もあり、解約も一定数出ると想定される。

5)イメージキャラクターを変えたこと

去年までTVCMは米倉涼子がメインで今田美桜がサブメインであったが、昨今は法人契約プロモートにだけ起用されている模様で、彼女達の顔は見かけなくなった。これは継続性という点で疑問である。不動産仲介大手のハウスドゥでは元ヤクルトスワローズの古田敦也氏をイメージキャラクターに起用してから爆発的に売り上げが伸びたとしており、契約から11年たった今でも古田氏は同社のイメージキャラクターである。

6)ギガ使いたい放題の人向けのニッチマーケットを対象にしていること

果たしてギガ使いたい放題を希望する人が実際にどれだけ世の中に存在するかが疑問である。動画見放題、ゲームやり放題等が目的な人も中にはいるだろうが、マニアックといわざるを得ない。使い放題に関しては、そのような人向けに特別なプロモーションを展開すべきである。