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垂直統合武器に決済で新体験、「アップルペイ」の勝算
2016/12/19 6:30 日本経済新聞

 東日本旅客鉄道(JR東日本)が駅構内のあちこちでポスターを掲出し、三井住友カードも人気急上昇中のバンド「Alexandros」の楽曲を使用したテレビCMを打つ――。

 「Apple Pay(アップルペイ)」が日本に上陸して2カ月弱。当初の熱気は薄れたものの、街の光景に着実に溶け込みつつある。アップルペイ対応企業が積極的に宣伝面で支援しているのが奏功しているようだ。

 店舗や駅の改札など、リアルなシーンで「お手軽決済」を実現するイメージの強いアップルペイ。だがアップルが、iPhone(アイフォーン)をモバイルウォレット(財布)に仕立てるサービスをわざわざ開発したのは、単にクレジットカードの置き換えを狙ったからではない(注:フル機能に対応しているのはiPhone7シリーズ、6シリーズは一部機能を使える)。仕組みをひもとくと、EC(電子商取引)などネット上の決済も含めてデファクトスタンダード(事実上の標準)を握ってしまおうという、真の野望が見え隠れする。

■ネットショッピングでも使える

 「Touch IDでgifteeに¥500を支払う」――。

 2016年10月にアップルが発売したばかりの最新型ノートパソコン「MacBook Pro(マックブックプロ)」。ウェブブラウザーを立ち上げて、KDDIなどが出資するギフティー(東京・渋谷)の贈り物購入サイトにアクセスしていざ決済する場面になると、こんなメッセージがキーボード上部の小型タッチ液晶に表示される。Touch IDと呼ばれる指紋センサーに指を添えると、本人確認をして決済が実行される。