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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • 163(最新)

    dailyWorker 4月28日 17:15

     野村証券では、日銀が4月1日以降、「より効果的で持続的な金融緩和」で定められた新方針でETF買入れを行っていることを受けてリポートしている。既に明らかになった変化として、(1)毎営業日12億円買い入れていた「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」の買い入れが停止した、(2)ETF買い入れ実施の有無の判断基準となっていると見られるTOPIX前場騰落率がより厳格化された—という2点を挙げてる。野村では、3月までの方針では実質的なETF買い入れペースは年間約1.8兆円だったとみているが、4月からの新方針では年間約0.9兆円まで低下したとと試算している。

  • 日銀 大規模な金融緩和策「維持」決定

    日銀は27日の金融政策決定会合で、引き続き大規模な金融緩和策を維持することを決めました。一方、今年度の物価の見通しについては0.1%上昇と、前回1月に比べ0.4ポイント引き下げました。

    日銀は27日の金融政策決定会合で、国債の買い入れを無制限に行うなどの大規模な金融緩和策を引き続き維持することを賛成多数で決めました。4都府県に緊急事態宣言が出されている中、新型コロナによる影響を引き続き注視し、「必要があれば躊躇なく追加の金融緩和に踏み切る」としています。

    一方、27日に公表した経済や物価情勢の「展望リポート」では、今年度の物価の見通しを中央値でプラス0.1%と、前回1月時点の見通しから0.4ポイント引き下げました。携帯電話料金の引き下げなどが要因としています。

    日本銀行・黒田東彦総裁「(物価目標)2%の実現に時間がかかっており、そのこと自体は残念なことであります」

    また、日銀は2023年度の物価についても、今回、新たに見通しを示しました。中央値でプラス1.0%にとどまるとしています。黒田総裁の任期中の2023年4月までには物価目標2%の実現はできない見通しになっています。

  • >>160

    5月以降も減額していくのか
    日経QUICKニュース社:日経QUICKニュースの川上と申します。ちょっと2点ございまして、まずETFについてなんですけれども、4月はまだ買い入れが1回だけということでして、今まで続けていた設備投資・人材ETFも買わなくなってきているというのが現状だと思います。

     マーケットの観測ではあるんですけれども、TOPIXが0.5%とか1%とか超えた日には、今までの例ですと買っていたものが4月にはそうではなくなったということで、なんらかの方針変更があったかと思われるんですけれども、その辺りのお考えをお聞かせいただきたいのと、あとは国債の買い入れ方針についてなんですけども、4月は3月に比べて買い入れ額、減額されています。市場機能の観点から減額したということはあると思うんですけれども、また金利が低下してきている現状、5月以降も減額していくということあるのかどうかということも併せてお聞かせいただければと思います。

    黒田:ETFの買い入れにつきましては点検後の発表でも申し上げているとおり、12兆円の上限の下でめりはりをつけた買い入れを行うということに尽きます。国債につきましても先ほど申し上げたようなことでありまして、基本的にプラスマイナス0.25%の変動幅を明確にして、その下で国債市場の機能度が高まるということを期待して行っているということに尽きます。

    読売新聞:ではよろしいでしょうか。では会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

  • >>159

    日銀・黒田総裁会見4月27日(全文3完)2%目標は適切、引き下げは考えていない

         ◇     ◇

    現実的な目標を再設定する必要性はないのか
    北海道新聞:北海道新聞の【ツチヤ 00:49:07】です。2%の目標達成が見通せない中で、まずはもう少し現実的な目標を再設定する必要性はないのでしょうか。やはり欧米の中央銀行が同様の目標を設定する中で日本銀行だけが引き下げるというのはなかなか難しいんでしょうか。お考えをお聞かせください。

    黒田:2%の目標については従来から申し上げているとおり、まず第1には消費者物価指数が実態よりも高めに出るという傾向があるということで、その点を考慮しなければならないと。つまり消費者物価指数の上昇率がゼロでも実際はデフレなのかもしれないということなんですね。

     それからもう1つはやはり金利政策を円滑に運用するためにもある程度の余地というか、政策の余地がある必要があるということから、日本銀行のみならず主要先進国の中央銀行が全て2%の物価安定の目標というものを掲げて金融政策を運営しているというのが現状であります。その結果として先ほど来申し上げているとおり、主要国の中央銀行がみんな2%の物価安定目標を掲げて政策を運営しているということが結果的に主要国間の為替レートを中長期的に見て安定させているという効果があることも事実だと思います。

     いずれにせよ今申し上げたような理由から2%の物価安定目標というのは適切であると考えておりまして、これを引き下げるというようなことは考えていないということであります。

    ノンバンクへの金融当局の視線が厳しくなっているようだが
    ニッキン:すいません、ニッキンの【タダ 00:51:08】と申します。金融システムに関連してなんですけれども、昨今話題になっておりますファミリーオフィスの問題も含めてですけれども、ノンバンクに対する金融当局の視線が特に欧米中心により厳しくなっているようにみられるんですけれども、金融システムに与える影響ですとか総裁の現状認識を伺えればと思っています。

    黒田:今ご指摘の点はまさにそのとおりでありまして、最近のFSBであるとかIMFとかいろんなところが金融システムに関して特にノンバンクの金融機関がかなり大きなシェアを占めるようになり、その活動、行動がさまざまな影響を与えうるということはそのとおりであります。わが国の場合、欧州の大陸諸国とよく似て金融システムっていうのが、銀行が非常に大きな役割を果たしているということで、ノンバンクの金融機関が大きなシェアを占めるというふうになっていませんが、ご案内のようにわが国の金融機関もさまざまな金融の投融資を行っておりまして、そうした観点から諸外国のノンバンク金融機関の活動、あるいはその動きが間接的にわが国の金融機関に影響を与えるという可能性も高まっているわけで、最近の分析でも示されているように、いわゆる連関性が高まっているということもありますので、単にわが国のノンバンクの動きをモニターするというだけでなく、諸外国のそういった動きにも十分注意して見ていく必要があると。そういう意味では諸外国の中央銀行との情報交換、意見交換というものも密にやっていく必要があるというふうに考えています。

    達成できる根拠はどこにあるのか
    朝日新聞:朝日新聞の【江渕 00:54:07】と申します。よろしくお願いします。2点ありまして、あらためて2%の目標についてなんですけれども、時間は掛かるけれども物価目標を達成できると考えているとおっしゃっているのですが、すでに8年で、残りの任期を合わせて10年で、政策を総動員しても困難であるということが分かってきたという中で、今後さらにコロナの下押し圧力があったりとか、政策の幅も今までよりも限られてくるであろう中で、今までよりももしかしたら困難ではないかという気もするんですけれども、それでも達成できるというふうにおっしゃる、その根拠がどこにあるのかということの説明をお願いします。

     というのと、もう1つETFの買い入れの方針を見直されていますけれど、その後のマーケットの動きについてどう見ておられるか。あと、これが事実上の出口への一歩なのではないかという受け止めもあるようですけれども、それへのコメントをお願いします。

    黒田:まず2%の物価安定目標につきまして、これまでの金融緩和政策がどのような効果を持ってきたかっていうのは、今回の点検でかなり定量的にも詳しく分析しておりまして、一定の効果を持ってきたっていうことははっきりしていますので、こういったことを粘り強く続けることによって2%の物価安定の目標を達成できるというふうに考えています。2%に達してないっていうことだけで言いますと、リーマンショック後、主要国の多くの国で2%に達していなかったわけですが、10年ぐらいたっても達していなかったわけですけれども、だからといって2%の目標をやめようとか、金融政策の効果がないというような議論はまったくありません。

