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特種東海製紙(東京)は静岡市北部の社有林を活用してウイスキーの製造事業に乗りだす。四月に事業のための子会社「十山(じゅうざん)」を葵区田代に設立すると二十二日、発表した。今年夏から蒸留を始め、二〇二七年以降の出荷を計画している。


 工場は大井川沿いの約二千平方メートルに建設中。約十一億円を投じて蒸留棟や熟成庫を整備する。七年以上熟成させた「本物」の製造を目指し、初年は七百ミリリットル入りで五千~六千本程度の出荷を見込んでいる。


 社有林の面積は二万四千四百三十ヘクタールで浜名湖の四倍近くに上る。特種東海は林業のほか、子会社で「二軒小屋ロッヂ」や「椹(さわら)島ロッヂ」などの山小屋の運営を手掛けている。


 JR東海が建設するリニア中央新幹線の南アルプストンネルが社有林地下に計画され、資産の有効活用を模索する中で、本場の英スコットランドに似た冷涼な気候とわき水を生かせるウイスキー製造に着目した。


 大井川の流量減少を懸念する県や流域市町とJRの協議が難航し、トンネル工事は遅れているが、リニア開通後には作業員の宿泊施設を引き継ぎ、工場見学などの観光事業を展開することも視野に入れている。特種東海の担当者は、水の問題が持ち上がる前からの計画としている。


 同社は特種製紙と東海パルプが経営統合して〇七年設立。島田市と長泉町に生産拠点があり、島田市に登記上の本店を置いている。