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日銀ETF買いについての掲示板

日本銀行の2021年の上場投資信託(ETF)買い入れ額は8734億円となり、過去最高だった2020年の7兆1366億円を大幅に下回った。2013年にアベノミクスの本格化で黒田日銀総裁が「量的・質的金融緩和」を導入する前年の2012年(6397億円)以来の低水準となった。
 2021年は、世界的なインフレ高進により、米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、カナダ中銀、豪準備銀行(RBA)、NZ準備銀行(RBNZ)などが金融政策の正常化、出口戦略に方向転換したことで、日銀もステルス・テーパリング(資産購入の段階的縮小)による出口戦略を推進しているのかもしれない。

1.日本銀行の上場投資信託(ETF)保有残高
 日本銀行の2021年11月の上場投資信託(ETF)の保有残高は36兆3450億円に膨らみ、日本株最大の株主となっている。国債保有残高は2021年11月末時点で514兆円となり、国債発行残高の4割以上を占めている。日本銀行は、デフレを脱却してインフレ目標2%に到達するため、異次元の量的・質的金融緩和により、株を36兆円購入し、国債を514兆円購入し、購入代金を銀行口座に振り込んできたものの、物価上昇には繋がらず、2020年のコア消費者物価指数は前年比▲0.2%、2021年11月は前年比+0.5%で低迷している。
 ETFの簿価は21000円程度なので、日経平均株価3万円では、含み益は約15兆円程度になる。
 日銀が、古今東西の中央銀行が回避している「株買い」の大義名分としている「リスクプレミアムの縮小」とは、株式益回りと国債利回りとの差である「イールドスプレッド」の縮小が想定されるが、拡大基調にあることで手段が間違っている可能性が指摘されている。
 2021年3月の金融政策の点検では、株式市場のリスクプレミアムを「有意に押し下げ効果があることを確認」と言及された。

2. 上場投資信託(ETF)購入上限と購入額
■白川第30代日銀総裁
・2010年:4500億円規模
・2011年:8003億円
・2012年:6397億円
■黒田第31代日銀総裁
・2013年4月:1兆円    (※1兆0953億円)
・2014年10月:3兆円     (※1兆3217億円)
・2016年7月:6兆円(中国経済の減速と英国のEU離脱)(※4兆6016億円)
・2020年3月:12兆円(新型コロナウイルス感染拡大)(※7兆1366億円)