     それからETFにつきましては、今回の点検で明らかにしたように、市場が大きく動いたときに大規模な買い入れを行うことによって、市場の安定を回復できるということがはっきりいたしましたので、12兆円という、コロナの感染症の影響が始まったときに拡大した上限を、感染症の収束後までもずっと続けて、その範囲内でめりはりをつけてETFの買い入れを行うということで、ETFの買い入れの出口とか、そういうものではまったくないということであります。

    未達の理由に説得力がないのでは
    朝日新聞:朝日新聞の原です。2%目標についてお伺いしたいと思います。今日、たくさんの記者の方からすでに2%目標の質問が出ていますが、ここで重ねて質問するのは、総裁が2%を達成できなかった理由として挙げられている根拠というか、その理由があまり説得力がないと思うからです。

     例えば原油価格の下落とか、携帯料金の値下げというのは、2~3年の間に、それが理由として挙げられるんだったらともかく、10年間達成できない理由にはならないと思うんですね。10年間あればその間に携帯料金の値上げもあれば、値下げもあれば、原油価格の下落もある。パンデミックの1回は起きる。10年あればいろんなことがあって、それを前提にした政策決定だったはずなんですね。

     で、まったくそれが10年間できない理由にはなっていないのと、もう1つは、粘着的で適合的な期待形成があるということも理由に挙げられていますけれども、これもそんなことはもうとっくの昔からみんな分かっていたよっていう話だと思うんですね。それは黒田総裁が着任される前の白川日銀時代からすでにそういうものはあったわけですよね。それを突破して、黒田バズーカで風穴を開けるというのが異次元緩和だったはずなのに、今さらそれを粘着的で適合的な期待形成を理由に挙げられても、あまり説得力がないというふうに思います。

     そもそもその2%目標、2年で2%を達成するという目標そのものが無理があったのではないかということと、そのとき、2013年の4月5日の記者会見で、総裁は質的・量的緩和でマネタリーベースを目標にするのは、なぜかといえば分かりやすいからだとおっしゃったのですが、結果的には今、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利も含めて、これだけ複雑で難解で、とても普通の国民では理解できないような政策、枠組みになっているわけですけれども、最初の2013年4月5日の記者会見のときのお考えに立ち戻って、あらためてそこに無理があったんではないかと、見立てに間違いがあったんではないかという、振り返ってどうお考えでしょうか。

    ご指摘のことはまったく当たらない
    黒田:演説じゃなくてご質問だけにお受けしますけども、点検の中でもかなり明確に申し上げているように、やはりこの粘着的な適合的期待形成というのは、かなり明確になったということは事実でありまして、これが根っこにあって、さまざまな一時的な要因が起こったときに実際の物価上昇率が下落して、それが粘着的な適合的な期待形成と相まって、一時1.5%程度の予想物価上昇率になったわけですけれども、その後、低下して今現在に至っているということでありまして、ご指摘のことはまったく当たらないというふうに考えています。

    読売新聞:それでは質問が終わりましたので、これで記者会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

    日経QUICKニュース:すいません、当ててもらったんですけど。

    黒田:じゃあどうぞ。

    読売新聞:いらしたんで、すいません。

    黒田:どうぞ。

  • >>158

    米中対立のリスクをどう見ているのか
    NHK:総裁、NHKの【ナガノ 00:39:53】です。2点質問させていただきます。総裁、常々、金融緩和の出口に向けた議論は時期尚早であるというふうにおっしゃっておられます。今回、展望レポートで2023年度の物価見通し、目標の半分程度、届かないという中で、かつ総裁の任期が2023年の4月という中において、そうしますとこの黒田総裁の下で急拡大した日銀のバランスシート、大規模な金融緩和の出口戦略については、そのあとの体制といいますか、任期のあとに議論されることになるのか、それとも黒田総裁の下においてこの急拡大したバランスシートの日銀の金融政策の正常化に向けた議論、ある程度の道筋を付けたいというような思いがあるのかどうか、その辺をまず1点お伺いしたいと思います。

     2点目については、日本経済の先行き、この持ち直し基調を続けるかどうかというシナリオの前提として、やはり海外経済の回復基調というのがあると思います。他方で今アメリカと中国、非常に対立が激しくなっております。ご案内のとおりかと思います。こうした米中対立が世界経済に与える下押し圧力、あるいはリスク等について、総裁はどのようなご所見をお持ちでしょうか。以上2点、よろしくお願いします。

    出口戦略の議論は時期尚早
    黒田:まず第1点の出口戦略につきましては、従来から申し上げているとおり、どういうことがありうるかというのは当然のことながら、拡大したバランスシートをどのようにするかということと、政策金利をいつ、どのような形で引き上げていくかという、この2つの点が出口の場合に、どこの国でもそうですけども、必要になってくるわけですので、そういったことを議論するということになると思いますが、現時点では出口を議論する、具体的な出口戦略を議論するのは時期尚早であるということで、あくまでもやはり2%の物価安定目標の達成が目に見えてくるという段階で、具体的にどういった手順で出口を迎えるかという出口戦略の議論を政策委員会で議論すると。そしてそれを適切に対外発信するということになると思います。

     先行きの経済について、確かに米中が、世界の最大の経済である米国と2番目の中国が、コロナ禍からの回復をリードしているということでありまして、これ自体は結構なことだと思いますけども、ご指摘のように米中の間にさまざまな貿易その他、対立点があるということも承知しておりますが、ただ、だからといって米中それぞれの経済回復に大きな障害になるような事態が発生するというふうにはみておりません。ただ、リスクとしていろんなことがありうる中に、さまざまな地政学的リスクというものも常に展望レポートなどでも指摘しておりますけども、そういうものの1つとしてありうるとは思いますけども、今の時点で何か米中が世界経済の回復をリードしている状況に何か大きなマイナスになるような事態が発生するというふうにはみておりません。

    どういう状況で金融政策の修正が求められるのか
    Market News:すいません、『Market News』の【イノウエ 00:44:32】と申します。今回の決定会合から、金融機構局からの金融システム状況とか金融仲介機能の報告があったと思うんですけれども、基本的によくいわれる金融システムとか金融の不均衡は、プルーデンス政策で対応ということだと思うんですけども、その中でやはり通常会合とは別に決定会合で金融機構局からの報告を受けるということは、将来、金融政策の決定にも影響うるのかと思うんですけど、どういうふうな状況になると金融政策の修正が求められるのか、その辺のお話をお伺いしたいんですが、よろしくお願いします。

    黒田:ご指摘のように金融システムの安定という観点からは、これはプルーデンス政策で対応するっていうのが筋ですし、物価安定目標という、物価の安定という日本銀行の最大の使命に対応するのは、この金融政策決定会合における金融政策の決定と実施であるというふうに考えております。

     ただ、その上で、やはり金融政策が従前の効果を発揮するためにも、金融システムが安定していて、金融仲介機能が円滑に発揮されているということがやはり効果的な金融政策の前提ですので、その意味で、従来からさまざまな形で金融システムの議論もしてきましたし、展望レポートでもいろいろ述べていますし、それから金融システムレポートではかなり詳細に機構局が作ったレポートを政策委員のメンバーもよくブリーフされていますしですね。

    金融仲介機能の状況を聞くのは非常に有益だった
     そういった意味ではプルーデンスの観点からのさまざまな問題等についてはそちらで議論するとしても、やはり金融政策を決定する会合においても金融仲介機能が円滑に発揮されているかどうかっていうことをやはり見ていく必要があるだろうということで、今回から機構局から説明を受けることになったわけであります。

     その結果として、今回、委員方々は金融システムが全体として安全性を維持していて、金融仲介機能が円滑に発揮されているという認識を共有したというふうに思います。また、金融面の不均衡につきましては、現在、経済規模との対比で見たマクロ的な与信量が過去のトレンドを上回っていることは事実なんですけれども、これはある意味で言うと感染症の影響による運転資金需要の高まりに金融機関が積極的に応えたっていう結果ですので、金融活動の過熱感を表すものではないという見方も共有されました。もちろん長期的な観点からは金融機関収益の下押しが長期化しますと、一方で金融仲介が停滞方向に向かうリスク。他方で利回り追求行動などに起因して、金融システム面の脆弱性が高まる可能性がある点というものも確認しました。

