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当方ホルダーではありません。四季報で井村俊哉氏が保有しているのをみて注目しているうちに公開買付になってしまいました。
東証が「MBO・支配株主による完全子会社化に係る規範の見直し」が7月22日に実施されて以降の事案です。
論点が2つあり
1. 手続きとして公正性担保措置のうち6項目中3項目(フェアネスオピニオン、マーケットチェック、マジョリティオブマイノリティ)が明らかに具備されておらず、2項目(強圧性排除、情報開示)が不十分なため、不公正な手続きと感じます(特にエアウォーターと社長合わせて85%あるから、マジョリティオブマイノリティは不要という書き振りは、強圧的と感じました)
2. 今後5年の業績について、EBITDAの伸びは順調な一方で、フリーキャッシュフローは物流施設の建て替えでほとんど出ず最終29年度には戻るとあります。継続価値はEBITDAマルチプル法で最大704億とある一方で、株価レンジ上限は1500円=750億円、つまり5年間で50億円しかないと述べています。
昨年末に発表している中期経営計画では2034年に単体売上高で1470億、営業利益125億円を標榜しており、すでにニッセンと白鳩が連結で200億乗ってきます。
穿った見方をすると2029年まではフリーキャッシュフローが出ないようにして、2030年以降に回収する長期計画。投資期間中のキャッシュフローを出さない業績だけを抜き出して、価格算定させているのでは、と感じます。
仮に2034年のEBITDAを150億でリニアに線を引いてゆくと同じマルチプルを適用して1100億程度になるんじゃないかと思います。
公開買付自体は下限が設定されていないため確実に成立しますが、エアウォーターと社長を除いた発行済15%程度の株主のうち半分(7.5%)が応募しないと、マジョリティオブマイノリティ未達になります。この場合、応募しなかった株主がその後の臨時株主総会で反対し、かつ、買取請求?して価格が折り合わないと裁判所に価格決定の申し立てをすることになります。
そもそも公正性担保措置が不十分なので、第三者評価機関をいれて争う展開になれば、東証の規範改訂後の初事案として注目に値します。
なお、この事案は金商法の妥当性監査が必要なものと思いますので、不公正手続きを看過した監査役は何をやっているのかと不安になります。
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