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NVIDIA、AI半導体で1強鮮明 最先端品に市場も期待

米半導体大手エヌビディアが公開した人工知能(AI)向け半導体の新製品に注目が集まっている。18〜21日に米西部カリフォルニア州サンノゼで開いた開発者会議「GTC」で、次世代の半導体の年内投入を公表。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)がAIについて「新たな産業革命だ」と訴えた。企業が事業機会を逃すまいとこぞって参加した。前代未聞の活況となった今年のGTCは生成AIブームを象徴している。

「前回の産業革命では電気が登場した。今回はAIだ」。ファン氏は18日の基調講演でコンサートのような大規模な会場を埋め尽くす聴衆を前にこう宣言した。生成AIは自らコードを書き、ソフトウエアをつくりだせるという点で今までと全く異なる技術だと語りかけた。

新製品、AIの「推論」処理速度が30倍に

今回の目玉は新たな半導体のラインアップだ。画像処理半導体(GPU)「B200」など複数の新製品を明らかにした。現在主力の先端品「H100」などに次ぐ次世代の半導体となる。年内に市場に投入する計画だ。

ファン氏が基調講演で披露したうちの一つがCPU(中央演算処理装置)と新型GPUを一体提供する「GB200」だ。GB200を組み合わせた製品で最新の大規模言語モデル(LLM)を処理すると、既存の類似製品に比べてAIが回答を導く「推論」の処理速度が30倍になるという。

英オムディアによると、エヌビディアはAI半導体で22年に8割の世界シェアを握っていた。同社のGPUはAI向けのデータ学習ですでに性能が突出している。さらに性能を引き上げ、AI向け半導体で1強体制を守る戦略を打ち出した。

  • >>6171

    半導体や開発基盤、用途広がる

    ファン氏はロボット分野への野心も見せた。基調講演ではヒト型ロボットの開発基盤を提供すると表明。ステージには二足歩行のロボットをずらりと並べ、会場を沸かせた。エヌビディアはヒト型ロボットの新興企業に出資するなど以前からこの分野に意欲を示してきた。

    開発者会議で示したのは同社の半導体や開発基盤を使う産業の裾野の広がりだ。車載半導体では中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)が同社の中核製品を採用すると発表した。他にも現実を仮想空間で再現する「デジタルツイン」など幅広い領域で新技術を発表した。

    GTCの対面開催は5年ぶりで、前回の19年に比べて約2倍となる1万6000人が登録した。オンラインを含めた参加者は30万人を超えた。会場の中央にある展示会場にはクラウド大手や製造業など約300社が出展した。もともとゲーム開発者向けのイベントとして始まったGTCがこれほど注目を集めるのは異例だ。

    背景には生成AIブームがある。AIはデータを学習すればするほど賢くなる。そのためにはデータセンターで使うエヌビディアの半導体が欠かせない。IT(情報技術)企業が生成AIで激しい競争を繰り広げるなか、どの企業が勝ち残ってもエヌビディアはもうかる構図が鮮明だ。

    エヌビディアの株価は1年で3倍超に上昇した。時価総額は米マイクロソフトと米アップルに次ぐ世界3位となり、米アルファベットや米アマゾン・ドット・コムを追い越してからわずか1カ月あまりで両社それぞれとおよそ4000億ドル(約60兆円)も差をつけた。

    焦点は生成AIブームの持続性だ。AIはこれまで期待と失望を繰り返しながら発展を遂げてきた。現在、衰えを見せないAIの進化が、いずれ頭打ちになれば市場の期待を一身に背負うエヌビディアに対する失望も生じかねない。