マイクロ波化学(株)【9227】の掲示板 2024/03/26〜2024/04/10

マイクロ波化学<9227.T>を見直したい。

　３月１８日に、２４年３月期（単体）の最終損益予想を８９００万円の黒字から９億６５００万円の赤字（前期７５００万円の黒字）へと大きく下方修正した。要因は大阪事業所再編に伴う固定資産除却損や関係会社整理損。これを受け、株価は１９日にストップ安まで売り込まれた。

　しかし、この投げは過剰反応とみられる。２４年３月期は間もなく終了し、２５年３月期以降の展開がポイントとなる中で、同社はカーボンニュートラル実現のテーマにおける本命の一角だからだ。実際、株価は１９日をボトムに切り返してきた。

　エネルギーを大量に消費する製造プロセスが根強く残る化学産業などで、同社のマイクロ波技術が環境面からニーズを強めそうだ。熱を使う産業に製造イノベーションを起こすことが期待されているのが同社のマイクロ波技術。マイクロ波とは、電子レンジにも使われている電磁波。製造における加熱、圧力、乾燥などの熱を使うプロセスは、マイクロ波を用いれば化石燃料を使わずにすむ。カーボンニュートラルにつながることはもちろん、エネルギー消費量も従来に比べて３分の１に減り、加熱時間は１０分の１、設備面積は５分の１に縮小できる。

　従来は、マイクロ波を使った製造プロセスは大型化することが難しいという常識があった。しかし、同社は定説をぶち破った。その驚がくの技術力を評価した世界最大の総合化学メーカーである独ＢＡＳＦは、１４年当時まだ大阪の零細研究法人に過ぎなかった同社と、プラスチックなどの原料となるポリマーの共同開発契約を締結するに至ったほどだ。その後もそうそうたる大手化学企業と多数の開発プロジェクトを推進している