     そういう意味で詳しくは、議論の詳細は後日公表される主な意見とか議事要旨でお示しいたしますので、そちらをご覧いただきたいと思いますけども、私自身この金融政策決定会合において、金融機構局から金融仲介機能の状況について話を聞くということは非常に有益だったというふうにみています。

    読売新聞:すいません、幹事社ですけども。記者会見開始から45分が経過したので、今、手があがっている社で終了したいと思います。

  • >>157

    日銀・黒田総裁会見4月27日(全文2)2%達成が24年度以降でも致し方がない

    日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の27日午後、記者会見を行った。

    ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が記者会見(2021年4月27日)」に対応しております。

         ◇     ◇

    22年度GDPの予測の背景を聞きたい
    ロイター:ロイターの木原ですけれども、2点あります。1点目は2022年度のGDPの成長率予測、ずいぶん上方修正されて、21年度は1月対比ではそれほど修正されていないと。このわりと強めな2022年度のGDPの予測の背景について伺いたいのが1点目です。

     2点目について、特にFedを中心に主要中銀の中では、世界経済の回復見通しはワクチンの接種が順調に進んでいる中、インフレの期待、成長率の強まりを受けて、市場の一部で早めに出口を見せる動きもあるんですけれども、すぐには出口には向かえないというのはFedのパウエル議長も明確にしていますが、一方で各国、成長やコロナ後からの回復にばらつきが見られると金融政策の方向性も少し変化が出てくると思われるんですが、そうした場合、これまではわりと統一方向で緩和姿勢だった中銀の姿勢によって為替が安定していたと思うんですけれども、市場の動きにこうした変化、各国中銀の動きの違いがどう影響を与えるのかお願いします。

    黒田:2022年度の成長見通しというのが、失礼しました。2021、2022と上方修正しているわけですけれども、特に2022年度の成長見通しは前回の見通しに比べますと、0.6%ポイント上方修正しているということで、かなり上にいっているわけですけれども、それでも2.4%の成長っていうことですので、なんかすごく強い見通しをしたというよりも、かなり自然な形でこういうふうになっていくというふうにみているんだと思います。

     これは第一には冒頭申し上げたように、世界経済の回復の傾向がかなり明確になってきて、世界貿易、あるいは世界生産はもうコロナ前の水準に近づいているっていうか、もうコロナ前の水準に達しているわけですけれども、そうした下でわが国の輸出も生産も増加を続けていると。

     そういうことで企業収益も改善し、設備投資も底堅い状況が続いているということがありますので、2021年度はこの2020年度のマイナスからの回復っていうことで、4%の成長となっており、2022年度は2.4%になっていますけれども、いわば2020年度に落ち込んだ分を、2021年度に取り返して、そしてさらに2.4%の成長というふうに見込んでいると。それは今申し上げたような世界経済の回復の状況、あるいはわが国の生産、あるいは企業設備投資等の動向を踏まえて見通したものであるというふうに考えております。

    各国の経済動向に応じて金融政策が展開される
     それからFedの金融政策の動きについては私から何か申し上げるのもせんえつですけれども、確かに昨年来、コロナ感染症が世界的に広がる中で、主要国の中央銀行は皆、大幅な金融緩和を続けてきたわけですが、もちろんそれぞれの金融政策っていうのは、それぞれの国の経済・物価動向に合わせたことをやっておられるわけですので、それぞれの国の経済動向に応じて金融政策っていうのは展開していくと思います。

     仮に、そういったことで外国とスピードとか、成長のスピードの違い、物価上昇率の違い等に応じて金融政策が主要国の間で若干違いが出てきても、それは典型的には金利格差で為替が動くという議論だと思いますけれども、ご案内のとおり、このところずっと主要国の間の為替レートっていうのは極めて狭いレンジで動いて、安定していまして、それは金利格差うんぬんよりも、2%の物価安定目標を目指して各国の中央銀行が金融政策を運営しているっていうことが、いわば収斂して、同じ状況になっているっていうことがより効いているように思いますので、もちろん十分注意しなくちゃいけないとは思いますけども、何かそれぞれの経済状況に応じて金融政策が変わったときに、何か為替について、主要国の為替について、大きな影響が出るというふうにはみておりません。

    今の金融施策を続けることで達成できるのか
    産経新聞:産経新聞の大柳です。すいません、また2%の物価目標についてお聞きしたいんですけども、相当長く、総裁就任してから8年達成できなくて、本日の展望レポートでも2%に届かないということで、長期化が予想される中で3月、点検して副作用に対する対策も打ったということなんですが、23年度以降となると総裁の任期が終わったあと達成するということになるんですけれども、3月に手だてした副作用対策でも、しばらく今の金融施策、粘り強くやることで2%を達成できるのでしょうか。その辺りのお考え、お願いいたします。

    黒田:これはそれぞれそのときそのときの経済・物価動向に応じて金融政策決定会合で金融政策、決めるわけですので、2%の物価安定目標を達成のために必要となれば、先ほど申し上げたようにちゅうちょなく追加的な金融緩和を講じると、あるいはそういうことができるような機動性、持続性を高めるような点検も行いましたので、そういうことになると思います。

     そうした上で現在の政策委員の見通しの中央値で言いますと、確かに2023年度でも物価上昇率は2%に達しないということは事実ですので、この見通しということであれば、2%の達成は2023年ではなくて、24年度以降ということになろうと思います。

     私の任期は2023年の4月だったと思いますけども、あまりそういう任期内にどうこうとか、そういうことは必要ないことだと思いますので、いずれにせよ最大限の努力を払っていくということですし、その結果として達成が24年度以降になったとしても、それは致し方ないというふうに思っております。

    続投する考えは頭の片隅にあるのか?
    テレビ東京:テレビ東京の大江と申します。よろしくお願いいたします。まずは成長率見通しについてお伺いしたいんですけれども、先日、4月6日に公表されましたIMFの世界経済見通し、これで見てみましてもイギリスですとかアメリカですとか、ほかの先進国と比べて日本の成長率見通しというのは力強さがないといいますか、弱めに出ていますよね。この理由というのをどう分析していらっしゃるのか。これは、ワクチン接種の進捗というのも影響してくるとみていらっしゃるのか、その辺りも含めて教えていただきたいです。それがまず1つ。

     そしてもう1つですけれども、物価目標2%の達成というのがなかなか黒田総裁の任期中は難しそうだという見通しが出たわけなんですが、この任期満了後、ではその物価目標2%の達成を見届けるためにも、もう1期続投する、こういうことは頭の片隅におありだったりするのかどうか、これもお願いいたします。

    黒田:成長見通しにつきましては、確かにIMFの見通しで非常に明確なのは、中国と米国がかなり今、急速に成長を回復していくというシナリオになっているわけですね。ただ、そのほかは区々でありまして、例えば欧州諸国も、それからわが国もそうなんですけども、米国、中国に比べると回復の展望がかなり遅いということであります。

    2%目標自体は極めて正しい決定
     そうした中で、ワクチンうんぬんというのは確かにあるわけですけれども、これが、ワクチン接種が進めば、人々が安心して外出できるということで、対面型サービス消費が回復するということにつながりますので、ワクチンの接種が進むということが回復を加速するというか、前倒しにするという効果があることは事実なんですけども、IMFの見通しを見ていただいても分かりますように、例えば英国は非常にワクチンの接種が進んでいるわけですけども、IMFの見通しだとほかの欧州諸国の成長見通しとあまり違わないというか、ドイツなどよりもやや遅いというふうになっていますので、ワクチンだけで何か決まってくるということではなくて、やはりそれぞれの国の潜在成長力とか、そういうものと、それから落ち込んだところからの回復というのと、両方の面があるんだと思います。

