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米会員制スーパー、中国人胃袋つかむ 安さ・試食で集客

中国で会員制スーパーが伸びている。通常のスーパーやネットスーパーとは異なる買い物体験や品ぞろえを売り物に米国のコストコ・ホールセールやウォルマートが相次ぎ新店を開業。新型コロナウイルス禍で買いだめの習慣が広がり、会員制スーパーが脚光を浴びた。販売単価の安さも消費者をひき付けている。

顔が隠れるほどの大包装の商品がカートに次々と放り込まれていく。3月下旬、広東省深圳市内のコストコを訪れると、倉庫のように広い店内は買い物客で混み合っていた。

コストコが中国に参入したのは2019年。深圳店は今年1月開業の6号店だ。中国メディアによるとオープン当日までに14万人超が会員登録した。

近隣のマンションが「コストコ至近」をうたって売り出されるなど人気の高さは店外にも及ぶ。店の前にとまっていた、中国本土とは逆の右ハンドルの大型車は、香港からのツアーバスだ。深圳の隣とはいえ入境審査が必要な香港からも消費者が押し寄せる。

会員制スーパーは利用者の年会費を元手に独自の商品供給網を築き、割安感のある商品を販売する業態だ。

なかでも注目されているのが中国市場だ。コストコは同国を「成長に向けた重要市場」と位置づけ、近く南京市に7号店もオープンする。

中国における会員制スーパーの草分けはウォルマートだ。「サムズクラブ」ブランドで上陸したのは1996年。牛肉麺やシロキクラゲなど中華色の濃いプライベートブランド(PB)商品も取りそろえるなど、現地化戦略で先行している。

サムズクラブも出店を加速している。2019年末に26カ所だった中国の店舗は現在47カ所まで増えた。ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は中国のサムズクラブが「売り上げ・利益ともに強い」と説明する。当面は年6〜7店のペースで新店を開く計画だ。

中国で会員制スーパーの人気に火がついたのはコロナ禍で都市封鎖が相次ぎ、買いだめの習慣ができたためといわれる。調査会社の艾媒諮詢は中国の同スーパーの市場規模が23年に364億元(約7700億円)と、19年から4割拡大したと推計する。

  • >>6047

    コロナ禍後も市場拡大は続いている。

    一つ目の理由が価格だ。年会費はコストコが299元、サムズクラブが260元からと安くない。ただ深圳市の店舗で商品の店頭価格を比べると、無糖の「コカ・コーラ」(100ミリリットル換算)はコストコが地元スーパーより3割安かった。贈答用チョコレートなど単価に2倍ほどの開きがある商品もある。

    先行きの景気不安で節約志向が強い中国では、低価格販売が大きな武器になる。「年間2000元ほど節約できるので年会費の元は十分にとれる」。サムズクラブの常連という杭州市の丁さん(40代女性)は語る。

    コストコやサムズクラブが訴求する「宝探し式の買い物体験」も支持されている。

    典型が試食だ。コストコ深圳店で買い物をしていた譚さん(45歳男性)は「来店するたびに新商品を食べられて楽しい」と話す。中国の通常のスーパーでは試食が一般的ではない。両社は売り場ごとに専用コーナーを設置し、体験を促している。

    売り場面積が巨大な会員制スーパーは街の中心部から離れた立地が多い。単に「モノを買う場所」では客が集まらないため、店舗を「買い物を楽しむ場所」と位置づけてサービスを充実させている。

    商品に対する信頼感も会員制スーパーの強みだ。中国では迅速な配送などを理由にネットスーパーが定着。ウォルマートも従来型のスーパーは5年前と比べ2割近く減らした。ただ「ネットスーパーは事業者が玉石混交で、商品の品質に不安がある」(深圳市の36歳女性)との声も聞かれる。

    コストコやサムズクラブの取扱品目は4000前後。スーパーというよりはコンビニに近い規模感だ。一定の基準で品目数が絞り込まれているため、消費者は安心して買い物を楽しめている。北京市の40歳男性は「どれを買おうか思い悩むことが減った」と話す。

  • >>6047

    中国企業も参入相次ぐ 愛国心など独自色

    会員制スーパーの成長性にひかれて中国企業も参入が目立ち始めている。

    「サムズクラブより高ければ差額を返金します」。4月上旬、北京市でアリババ集団系企業が営業する会員制スーパー「盒馬(フーマー)X会員店」を訪れると、対抗意識をうかがわせる看板が掲げられていた。

    1号店は20年秋に開業し、現在は国内に9カ所ある。街の中心部にも出店する一方、陳列の簡略化などで費用を削り、低価格で販売している。

    北京に4カ所ある「fudi会員商店」は愛国心をくすぐる。入会案内には「国民自身のための会員店」と強調。海鮮売り場のディスプレーに「中国・西沙諸島」と映し出され、ベトナムも領有権を主張する同諸島の魚介類を販売していることをアピールしていた。

    新業態に対する目新しさから成長を遂げている会員制スーパー。「熱しやすく冷めやすい」中国の消費者にいかに新味を提供し続けるかが今後の勝負どころになる。