投稿一覧に戻る メモで使うの掲示板 6 hardWorker 2021年6月27日 19:18 NYダウ続落、パウエルFRB議長テーパリング議論始める--米利上げ2023年に2回? 本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。 今日のポイント FOMC結果発表、2023年に2回利上げ示唆でNYダウ続落 Powell議長はテーパリング議論始まると認めたがテーパリングショックはなし 今後の注目点 これら3点について、楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田真之氏の見解を紹介する。 FOMC結果発表、2023年に2回利上げ示唆でNYダウ続落 6月16日(日本時間では17日午前3時)、米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が発表された。金融政策の変更はなかった(ゼロ金利維持・量的緩和継続)。 米政策金利(FF金利)、長期金利、NYダウ月次推移:2000年12月~2021年6月(16日) 政策変更なしは事前予想通り当たり前のことで、市場に何も影響もない。市場が注目していたのは先行きのガイダンスになる。 米国にインフレ懸念、景気過熱懸念が強まる中、いつまで量的緩和を続けられるのか、どのようなガイダンスを出すかが注目点だった。 FOMCメンバー18人の腹の内を読むのに重要とみなされるものが2つある。1つは、ドットチャート(FOMCメンバー18人による政策金利の先行き予測)、もう1つはPowell FRB議長の記者会見である。 ドットチャートで示されたFF金利予測(中央値) 上の表をご覧いただくと分かる通り、今回ドットチャートでは、予測中央値で「2023年に2回利上げあり」の見通しが示された。2023年末のFF金利予測(18人の中央値)は0.625%となった。これは現在のFF金利誘導水準0.00~0.25%が、2023年末には0.50~0.75%まで引き上げられるという予想。つまり0.25%の利上げが2023年に2回行われると予想されている。 前回(3月17日)のFOMCでは、「2023年末まで利上げなし(ゼロ金利維持)」の見通しが示されていたので、利上げ時期の予想が前倒しされたことになる。利上げが2023年に始まるとすると、それより先にテーパリング(量的金融緩和の縮小)が行われることになる。2022年にもテーパリングが始まる可能性が出てきたと解釈される。いよいよ金融緩和の終了が視野に入ってきた。 今回FRB(連邦準備制度理事会)が発表した米経済見通しでは、インフレ率見通しが引き上げられた。FRBが重視するインフレ率指標(個人消費支出デフレーター)の予想中央値では、2021年に3.4%上昇の見通しが示された。前回見通し(2.4%上昇)より大幅に引き上げられた。さらに2022年に2.1%、2023年に2.2%上昇する見通しが示された。 インフレ予想の引き上げ、利上げ予想時期前倒しを受け、16日の米長期(10年)金利は1.56%まで上昇し、NYダウは前日比256ドル安の3万4033ドルと続落した。 為替市場では、FOMC結果発表後にドル高(円安)が進んだ。1ドル110円台の後半をつけている。 Powell議長はテーパリング議論始まると認めたがテーパリングショックはなし 注目されたPowell FRB議長の記者会見だが、「資産購入をどうするか議論する」とテーパリング(金融緩和縮小)の議論を始めることを認めた。ただし、インフレ率の上昇は一時的と従来の発言を繰り返し、全体を通じてハト派色(金融緩和の縮小に否定的)は維持していた。 NYダウは続落したが、小幅の下げで済んだ。FRB議長がテーパリングに言及すると株式市場がクラッシュするという不安があったが、今回そのようなクラッシュはなかった。 2013年5月のバーナンキショック(当時FRB議長だったBernanke氏が「テーパリングが将来必要」と発言した直後に世界中の株が急落したショック)を踏まえて、Powell議長が慎重な言い回しに終始していることにもよる。 今後の注目点 今回のFOMCで、FRBがテーパリングの議論を始めることが分かった。これまでのようなハト派一色のFRBではなく、タカ派色も垣間見えた。ただ、Powell議長が慎重な言い回しを続けていることから、テーパリングショックは起こらず、長期金利の上昇も小幅だった。 テーパリング議論を始めることを伝えてもショックが起こらなかったことから、日米の株式市場は当面、底堅く推移すると考えられる。 ただし、これで米景気が年後半に過熱するリスクが払しょくされたわけではない。ワクチン効果で米経済が正常化に向かうタイミングで、1兆9000億ドルの財政出動が行われると、米景気が過熱するリスクは続いている。過熱リスクがさらに高まれば、米長期金利やインフレリスクの上昇を通じて、金融緩和の終了時期がさらに前倒しになる可能性もある。引き続き、米景気・長期金利の変動から目が離せない。 今回のFOMCの日本株への影響は、当面中立と考える。米景気好調で1ドル110円台後半に円安が進んだことはポジティブだ。ただし、FRBがテーパリングの議論を始めることに警戒が強まることはネガティブである。 もっと読む--おすすめのバックナンバー 攻めと守りの高配当利回り8銘柄をプロが厳選 日経平均3万円でも割安、令和の日本株がさらに飛躍すると予想する理由 最高値に迫るNYダウ--米景気「ほどよい湯加減」? 日本のバリュー株は買い場? 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。 返信する そう思う0 そう思わない0 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する ツイート 投稿一覧に戻る
hardWorker 2021年6月27日 19:18
NYダウ続落、パウエルFRB議長テーパリング議論始める--米利上げ2023年に2回?