     そういう意味では、わが国の場合は潜在成長率が従来から1%前後と。リーマンショック後は1%を割っていたわけですけれども、そういう形で米国などに比べると潜在成長力がかなり低いということがまずあったと。それからもう1つは、確かにワクチンの接種が進んで、対面型サービスが米国の場合はかなり急速に回復しているということが成長率の急速な回復に効いているということはあろうと思います。

     2%の目標、これは日本銀行としての物価安定の使命ということに関わることであり、私が総裁になる前の時代にすでに2%の物価安定の目標というものを決められていたわけです。私はこれ自体は極めて正しい決定だろうと思っていますし、今後もそういう形が続いていくと思いますが、ご指摘のようにもう1期やりたいとか、やるとか、そういう、そもそも総裁の任命というのはご案内のとおり、国会の同意を得て内閣が任命するという話ですので、私の個人的なうんぬんとはまったく関係ないと思います。

  • >>156

    読売新聞:ありがとうございます。それでは各社さん、お願いします。

    海外との物価上昇率の違いをどう見る?
    日本経済新聞:日本経済新聞の斉藤と申します。よろしくお願いいたします。今の物価に絡む質問で、関連して2点お願いしたいんですけれども。21年度の物価見通しを下方修正されて、これは携帯電話の影響が大きいということは認識しておるのですが、足元、世界を見渡すとアメリカとか欧州、カナダなどはかなり強い物価上昇率になっておりまして、この彼我の違いといいますか、例えばワクチンの接種の遅れみたいなものが日本は響いて景気、物価の見通しに差が出てきているのかとか、海外と日本の物価上昇率の違いというものを総裁がどのようにご覧になっているかということを教えてください。これが1点目です。

     2点目、先ほどの質問にも絡みますが、じゃあ2%の物価上昇を目指していくときに金融緩和だけで十分なのかと。政府の成長戦略であったりだとか、日銀以外の主体がどのようなことをしていけば物価上昇率が高まっていくとお考えになっているのかというところについても考えを教えてください。よろしくお願いします。

    黒田:まず第1点の、2021年度の物価見通しにつきましては携帯電話通信料の引き下げというものがかなり大きく下押ししているということは事実でありまして。一定の仮定を置いてモデル価格について試算してみますと、携帯電話通信料の引き下げは消費者物価の前年比をマイナス0.5からマイナス1%ポイント程度下押しするというふうに見込まれております。従いまして、それがなければ2021年度の物価上昇率というのはプラスであったんだろうというふうに見込まれます。

     なお、米国等の景気回復のテンポ、あるいは物価上昇につきましては、ご指摘のような、1つには景気の回復が著しいと。その背景にはもちろんこのワクチンの接種がかなり進んでいるということもあるでしょうし、大規模な経済対策を打ったということもあるかもしれませんが、そもそも冒頭申し上げたとおり、わが国の物価上昇率につきましては予想物価上昇率というのが非常に粘着的で適合的期待形成に基づいて、なかなか、物価、賃金が上がるということを前提とした経済行動になりにくいという点があるということもあろうかと思います。

     ただ、そうした下でも粘り強く大規模な金融緩和を続けることによって、これまでも経済も回復してきましたし、また、先ほど申し上げたように物価上昇率にもプラスの影響を持ってきたわけですので、今後とも引き続き粘り強く金融緩和を続けていく必要があるというふうに考えております。

    最大限の努力で達成せねばならない
     2番目のご質問にも関係しますけれども、もちろん2%の物価安定の目標というものは、これは2013年の1月に日本銀行の金融政策決定会合において2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということを決めて、それが政府と日本銀行の共同声明にも盛り込まれているというものでありまして、この2%の物価安定の目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定の使命に関わるものであり、なんとしても達成しなければならないというふうに思っております。

     その際もちろん、他の要素が影響するということは事実でありまして、例えば原油価格がかなり大幅に下落したということがありまして、これが物価上昇率を押し下げたということもありましたし、さまざまな要因、それから政府の構造政策、成長戦略、あるいは機動的な財政運営等も物価に一定の影響を与えるということはそのとおりだと思いますが、やはりなんとしてもこの2%の物価安定目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定という使命、第一の使命に関わることでありますので、最大限の努力をして、これを達成していかなければならないというふうに考えております。

    2%はいつごろ達成できると考えているのか
    ブルームバーグ:ブルームバーグ、伊藤です。2点お伺いします。1点目なんですが、2%の達成は見通し期間を超えると今お話をされたわけですが、では総裁はいつごろ達成できると今の時点でお考えなのかということが1点目です。

     2点目なんですが、長期金利について伺いたいのですが、前回の会合で変動幅のほうを明確化しましたが、その後1カ月余りが経過して、総裁は長期金利の変動や市場機能の確保の効果についてどのように評価されているのか。市場では変動がその後あまり大きくないということで、日銀がさらに国債の買い入れオペを減額するんじゃないかと、そういう見方もあるようですが、そういう措置の必要性について総裁はどのようにお考えでしょうか。

    黒田:まず2%の物価安定の目標を達成しなければならないということは、これは日本銀行としての使命でありますので、引き続き最大限の努力を払っていくということに尽きると思います。現時点での、展望レポートにも示されておりますとおり、政策委員の大勢見通しでは、2023年度でもまだ2%に達しないという状況になっているわけですので、このあと2年でもまだ2%に達しないということが、政策委員の中央見通しであるということはそのとおりだと思います。

     私の個人的な見解を何かこれと別に述べるということは差し控えたいと思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、現在の長短金利操作付きの量的・質的金融緩和というのは非常に強力な金融緩和措置でありますので、これを粘り強く続けることによってGDPギャップのプラスをできるだけ長く続けて、それによって実際の物価上昇率も徐々に上昇していくということを実現し、そういうことを背景に予想物価上昇率も上昇していくというプロセスによって、2%の物価安定目標を達成できるというふうに考えております。

    明確化された範囲内で変動することを想定
     それから長期金利の変動幅の拡大、拡大というんじゃなくて、私どもが申し上げたような明確化ですけれども、これは3月会合で市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取るという観点から、長期金利の変動幅について上下にプラスマイナス0.25%程度ということを明確化したわけであります。こうした観点から国債買い入れオペの実務的な対応として、事前に示す買い入れ予定額についてレンジから特定の金額に変更するとともに、長期金利が変動幅の上限または下限を超える恐れがある場合以外は、買い入れ額を調整しないということに変更したわけでありまして、こうした下で長期金利については経済・物価情勢等に応じて、この明確化された範囲内で変動するということを想定しております。

     もっとも、別に日本銀行は意図的に長期金利を変動させるということではなくて、経済・物価情勢に応じて明確化された範囲内で変動するということを想定しているということであります。

    金融政策はどういうことができるのか
    時事通信:時事通信の【イトウ 00:22:42】と申します。いわゆる経時回復といわれている中での金融政策の在り方についてお伺いしたいと思います。今回の展望レポートでも21年度、22年度の実質GDP成長率については、従来予想よりも改善が進むという見通しを示されています。一方で飲食や宿泊など、対面個人サービスについては、相当期間、現状を考えれば下押し圧力というか、厳しい状態が続くと思います。

     先般、総裁は企業の資金繰り支援を柱とするコロナ対応策に関して、必要があればさらなる延長を検討するというご発言、講演の中でもされていましたけれども、こういう全体として改善傾向にありながら、一部に相当厳しい状況が集中してしまっているという中で、こういったコロナ対応策を含めた金融政策はどういうことができるのか、どういうことがあるべき姿なのか、その点についてご見解をお伺いしたいと思います。

