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(株)ペルセウスプロテオミクス【4882】の掲示板 2024/05/01〜2024/05/14

23年11月に発表した中間決算の説明資料11ページに、真性多血症(PV)向けの新薬候補における、他社の契約事例が掲載されています。資料によると、契約一時金は15億−26億円、開発マイルストーンは前臨床段階のもので191億円、治験1相段階のもので606億円です。「PPMX−T003」も同じ規模を期待していいのでしょうか。

創薬ベンチャーの場合、開発パイプラインにどれくらい価値があるのか、なかなか伝わらない。必ずしもそういう金額レベルを暗示するものではないが、ポテンシャルは感じてもらえたらいい。

契約一時金に関しては、少なくともそれくらいの規模から交渉をスタートしたいと思っている。ただ交渉ごとなので、当社が希望したからと言ってそうなるわけではない。

■ほかの治療法に対して圧倒的に副作用が少ない

──「PPMX−T003」は、真性多血症に対する既存の治療法や、決算説明資料に載せていたほかの新薬候補とどう違いますか。

重要な質問だ。真性多血症は赤血球が非常に多いことが原因で、血液がドロドロになって血栓ができ、血管が詰まってしまう病気だ。昔は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こして数年で亡くなる人がたくさんいた。

今はまず非ステロイド性抗炎症薬のアスピリンを飲んで、血液をサラサラにする。そのうえで、基本的な治療法として瀉血をして、血液中の過剰な赤血球を減らす。瀉血というのは献血と同様に血を抜くこと。血を抜くと血液中の鉄が減り、鉄が減ると赤血球も作れなくなる。

今やほとんど亡くならない病気になったが、瀉血を続けると、貧血になる。とくに瀉血の頻度が高い患者さんや、その他の強い薬を飲まないといけない患者さんは、現在でもQOL(生活の質)が非常に悪い。

決算説明資料の新薬候補はいずれも「へプシジン」という鉄量を調整するホルモンを狙っている。身体の中では主に肝臓に鉄がたくさんあり、へプシジンは肝臓から体内の鉄の量などをコントロールしている。それを抑制することで、血液の中を循環する鉄の量を絞る。ただし、瀉血の場合もそうだが、赤血球と同時にほかの細胞に必要な鉄も減ってしまい、さまざまな神経に副作用が出る。

「PPMX−T003」は一見似ているが、本質的に違う。「赤芽球」という赤血球の元の細胞が鉄を吸収するのだけを止める。ほかの治療法に対して圧倒的に副作用が少なく、赤血球だけを減らせることに、自信を持っている。患者さんにとっては待望の新薬になると思う。