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三菱ケミカルグループ(株)【4188】の掲示板 2018/07/11〜2018/10/03

三菱ケミ、タイ企業とストロー用の新素材開発

三菱ケミカルはタイ国営のタイ石油公社(PTT)グループと組み、ストローに使える環境負荷の少ない新素材を共同開発した。水中で自然分解する性質があり、ストロー用途に十分な強度も持つ。プラスチックを巡っては飲食店や小売店で使用を中止する動きが相次ぐ。国際的なルール作りの動きもあるなか、化学メーカーは新素材開発を急いでいる。


米スターバックスはプラスチック製ストローの使用を段階的に廃止する=ロイター
新素材は三菱ケミカルの「ポリブチレンサクシネート(PBS)」とPTTグループの「ポリ乳酸」を組み合わせた。いずれも大気中や水中で自然分解する生分解性プラスチックで、それぞれ単独でストローにするより強度が増すという。

プラスチック代替で注目される紙製ストローは紙のニオイで飲料の風味を損なったり、強度が弱かったりする難点がある。両社が開発した素材はこうした問題がない。

新素材は海に流れ込んでも、水中で次第に分解し海洋汚染を防げる。ストロー会社は従来の製造工程で使ってきた成形機をそのまま利用可能だ。価格は従来のプラスチックより高くなるが、飲食店の飲料代にストローが占める割合はわずかで影響は小さいとみられる。

化学メーカーは従来品の代替となる生分解性プラスチックに力を入れる。カネカは生産能力を5倍に高める。クラレは空気を通しにくく、生肉や鮮魚の包装に使える生分解性フィルムの新工場を米国に建設する計画だ。

各社が新素材開発に力を入れるのは、世界の「脱プラスチック」のうねりへの危機感がある。

プラスチックが海に流出すれば生態系の破壊につながる恐れがある。環境・社会・企業統治を重視したESG投資を企業評価の基準に据える潮流も脱プラを後押しする。

ストローが象徴となり、米スターバックスや米マクドナルドがいち早く使用中止を決定。日本でもすかいらーくホールディングスが追随した。

枠組み作りで先行するのは欧州だ。フランスは法律で2020年にプラスチック製の使い捨て食器の禁止を決定。英国もプラスチック製ストローやマドラー、綿棒の販売を禁止する計画だ。