    黒田:もちろん金融政策はマクロ経済政策ですので、特定のセクターだけに絞ってうんぬんするということではないわけですけれども、ただ、このコロナ感染症の下で、企業の資金繰りに厳しさが増したということを受けて、現在の3本柱で企業の資金繰りを支援するとともに、金融資本市場の安定を図っているわけですけども、ご指摘のような形で全体として改善していっても、例えば対面型のサービス部門等、かなりの部門で資金繰りの厳しさが残るということであれば、当然このコロナ対応特別オペの延長ということもありうるというか、考えるということになると思います。

     そういう意味では、マクロ経済全体を見つつも、今回のコロナの感染症の影響によって、かなり大きく深刻な影響を受けている、そういう対面型サービス部門の資金繰りというのは、やはり引き続きしっかり支援していく必要があるというふうに考えています。

  • 日銀・黒田総裁会見4月27日(全文1)粘り強く金融緩和を続ける必要がある

    日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の27日午後、記者会見を行った。

    ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が記者会見(2021年4月27日)」に対応しております。
         ◇     ◇

    現状維持とすることを賛成多数で決定
    読売新聞:4月幹事社の読売新聞の【トダ 00:01:47】です。よろしくお願いします。まずは本日の決定内容について、展望レポートを含めてご説明いただけますか。

    黒田:はい。本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下での金融市場調節方針について、現状維持とすることを賛成多数で決定しました。すなわち短期金利について日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利については10年物国債金利が0%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行います。

     また、長期国債以外の資産の買い入れ方針に関しても、現状維持とすることを全員一致で決定しました。ETFおよびJ-REITはそれぞれ年間約12兆円、年間約1800億円に相当する保有残高の増加ペースを上限に、必要に応じて買い入れを行います。CP等、社債等については、2021年9月末までの間、合わせて約20兆円の残高を上限として買い入れを行います。

     本日は展望レポートを決定、公表しましたので、これに沿って経済・物価の現状等先行きについての見方を説明いたします。

    海外経済はばらつき伴いつつ、総じて見れば回復
     わが国の景気の現状については、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から、引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直していると判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済は国、地域ごとにばらつきを伴いつつ、総じて見れば回復しています。そうした下で輸出や鉱工業生産は増加を続けています。また、企業収益や業況感は全体として改善しています。設備投資は一部業種に弱さが見られるものの持ち直しています。

     雇用・所得環境を見ると、感染症の影響から弱い動きが続いています。個人消費は飲食・宿泊等のサービス消費における下押し圧力の強まりから持ち直しが一服しています。金融環境については企業の資金繰りに厳しさが見られるものの、全体として緩和した状態にあります。

     先行きについては当面の経済活動の水準は対面型サービス部門を中心に新型コロナウイルス感染症の拡大前に比べて低めで推移するものの、感染症の影響が徐々に和らいでいく下で、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて回復していくとみられます。その後、感染症の影響が収束していけば、所得から支出への前向きの循環メカニズムが強まる下で、わが国経済はさらに成長を続けると予想されます。

     次に物価ですが、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比を見ますと、感染症や既往の原油価格下落の影響などにより小幅のマイナスとなっています。また、予想物価上昇率は横ばい圏内で推移しています。先行きについては消費者物価の前年比は当面、感染症や携帯電話通信料の引き下げの影響などを受けて、小幅のマイナスで推移するとみられます。その後、経済の改善が続くことや、携帯電話通信料の引き下げの影響が剥落することなどから消費者物価の前年比はプラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくと予想されます。予想物価上昇率も再び高まっていくとみています。

     前回の見通しと比べますと、成長率については内外需要の強まりを背景に、2022年度を中心に上振れています。物価については2021年度は携帯電話通信料の引き下げの影響により下振れているものの、2022年度はおおむね不変です。

     ただしこうした先行きの見通しは感染症の帰趨やそれが内外経済に与える影響によって変わりうるため、不透明感が強いと考えています。今回の見通しでは感染症の影響は先行き徐々に和らぎ、見通し期間の中盤におおむね収束していくと想定しています。

    量的・質的金融緩和を継続
     加えて感染症の影響が収束するまでの間、企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず、金融システムの安定性が維持される下で、金融仲介機能が円滑に発揮されると考えていますが、これらの点には大きな不確実性があります。その上でリスクバランスは経済の見通しについては感染症の影響を中心に、当面は下振れリスクのほうが大きいですが、見通し期間の中盤以降はリスクはおおむね上下にバランスするとみています。物価の見通しについては下振れリスクのほうが大きいとみています。

     日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。マネタリーベースについては生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続します。

     また、引き続き新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム、国債買い入れやドルオペなどによる円貨および外貨の上限を設けない潤沢な供給、それぞれ約12兆円および約1800億円の年間増加ペースの上限の下でのETFおよびJ-REITの買い入れにより企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていきます。

     その上で当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じます。政策金利については現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定しています。以上です。

    緊急事態宣言が物価、経済に与える影響は
    読売新聞:ありがとうございます。2点目ですけれども、東京都や大阪府などに緊急事態宣言が発令されています。今回の宣言下では酒類を提供している飲食店とか大型の商業施設とかが休業を余儀なくされていますけれども、こうした緊急事態宣言が物価もしくは経済に与える影響をどう考えていらっしゃいますか。

    黒田:感染症の再拡大を受けまして、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置などの、いわゆる公衆衛生上の措置が講じられております。当面、個人消費は対面型サービスを中心に低めの水準で足踏みした状態が続くとみております。一方で財消費は堅調なほか、世界経済が総じて見れば回復している下で輸出は増加を続けています。また、企業の収益が改善し、設備投資が持ち直すなど、所得から支出への前向きの循環メカニズムも徐々に働き始めています。こうした下で当然の経済活動の水準は、対面型サービス部門を中心に感染症の拡大前に比べて低めで推移するものの、その後は回復していくとみております。

     ただし、以上の見通しにつきましては感染症の影響を含めて不確実性が大きいということは認識しております。特に当面は変異株を含めた感染症の動向や、その経済活動への影響に注意が必要であり、下振れリスクが大きいとみています。また、経済のリスク要因が顕在化すれば物価にも相応の影響が及ぶ可能性があります。日本銀行としては引き続き経済・物価の動向をしっかりと注視してまいりたいと考えております。

    10年経過しても2%を達成できない現状をどう受け止める?
    読売新聞:最後、3点目ですけれども、今回、展望レポートで初めて23年度の数字が公表されまして、物価上昇率は1.0%が中央値となっております。総裁は就任当初、2年で2%を達成すると宣言しておりましたけれども、大規模緩和から10年が経過しても2%を達成できないことを、現状をどう受け止めていらっしゃいますかということと、また、金融政策でそもそも物価を上げるっていうことは可能だと現在も考えていらっしゃいますでしょうか。

    黒田:2%の実現には時間が掛かっており、そのこと自体は残念なことであります。3月の点検で確認したとおり、この主たる理由は、予想物価上昇率に関する複雑で粘着的な適合的期待形成のメカニズムが根強いということにあると思います。

     もっともこのことは人々が実際に物価上昇を経験すれば、物価上昇が徐々に人々の考え方の前提に組み込まれていくということも意味しています。また、点検でも確認されたように、これまで大規模な金融緩和は金融環境を改善させ、需給ギャップのプラス幅拡大とプラスの物価上昇率の定着という効果を発揮してきております。実際、感染症の影響を受ける下でも物価上昇率は、一時的な下押し要因を除けば小幅なプラスで推移しており、経済の落ち込みに比べれば底堅い動きが続いています。先行き経済の改善が続く下で徐々に物価上昇率が高まっていくと考えられます。

