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欧米 金融政策の掲示板

2024年4月16日

インフレ率が当局目標まで低下しない可能性は高まりつつある
利上げ再開なら米国債利回りはフラット化-株は最大15%下落へ

米国では力強い成長と根強いインフレが相まって、金融当局が利下げではなく利上げを実施する確率が高まりつつあると、UBSグループのストラテジストは指摘。借り入れコストは来年に6.5%まで引き上げられる可能性があるとの見方を示した。

  UBSでは年内2回の利下げを基本シナリオとしているが、インフレ率が当局目標の水準まで低下しないことで、当局が利上げに回帰し、債券と株式の大幅な売りが誘発される可能性が高まっているとみている。市場は既に金融緩和の観測を後退させている。米景気の驚くべき強さが最近のデータで示されたためだ。

  「景気拡大が底堅さ維持し、インフレ率が2.5%以上にとどまるようであれば、連邦公開市場委員会(FOMC)が来年早期までに利上げを再開し、フェデラルファンド(FF)金利が来年半ばまでに6.5%に達するという現実のリスクがある」とジョナサン・ピングル、バーヌ・バウェジャ両氏らUBSのストラテジストはリポートに記した。

  こうした予想は、1980年代以降で最も積極的な利上げサイクルがまだ終わっていないかもしれないと、大手銀行が受け入れつつあることを示している。FF金利は今サイクルで5.5%まで引き上げられた。UBSは年内の米利下げ幅について、275ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)という積極的な見通しを既に弱めており、現在はわずか50bpにとどまると見込んでいる。

  一段の利上げが実施されるという「ノーランディングのシナリオ」は、米国債利回りカーブの急激なフラット化を促すと、同ストラテジストらは予測。ベンチマーク利回りは「有意に上昇」し、株式は10-15%下落するとしている。