投稿一覧に戻る ステラ ケミファ(株)【4109】の掲示板 2016/11/12〜2017/02/06 1001 イーチャン 2017年2月6日 17:09 (前ページからの続きです) 18年に大きくルール変更されるのは米国市場だ。国内では、カリフォルニア州など10州でZEV(ゼブ)(Zero Emission Vehicle=無公害車)規制が敷かれている。新車販売台数が一定以上の「大規模事業者」(トヨタ自動車やゼネラル・モーターズなど6社)に対して、一定割合の無公害車の販売を義務づけるものだ。 無公害車とは、現在は(1)電気自動車(EV)(2)水素などを使う燃料電池車(FCV)(3)プラグインハイブリッド車(PHV)(4)ハイブリッド車(HV)(5)低排ガス車(PZEV、低公害の先進技術を搭載したとして認定される)、の五つの車種を指す。大規模事業者は5車種ごとの販売枠をクリアしなければならない。できない場合は、当局に罰金を支払うか、基準超過メーカーから排出枠(クレジット)を購入しなければならない。 このZEV規制では18年以降、HVとPZEVはもはや「無公害車」とは認められなくなる。車メーカーはEV、FCV、PHVの3車種を一定割合販売しなければならないのだ。うち、FCVは水素充填(じゅうてん)設備が整っていないことが普及の妨げとなっている。このため、車メーカーはEVやPHVを強化する戦略を取ることになりそうだ。BMWやマツダなどは中規模事業者に指定されており、大規模事業者よりは緩いが、環境規制を受ける。 欧州や中国でも環境規制強化が進んでいる。みずほ銀行産業調査部の斉藤智美調査役は「各地の環境規制に対応するために、欧米自動車メーカーはPHVとEVの投入を加速しつつある」と分析する。矢野経済研究所によると、車載用リチウムイオン電池の世界市場規模は、毎年30~40%の成長を続け、2020年には16年の4倍に当たる15・5万メガワット時に達するとみられる。 ◇価格競争過熱のおそれも 電池関連で世界シェア1位の日本企業は日立化成やパナソニックだけではない。セパレーターの旭化成、車載用電解液の三菱化学。日本政策投資銀行産業調査部の餅友佳里副調査役は「日本は電池メーカー・部材メーカーが二人三脚で最先端の技術開発を進めたので、世界市場で存在感を示す企業が多い」と指摘する。 民生用に比べて、車載用は大型化している上に、安全性がより求められるため、発熱・発火しないよう高い品質・工程管理が求められる。日本勢にとって、技術力の高さを発揮できる市場と言える。 ただし、中国・韓国勢が台頭してきているのは事実だ。この影響は価格面に及んでいる。産業デバイス新聞の調べでは16年8~10月期の国内車載用リチウムイオン電池の単価は前年同期比約2割減だった。競合相手が増えたために、市場は拡大しているものの、価格競争が激化していることがうかがえる。 日本の電池業界では、00年代に三洋電機(後にパナソニックが吸収)とソニーが民生用リチウムイオン電池で世界シェア1、2位を独占したものの、10年以降サムスンSDIなど韓国勢に追い上げられた苦い思い出がある。車載用市場の価格競争が過熱すると、巨額の投資が回収できない恐れも出てくる。 電池業界では、価格競争で中韓勢に敗北を喫した過去の例を引き合いに「第二の半導体・太陽光電池にしてはならない」が合言葉になっている。 (種市房子・編集部) そう思う3 そう思わない1 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する 証券取引等監視委員会に情報提供する ツイート 投稿一覧に戻る
イーチャン 2017年2月6日 17:09
(前ページからの続きです)
18年に大きくルール変更されるのは米国市場だ。国内では、カリフォルニア州など10州でZEV(ゼブ)(Zero Emission Vehicle=無公害車)規制が敷かれている。新車販売台数が一定以上の「大規模事業者」(トヨタ自動車やゼネラル・モーターズなど6社)に対して、一定割合の無公害車の販売を義務づけるものだ。
無公害車とは、現在は(1)電気自動車(EV)(2)水素などを使う燃料電池車(FCV)(3)プラグインハイブリッド車(PHV)(4)ハイブリッド車(HV)(5)低排ガス車(PZEV、低公害の先進技術を搭載したとして認定される)、の五つの車種を指す。大規模事業者は5車種ごとの販売枠をクリアしなければならない。できない場合は、当局に罰金を支払うか、基準超過メーカーから排出枠(クレジット)を購入しなければならない。
このZEV規制では18年以降、HVとPZEVはもはや「無公害車」とは認められなくなる。車メーカーはEV、FCV、PHVの3車種を一定割合販売しなければならないのだ。うち、FCVは水素充填(じゅうてん)設備が整っていないことが普及の妨げとなっている。このため、車メーカーはEVやPHVを強化する戦略を取ることになりそうだ。BMWやマツダなどは中規模事業者に指定されており、大規模事業者よりは緩いが、環境規制を受ける。
欧州や中国でも環境規制強化が進んでいる。みずほ銀行産業調査部の斉藤智美調査役は「各地の環境規制に対応するために、欧米自動車メーカーはPHVとEVの投入を加速しつつある」と分析する。矢野経済研究所によると、車載用リチウムイオン電池の世界市場規模は、毎年30~40%の成長を続け、2020年には16年の4倍に当たる15・5万メガワット時に達するとみられる。
◇価格競争過熱のおそれも
電池関連で世界シェア1位の日本企業は日立化成やパナソニックだけではない。セパレーターの旭化成、車載用電解液の三菱化学。日本政策投資銀行産業調査部の餅友佳里副調査役は「日本は電池メーカー・部材メーカーが二人三脚で最先端の技術開発を進めたので、世界市場で存在感を示す企業が多い」と指摘する。
民生用に比べて、車載用は大型化している上に、安全性がより求められるため、発熱・発火しないよう高い品質・工程管理が求められる。日本勢にとって、技術力の高さを発揮できる市場と言える。
ただし、中国・韓国勢が台頭してきているのは事実だ。この影響は価格面に及んでいる。産業デバイス新聞の調べでは16年8~10月期の国内車載用リチウムイオン電池の単価は前年同期比約2割減だった。競合相手が増えたために、市場は拡大しているものの、価格競争が激化していることがうかがえる。
日本の電池業界では、00年代に三洋電機(後にパナソニックが吸収)とソニーが民生用リチウムイオン電池で世界シェア1、2位を独占したものの、10年以降サムスンSDIなど韓国勢に追い上げられた苦い思い出がある。車載用市場の価格競争が過熱すると、巨額の投資が回収できない恐れも出てくる。
電池業界では、価格競争で中韓勢に敗北を喫した過去の例を引き合いに「第二の半導体・太陽光電池にしてはならない」が合言葉になっている。
(種市房子・編集部)