     日本銀行としては3月の点検を踏まえた政策対応によって持続性と機動性が増した長短金利操作付き量的・質的金融緩和により、強力な金融緩和を粘り強く続ける下で、見通し期間を超えることにはなりますけれども、2%の物価安定の目標は達成できるというふうに考えています。

  • 日銀、金融政策の現状維持を決定 景気「基調として持ち直し」

    [東京 27日 ロイター] - 日銀は26─27日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。新型コロナウイルスの感染拡大で国内景気は引き続き厳しい状況にあるものの、基調としては持ち直しているとの現状判断を維持。新型コロナ対応で打ち出した政策を継続し、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとした。

    政策金利の目標は賛成8、反対1で据え置きを決定。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用する。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う。片岡剛士委員は長短金利引き下げで緩和を強化することが望ましいとして反対した。今回から金融政策決定会合に出席した野口旭委員は賛成した。

    長期国債以外の資産買い入れ規模は、全会一致で据え置いた。当面、上場株式投資信託(ETF)は年12兆円、不動産投資信託(REIT)は年1800億円の残高増加ペースを上限に必要に応じて購入する。CP・社債は9月末までの間、合計20兆円の残高を上限に買い入れを実施する。

    日銀は2%の物価目標の実現を目指し、これを安定的に持続するまで必要な時点まで現行の大規模な金融緩和を継続する方針を改めて示した。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続する。

    コロナ特別プログラム、円や外貨の潤沢な供給、ETFなどの積極的な買い入れの3本柱で引き続き資金繰り支援と金融市場の安定維持を図る。日銀は当面、感染症の影響を注視し、必要であれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を実施する。政策金利については、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移することを想定しているとした。

    <23年度も物価上昇率は2%に届かず>

    27日に公表した展望リポート(経済・物価情勢の展望)では、国内景気について「内外の感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」との現状判断を維持した。

    今回の展望リポートで追加された2023年度の見通しでは、コアCPIの政策委員見通しの中央値が前年度比プラス1.0%。23年4月に黒田東彦総裁が任期満了となっても、2%目標に届かない予想となった。

    *〔表〕日銀4月展望リポート:経済・物価見通し

    *内容を追加しました。

  • ● 日本経済の先行きを展望すると、当面の経済活動の水準は、対面型サービス部門を中心に新型コロナウイルス感染症の拡大前に比べて低めで推移するものの、感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。その後、感染症の影響が収束していけば、所得から支出への前向さの循環メカニズムが強まるもとで、わが国経済はさらに成長を続けると予想される。

    ● 先行きの物価を展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、当面、感染症や携帯電話通信料の引き下けの影響などを受けて、小幅のマイナスで推移するとみられる。その後、経済の改善が続くことや、携帯電話通信料の引き下けの影響が剥落することなどから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくと考えられる。

    ● 2022年度までの見通しを前回の見通しと比べると、成長率については、内外需要の強まりを背景に2022年度を中心に上振れている。物価については、2021年度は携帯電話通信料の引き下けの影響により下振れているものの、2022年度は既ね不変である。

    ● こうした先行ぎの見通しについては、感染症の帰趨やそれが内外経済に与える影響によって変わり得るため、不透明感が強い。また、上記の見通しでは、感染症の影響は、先行き徐々に和らぎ、見通し期間の中盤に概ね収束していくと想定していることに加えて、感染症の影響が収束するまでの間、企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず、金融システムの安定性が維持されるもどて金融仲介機能が円滑に発揮されると考えているが、これらの点には大きな不確実性がある。

    ● リスクバランスは、経済の見通しについては、感染症の影響を中心に、当面は下振れリスクの方が大きいが、見通し期間の中盤以降は概ね上下にバランスしている。物価見通しについては、下振れリスクの方が大きい。

    (日銀HPより抜粋)

  • 1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。
    (1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1)

     次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
     短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
     長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。

    (2)資産買入れ方針(全員一致)
      長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
     ①ETFおよぴJ−REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。
     ②CP等、社債等については、2021年9月末までの間、合計で約20兆円の残高を上限に、買入れを行う。

    2.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継統する。
     マネタリーペースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継統する。

      引き続き、①新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム、②国債買入れやドルオペなどによる円賃および外貨の上限を設けない潤沢な供給、③それぞれ約12兆円およぴ約1800億円の年間増加ペースの上限のもとでのETFおよぴJ−REITの買入れにより、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく。

      当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれぱ、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。

  • 日銀のETF買い入れ見直し 市場での存在感は薄れていくのか?

     日銀のETF(上場投資信託)買い入れ方針の見直しを受け、注目されていた4月の買い入れペース。そこから何が読み解けそうなのか。第一生命経済研究所・藤代宏一主任エコノミストの解説です。

    年間「6兆円」の目標額取り下げる

     日銀は3月の金融政策決定会合でETFの買い入れ方針を見直しました。年間「6兆円」という具体的な金額を取り下げ、買い入れを実質的に減額しました。背景には、10年超におよぶ買い入れの結果として、株式市場における日銀の存在感が高まったことがありました。

     日銀はTOPIX(東証株価指数)が前場に一定の基準以上まで下落すると、その日の後場にETFの買い入れを実施し、これまでの累計額は約35兆円に膨れ上がっています。パニック的な株価下落に見舞われた2020年は約7兆円を買い入れました。日経平均株価が3万円の大台を回復して、さすがにこれ以上の買い入れは不要との意見が増えてきたこともあり、日銀は買い入れ目標の削除に踏み切りました。

     もっとも、日銀は「約12兆円の年間増加ペースの上限を、感染症収束後も継続することとし、必要に応じて、買入れを行う」として、具体的な金額は明示せずとも、買い入れそのものは続ける姿勢を示しています。これまでの政策変更では、金融政策決定会合の翌月から新たな買い入れ方針が適用されてきたので、4月以降のETF買い入れがどれほどのペースになるのかが注目されていました。

    前場下落率が1%超でも買い入れず
     なお、1月までの買い入れ基準はTOPIXの前場下落率が0.5%超の時でした(※なお日銀は買い入れ基準を公表していません。本記事で言及している買い入れ基準は筆者を含む市場関係者が推測したものです)。1回当たりの買い入れ額は相場環境により500~1000億円と幅があったものの、年間買い入れ額は6兆円±2兆円程度になると試算されました。2月になると買い入れ基準は前場下落率1%に変更され、3月の金融政策決定会合の結果を待たずして実質的な減額が始まりました。その「1%基準」は3月も結果的に変わりませんでした。筆者は4月以降も「1%基準」が続くと考え、年間の買い入れ額が1~2兆円になると予想していました。

     ところが4月に入り、20日はTOPIXの前場下落率が1.25%と、1%を超えていたにもかかわらず、日銀はETF買い入れを見送りました。筆者を含む市場関係者の間で「買い入れを事実上ゼロにするのでは?」という憶測が広がりました。そうした不安もあり、翌21日はTOPIXの前場下落率が2.17%に達しました。すると、日銀は701億円の買い入れを実施。株式市場は一定の安堵感に包まれました(買い入れ実績は当日夕刻に公表される)。

    先回り買いの呼び水効果は相当残る?
    [グラフ]海外投資家・日銀売買動向

     現時点の情報から示唆される新たな買い入れ基準は、(1)前場下落率1%未満では買い入れを実施しない、(2)2%超の場合は買い入れを実施する、可能性としては(3)1.5%超の場合に500億円(もしくは700億円)程度の買い入れが実施される――といった具合です。この買い入れ基準が定着すると仮定した場合、過去の市場データから判断すると、年間買い入れ額は1兆円にも満たないと考えられます。

