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(株)SUMCO【3436】の掲示板 2019/11/10〜2019/11/19

>>827

さむ子の自社株買いとCI(コーポレートアイデンティティ)②

続いてSUMCOの自社株買いの背景です。少し長めです。

④さむ子の収益力と自社株買いの背景
1)結論は今後の収益力の拡大やキャッシュの増加にさむ子が自信というより確信を持っているということです。

2)3Q決算説明会資料P7の「新たな株主還元政策の方針」では、自社株買いの背景については、「1.2015年公募増資時に掲げた財務目標(自己資本比率50%超とグロスDEレシオ0.5倍以下)概ね達成」した結果だと、僅か1行で、ごく簡単に書かれています。
 詳細な経過は省きますが、2008年のリーマンショックで会社存亡の危機に陥ったさむ子は2015年の公募増資で企業再建を果たしました。この時点の中期財務目標が「自己資本比率50%超とグロスDEレシオ0.5倍以下」です。公募増資前、2014年末の自己資本比率は36%、グロスDEレシオは1.2倍、1株純資産は539円で、2019年3Q末の自己資本比率が52%、グロスDEレシオは0.52倍、1株純資産は1005円になりました。2015年の企業再建以降、いかに急速にさむ子の財務体質が強化されてきたのかは明らかです。
 今はウエハーの底打ち局面でさむ子の収益力は低下し、2019年の最終益予想は280億円程度に落ち込んでいますが、すでに書き込んだようにメモリー向けウエハーの在庫調整が進展し、ウエハー需要の回復によって、1~2年で最終益は500~600億円に回復するはずです。細かな試算はしていませんが、遅くとも2020年1Qで底打ちし、2Q~3Qにかけてこの様な状況を織り込んでくると予想しています。この結果、配当や自社株買いの原資は増えるのは当然ことです。

  • >>848

    さむ子の自社株買いとCI(コーポレートアイデンティティ)③

    続いてSUMCOの自社株買いの背景です。少し長めです。
    ④さむ子の収益力と自社株買いの背景

    3)しかも、この収益力の回復は財務体質改善の1側面に過ぎません。と言うのは、SUMCOのBSの資産には、リーマンショック前の過剰設備投資に伴う負の財産であった、長期契約によるポリシリコン在庫が、棚卸資産、長短期の前渡金を含めて、2000億円程度計上されています。昨年、途中解約した大阪チタンとの契約を含めて、今後は10年程度の長期契約が期限切れを迎えるので、在庫は減少局面に入ります。その結果、ウエハーを生産すればするほど、ポリシリコン在庫はキャッシュに置き換わり、さむ子の試算でも600億円~700億円程度のキャッシュフローの改善が見込めます。

    4)結論は次の通りです。①ウエハーの需要改善によって生まれる当期利益とポリシリコンの長期契約解消によるキャッシュの改善によって、今後予想されるグリーンフィールド(新建屋)での最先端ウエハーの増産投資を自己資金で賄う目途が確実に立った。②最終益の10%で自社株買いを行っても、さむ子の自己資本率やキャッシュには何ら影響しない。③さらに有利子負債の削減も可能だということです。

    5)これが、「2015年公募増資時に掲げた財務目標(自己資本比率50%超とグロスDEレシオ0.5倍以下)概ね達成」したという僅か1行に書かれた意味であり、自社株買いの背景です。自社株買いは、先行きの業績に確信があることの証明で、業績回復に確信がなければこのような資本政策は打ち出せません。