本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
FOMC結果発表、2023年に2回利上げ示唆でNYダウ続落
Powell議長はテーパリング議論始まると認めたがテーパリングショックはなし
今後の注目点
これら3点について、楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田真之氏の見解を紹介する。
FOMC結果発表、2023年に2回利上げ示唆でNYダウ続落
6月16日(日本時間では17日午前3時)、米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が発表された。金融政策の変更はなかった(ゼロ金利維持・量的緩和継続)。
米政策金利(FF金利)、長期金利、NYダウ月次推移:2000年12月~2021年6月(16日)
政策変更なしは事前予想通り当たり前のことで、市場に何も影響もない。市場が注目していたのは先行きのガイダンスになる。
米国にインフレ懸念、景気過熱懸念が強まる中、いつまで量的緩和を続けられるのか、どのようなガイダンスを出すかが注目点だった。
FOMCメンバー18人の腹の内を読むのに重要とみなされるものが2つある。1つは、ドットチャート(FOMCメンバー18人による政策金利の先行き予測)、もう1つはPowell FRB議長の記者会見である。
ドットチャートで示されたFF金利予測(中央値)
上の表をご覧いただくと分かる通り、今回ドットチャートでは、予測中央値で「2023年に2回利上げあり」の見通しが示された。2023年末のFF金利予測(18人の中央値)は0.625%となった。これは現在のFF金利誘導水準0.00~0.25%が、2023年末には0.50~0.75%まで引き上げられるという予想。つまり0.25%の利上げが2023年に2回行われると予想されている。
前回(3月17日)のFOMCでは、「2023年末まで利上げなし(ゼロ金利維持)」の見通しが示されていたので、利上げ時期の予想が前倒しされたことになる。利上げが2023年に始まるとすると、それより先にテーパリング(量的金融緩和の縮小)が行われることになる。2022年にもテーパリングが始まる可能性が出てきたと解釈される。いよいよ金融緩和の終了が視野に入ってきた。
今回FRB(連邦準備制度理事会)が発表した米経済見通しでは、インフレ率見通しが引き上げられた。FRBが重視するインフレ率指標(個人消費支出デフレーター)の予想中央値では、2021年に3.4%上昇の見通しが示された。前回見通し(2.4%上昇)より大幅に引き上げられた。さらに2022年に2.1%、2023年に2.2%上昇する見通しが示された。
インフレ予想の引き上げ、利上げ予想時期前倒しを受け、16日の米長期(10年)金利は1.56%まで上昇し、NYダウは前日比256ドル安の3万4033ドルと続落した。
為替市場では、FOMC結果発表後にドル高(円安)が進んだ。1ドル110円台の後半をつけている。
Powell議長はテーパリング議論始まると認めたがテーパリングショックはなし
注目されたPowell FRB議長の記者会見だが、「資産購入をどうするか議論する」とテーパリング(金融緩和縮小)の議論を始めることを認めた。ただし、インフレ率の上昇は一時的と従来の発言を繰り返し、全体を通じてハト派色(金融緩和の縮小に否定的)は維持していた。
NYダウは続落したが、小幅の下げで済んだ。FRB議長がテーパリングに言及すると株式市場がクラッシュするという不安があったが、今回そのようなクラッシュはなかった。
2013年5月のバーナンキショック(当時FRB議長だったBernanke氏が「テーパリングが将来必要」と発言した直後に世界中の株が急落したショック)を踏まえて、Powell議長が慎重な言い回しに終始していることにもよる。
今後の注目点
今回のFOMCで、FRBがテーパリングの議論を始めることが分かった。これまでのようなハト派一色のFRBではなく、タカ派色も垣間見えた。ただ、Powell議長が慎重な言い回しを続けていることから、テーパリングショックは起こらず、長期金利の上昇も小幅だった。
テーパリング議論を始めることを伝えてもショックが起こらなかったことから、日米の株式市場は当面、底堅く推移すると考えられる。
ただし、これで米景気が年後半に過熱するリスクが払しょくされたわけではない。ワクチン効果で米経済が正常化に向かうタイミングで、1兆9000億ドルの財政出動が行われると、米景気が過熱するリスクは続いている。過熱リスクがさらに高まれば、米長期金利やインフレリスクの上昇を通じて、金融緩和の終了時期がさらに前倒しになる可能性もある。引き続き、米景気・長期金利の変動から目が離せない。
今回のFOMCの日本株への影響は、当面中立と考える。米景気好調で1ドル110円台後半に円安が進んだことはポジティブだ。ただし、FRBがテーパリングの議論を始めることに警戒が強まることはネガティブである。
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