     株式市場への影響はどうでしょう。それを考える上で踏まえておきたいのは、過去数年にわたって日銀のETF買い入れが海外投資家の売りを吸収してきたという事実です。幸いなことに足もとでは海外投資家が買い越し傾向にあり、株式の需給は悪くありませんが、2018~19年に観察された年間5兆円規模の売り越しが今後起こった場合、日銀の存在感低下を痛感するかもしれません。

     もっとも、筆者が思うに日銀のETF買い入れの真価は、後場の切り返しを狙った先回り買いを誘発することにあります。“実弾”としての500億円(最近の1回当たり買い入れ額)もさることながら、呼び水としての役割が大きいように思えます。前場下落率がETF買い入れ基準に合致した際、後場に株価が切り返すことが多々ありました。

     だとすれば、今後データが積み重なり買い入れ基準が広く共有されれば、金額的なインパクトこそ従来対比で薄れるものの、呼び水としての効果は相当程度残存し、株式需給の引き締まりに貢献するのではないでしょうか。またETFを売却しない限り、日銀が大株主として君臨する銘柄群の株式需給は構造的に引き締まった状態(≒市場で売りに出される株式数が少ない状態)が維持されると考えられます。日銀が保有株式を手放さない以上、ETF買い入れの効果は残存し、今後も株式市場に貢献する可能性が高いと考えられます。

  • 点検結果後の日銀ETF買い入れ動向を検証する

    ●3月の点検結果により、ETFの買い入れ額は上限が維持され、対象はTOPIX連動型に絞られた。

    ●ETF買い入れの0.5%ルールは2月に1.0%ルールに変更、ただ新ルールは4月早々に見直された。

    ●今後ETF買い入れの頻度が低下してもそれは市場本来の価格形成機能を回復させることになる。

    3月の点検結果により、ETFの買い入れ額は上限が維持され、対象はTOPIX連動型に絞られた
    日銀は3月19日、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検結果を公表しました。その際、具体的な政策措置として、(1)貸出促進付利制度の創設、(2)長期金利の変動幅拡大と連続指値オペ制度の導入、(3)ETFおよびJ-REIT買い入れの運用変更、の3点が示されました。今回のレポートでは、点検結果後の日銀によるETF買い入れ動向を検証します。

    なお、(3)について、もう少し詳しくみておくと、ETFの買い入れ額は、原則の目安(年間残高増加ペース約6兆円)が撤廃された一方、上限(同約12兆円)は維持され、市場の状況に応じて大規模な買い入れを行う姿勢が示されました。また、ETFの買い入れ対象は、東証株価指数(TOPIX)連動型のみとなり、日経平均連動型の場合に生じやすい、一部構成銘柄の間接保有比率の上昇という問題が是正されました。

    ETF買い入れの0.5%ルールは2月に1.0%ルールに変更、ただ新ルールは4月早々に見直された
    [図表]TOPIXの変化率とETFの買い入れ状況 (注)データは2021年2月1日から4月21日。騰落率はTOPIXについて、前日終値から当日前場終値までの騰落率を計算したもの。金額はETFの買い入れ額で単位は億円。ETFは、設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFは含まず。(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

    日銀は、これまで約5年にわたり、0.5%のTOPIX下落率(前日終値から前場終値)を目安に、ETFの買い入れを行ってきました(いわゆる「0.5%ルール」)。しかしながら、2021年2月18日は、TOPIXの前場終値が、前日終値から0.54%下落したにもかかわらず、日銀はETFの買い入れを見送りました。つまり、日銀は3月の点検結果の発表を前に、買い入れ方針変更の意向を、市場に打診していたことになります。

    2021年2月以降のTOPIX変化率とETFの買い入れ状況をまとめたものが図表1です。2月と3月の動きをみると、TOPIXの前日終値から前場終値の下落率が1.0%を超えた日に買い入れが行われており、0.5%ルールは1.0%ルールに変更されたように思われます。しかしながら、4月20日は1.25%の下落でも買い入れは見送られ、翌21日は2.2%の下落で買い入れが行われたことから、1.0%ルールは早々に見直された模様です。

    今後ETF買い入れの頻度が低下してもそれは市場本来の価格形成機能を回復させることになる
    2%ルールが今後も適用されるか否かは、もう少しデータの蓄積を待つ必要があると思われます。なお、日銀は3月19日に公表した「背景説明」という資料で、ETF買い入れ効果の詳細な分析を行っています。推計式には、TOPIXの100日移動平均からの乖離率や、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)などが変数として用いられており、日銀はETFの買い入れにあたり、これらも参照していると考えられます。

    いずれにせよ、日銀はこの先、市場動向を踏まえ、ETFの買い入れを柔軟に行うことが予想され、買い入れの頻度は、以前よりも低下する可能性が高まると思われます。その場合、株価下落時の下げ幅が幾分、拡大することも想定されますが、投資家には、十分な押し目買いの機会が提供されることになります。つまり、日銀の出番が減ることは、市場本来の価格形成機能の回復につながるとも考えられます。

    ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『点検結果後の日銀ETF買い入れ動向を検証する』を参照)。

    (2021年4月22日)

    市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社 投資情報グループ

  • アングル:日銀のETF買い、市場では「新法則」探る謎解き盛ん

    [東京 22日 ロイター] - 日銀の上場投資信託(ETF)の買い入れを巡って、株式市場では新たな「法則」を巡る謎解き議論が活発化している。株価が大幅続落した局面で、20日には買い出動せず、21日は買いに動いたことが市場の思惑を刺激している。引き続きTOPIXの前場下落率が注目されるが、杓子定規な運用は難しいとの指摘も出ている。

    <市場では「2.0%以上」の思惑>

    20日の東京株式市場でTOPIXは前場に1.25%下落したが、日銀はETF買いを見送った。TOPIXの前場の下落率を1%を超えても日銀がETF買い入れを見送るのは、2016年7月に買い入れ方針を年間約6兆円ペースに拡大して以降初めて。

    一方、下落率が2.17%だった21日は701億円(通常型)を購入した。これを受けて、日銀がETF買いを発動する要件について「下落率で1.5%か2.0%か。少なくとも2.0%なら買うということだ」と、ある国内証券の関係者は見立てを示す。

    日銀はETF買い入れの要件を明らかにしていない。ただ、市場では、前場のTOPIXの前日終値に比べた下落率を基準とする見方は根強い。市場では、日銀はETF買い入れに際しTOPIXのトレンドからのかい離率やVIX指数(恐怖指数)、日経VI指数なども考慮しているとの見方もあるが「実際の買い発動は、下落率の基準に概ね整合してきた」(同)との受け止めがもっぱらだ。

    日銀は3月の金融政策決定会合で、年間6兆円程度としてきたETF購入の目安を撤廃する一方で12兆円程度の上限を維持し、「必要に応じて買い入れを行う」と表明した。21日の買い入れは、新たな方針が適用されて以降で初めての購入となった。

    きりのいい0.5%刻みで「TOPIXの下落率1.5%か2.0%」と新たな「基準」探しが始まっているが、「2日連続の大幅下落」などの要件が必要との見方もある。「今後の動向を踏まえて共通認識が収斂していく」(別の国内証券)と、市場では次の日銀の出方を見守っている。

    <杓子定規な運用「しにくい」との指摘も>

    日銀内では21日、緊急事態宣言の再発令が迫っていることや2日連続の株安で地合いが悪化していることへの懸念が出ていた。日銀は政策点検を通じて、ETFは市場が大きく不安定化した場合の大規模な買い入れが効果的との結果が得られたと公表しており、市場では、これに則した措置との受け止めもある。

    22日の東京市場では、米株高を受けて日本株も大幅反発した。前日の日銀によるETF買いも「投資家の安心感を誘った」(雨宮総研の雨宮京子代表)と、一定の効果を評価する声が聞かれた。

