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(株)岡山製紙【3892】の掲示板 2015/04/29〜2023/12/29

上方修正期待で梯子外されて、さらに追い打ち記事が・・・

段ボール需要ブレーキ 5月原紙出荷10.8%減 巣ごもり向け荷動き続かず

                       2020/6/27付 日本経済新聞


段ボール需要にブレーキがかかっている。新型コロナウイルスに伴う「巣ごもり」で加工食品や飲料の梱包需要が下支えしていたが、5月半ばから鈍化。自動車など工業品や訪日客向け土産物といった分野も回復は難しい。業界では需要の先行きが読めないとの指摘が多くなってきた。
「外出自粛の緩和で会社や駅などで人の動きが始まったが、コロナ前に戻るには時間がかかる。猛暑になれば飲料の出荷が期待できるのだが……」。段ボール製品メーカー大手の幹部は不安げだ。段ボール出荷が上向く材料を探す日々が続く。
印刷・情報用紙などの低迷に比べ底堅かった段ボール原紙の出荷だが、5月中旬ごろから潮目が変わったという。日本製紙連合会(東京・中央)によると、巣ごもりによるカップ麺など加工食品の輸送の好調を追い風に、段ボール箱の原料となる段ボール原紙の出荷は4月は前年同月比3.2%減と底堅かったが、5月は10.8%減の64万9000トンに落ち込んだ。
製紙連の野沢徹会長(日本製紙社長)は「通販・宅配向けが引き続き堅調だが、加工食品・飲料向けは一服感が出ている」と話す。製紙業界の想定よりも巣ごもりによる買いだめ需要が持続しなかったもようで、生産の割に出荷が停滞。5月の製紙会社の段ボール原紙在庫は55万5000トンと、月次の過去最高水準を記録した。
巣ごもり消費関連の段ボールの停滞に加え、工業用途の梱包材の需要の落ち込みも顕著だ。全国段ボール工業組合連合会(東京・中央)によると4月の自動車部品など「電気器具・機械器具用」は前年同月比7.8%減。その後の復調の足取りは聞こえてこない。
段ボール原紙も含めた紙・板紙の出荷について、製紙連の野沢会長は今後の経済活動の再開を踏まえ「5~6月がボトム」とみる。ただ足元で外出自粛が緩和されつつあるとはいえ、外食店の食材配送はまだ低調だ。訪日客向けの土産物や化粧品や衣料品といった嗜好品の輸送もなお鈍い。
段ボール原紙の取引価格は2018年末のメーカー値上げ以来、1キロ90円を維持している。需要家側の一部からは「原材料となる古紙も安値圏が続くなか、需要が鈍化したとなると段ボール原紙の値下げ材料がそろってくる」との声もある。こうした声に対し、製紙各社は需給バランスの維持と市況の維持に向け、減産や輸出への振り向けという対応を迫られる。中長期で印刷用紙などの国内需要が減少するなか、ネット通販の拡大を背景に段ボール原紙の設備増強に動く製紙大手にとり、減産は痛手だ。
ここに来て新型コロナ感染拡大の第2波も警戒され始めた。家庭生活とともに産業界の荷動きも一段と変動要素が大きくなる。段ボール需要の先行きの不透明さは経済活動の揺れをそのまま映し出す。
(杉原梓)