    一方、日銀のETF保有残高が膨らんでいるほか、市場の価格形成をゆがめることなどの副作用への懸念は根強く、SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、新しい方針の下では「杓子定規的な運用はしにくいのではないか」と話す。ニッセイ基礎研究所の井出真吾上席研究員は、日銀がETF買いを行わなくても、株価が下がればしっかり押し目買いは入るとし「むしろ、(日銀のETF買いが)押し目を待つ投資家の機会を奪いかねない面にも気配りが必要」と指摘する。

    市場が日銀のETF購入基準にばかりに目を向け、その思惑によるトレードを強めれば、市場自身がマーケットをゆがめるおそれもある。

    (平田紀之 取材協力:杉山健太郎 編集:伊賀大記)

  • 黒田体制下の正常化、ETF弾力化で打ち止め-早川元日銀理事

    (ブルームバーグ): 元日本銀行理事の早川英男東京財団政策研究所上席研究員は、日銀が3月の金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)買い入れのさらなる柔軟化を決めたことで、黒田東彦総裁の下での金融政策の正常化は打ち止めになるとの見解を示した。

    早川氏は20日のインタビューで、黒田体制の8年間について、総括的検証を行ってイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)を導入した2016年9月までの3年半とその後の4年半に分割できると説明した。検証以降は金融緩和や枠組みの強化と言いながらも、「実際にやってきたことは正常化だ」と語った。

    2%の物価安定目標自体を変えられない中、ETF買い入れの一段の弾力化は「とりあえずの正常化の終着点であり、できることはほぼやり尽くした」と指摘。23年4月の総裁任期満了まで「何もなければ何もしないということだろう」とし、経済情勢に大きな変化がなければ金融政策は動かないとみる。

    13年4月以降の大規模な資産買い入れは、YCC導入に伴い市場調節目標が量から金利に移行したことで国債購入は大きく減った。金融緩和の持続性や市場機能などの観点からETF購入が残る課題だったが、日銀は3月に政策点検を踏まえて年間12兆円の上限を維持する一方、原則の6兆円を撤廃した。

    ブルームバーグの調査では、エコノミストの40%は日銀が3月会合で実施した政策調整を「政策の正常化の一歩」とみている。

    20日の東京株式市場ではTOPIXが午前終値で1%超下げたが、日銀はETF買い入れを見送った。大幅な下落にもかかわらず、日銀がETFを購入しなかったのは16年以降で初めて。TOPIXが午前の取引で2.2%下げた21日は、701億円買い入れた。

    日銀がETFの買い入れ見送り、TOPIX午前終値1.2%安でも

    早川氏は物価目標は2%より低くてもよく、ゼロ%近辺でも問題はないと主張する。2%目標は経済悪化などには中央銀行が金融緩和で対応するのが重要との前提に立ち、利下げ余地を確保するためだと説明。コロナ禍では財政が大きな役割を果たしており、「いざとなったら財政を使えばいいということであれば金利の『のりしろ』は必要ない」と語った。

    3月会合では、マイナス金利の深掘りなど利下げの機動性を高めるため、金融仲介機能への副作用対策として「貸出促進付利制度」も導入された。早川氏は「ポーズに過ぎない」とし、超低金利環境が続く限り金融機関の厳しい収益状況は変わらないとの見方を示した。

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • >>147

    日銀がETF701億円買い入れ、TOPIX型のみ購入開始後初めて

    (ブルームバーグ): 日本銀行は21日の東京株式市場で上場投資信託(ETF)を701億円買い入れた。通常のETF購入は3月30日以来で、規模は同月24日(同額)以来の大きさ。

    TOPIXは午前の取引で2.2%下げていた。世界各地で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、投資家のリスク回避姿勢が強まった。

    日銀はTOPIX連動型のみ購入することを3月の金融政策決定会合で決定し、4月から運用を開始している。年間増加ペースの約6兆円の原則を撤廃した上で、約12兆円の上限を感染症収束後も継続し、必要に応じて買い入れることを決めた。

    前日はTOPIXが午前終値で1.2%下げたが、ETF購入は見送られた。1%超下げても日銀が通常ETFを購入しなかったのは少なくとも2016年以降で初めて。購入を見送った中で最も大きい下落率は2月24日の0.89%だった。

    日本株は大幅続落、新型コロナ再拡大でリスク回避-ほぼ全面安

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 日銀は21日の東京株式市場で、通常のETF(上場投資信託)を701億円買い入れた。前回日銀が買い入れを実施したのは3月30日。この時の購入額は501億円だった。701億円買い入れたのは3月24日以来。一方、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業のETF、J━REITの購入は見送った。前場のTOPIX <.TOPX> は前営業日比2.17%安だった。

  • ETF購入、個別企業への介入を避けている=日銀総裁

    [東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は20日の衆議院財務金融委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れでは、個別企業の動向や施策について間接的であっても介入することは避けていると説明した。その上で、市場全体にポジティブな影響を与えると同時に、個別企業に対する介入を避けるという意味で、現在のやり方が好ましいとの見解を示した。

    前原誠司委員(国民)は、過去に比べて日本企業のビジネスの効率性が落ちていると指摘。ETFを大量に保有している日銀が、企業に対して直接的に状況改善を促すようなことがあってもいいのではないかと質問した。

    黒田総裁は、ETFの買い入れは、量的・質的金融緩和の一環として行っているものであり、株式市場における過度な変動や過大なリスクプレミアムを防ぐ意味があるとも述べた。

    *内容を追加しました。

    (杉山健太郎)

  • ロイター通信によると、日銀は26—27日に開催する金融政策決定会合で、21年度の経済成長率見通しを引き上げる公算が大きい。米国の大型経済対策により米景気が好調に推移する見込みで、日本企業の輸出や生産を後押しする。一方、新型コロナウイルスの感染者が急増を続ける中、飲食や宿泊といった対面型サービス消費には下押し圧力が掛かる。日銀は、経済や物価の見通しには引き続き不確実性が高いことを示す見通しだ。
    日銀は3月に政策点検を行い、金融緩和の長期化に備えて上場投資信託(ETF)の買い入れ手法見直しなどを打ち出したばかり。今回の決定会合では、金融政策は現状維持の見通し。

  • >>143

     それでも日銀が2%物価目標を掲げ続ける最大の理由は、それがグローバル・スタンダードだからである。実際、日銀が「点検」の付属文書として公表した52ページからなる「背景説明」は、2%物価目標が適切でありグローバル・スタンダードであるとの説明から始まっている。

     すなわち、「インフレは2%程度が望ましく、かつそれは金融政策で達成できる」という政策思想が、経済学界を中心にグローバルに形成されており、それを多くの海外中央銀行が実践しているのである。その政策思想が日本の現実と折り合わない点は、日銀にとっては不幸であった。

     近年の中央銀行には説明責任が強く求められる。目標を10年間達成できない理由を説明するのも大変だが、グローバル・スタンダードに従わない理由を説明するのはそれ以上に大変な面がある。

     本当は日本発で新たな政策思想を構築し、今のグローバル・スタンダードがすべてではないことを世界に発信できれば一番良いが、日本のアカデミズムからそのようなエネルギーが沸き上がる気配はない。日本の現実がグローバル・スタンダートに合うように変化する可能性も低い。

     だとすれば結局、海外でも低インフレ環境が当たり前になって、グローバルな政策思想そのものが変化するのを待つしかない。ただ、これも仮に起こるとしてもだいぶ先のことになりそうだ。

     こうした袋小路から脱する良い戦略は今のところ見当たらない。だからこそ日銀は3月の「点検」で、異次元緩和を長く続けても致命的な問題が起きない工夫をするしかなかった。しかし、ETF買入れやマイナス金利を出口なく続けること自体に、問題が残っていないとは思えない。いずれ次の「点検」もあるとみておくべきだろう。

    ■門間 一夫( みずほリサーチ&テクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト)

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