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国内外事情の掲示板

哲人政治と衆愚政治

哲人政治の「哲人」という言葉ですが、
これは「魂を構築する要素の中で、最も理性を占める割合が多い人」
を指しています。


「哲人」という言葉を理解する前に、
まずは「魂の三分説」というものを簡単に紹介しておきます。

これもプラトンという哲学者が生み出したもので、
「魂は三つの要素、理性・意思・欲望からできている」
という思想です。


その中でも「理性」は
「意思」と「欲望」の舵を取る役割を果たしています。

プラトン魂の三分説をわかりやすく


プラトンはその理性の多い人間を「哲人」と考え、
その「哲人」が政治を行う体制のことを「哲人政治」と呼びました。


哲人政治と衆愚政治

プラトンは一言でいうと、
「自分達のような哲人(=哲学者)が政治を行うえば、理想的な国家を創れる」
と主張したのです。

しかしこれには、それなりの理由があります。

それは「衆愚政治」が原因です。
衆愚政治とは「民主制」が腐ったものです。

おどろくかもしれませんが、
「民主主義」は古代ギリシア時代から採用されていました。

民主主義のいいとことは、
市民全員が政治に参加できるところです。


しかし、それが逆効果となり、
当時の選挙で勝つのは口がうまいとか、
単に人気があるだけとか、そんな人物でした。

そんな人物ばかりが政治を行うと、
まぁ政治はうまく機能しなくなります。
この民主制が腐った状態のことを「衆愚政治」と言います。

哲人政治のメリット

そして、この衆愚政治を生み出す「民主制」を否定し
「哲人政治」がベストだと考えたのがプラトンでした。

プラトンは「哲人」こそが「理想的な国家」
を知ることができると考えていたのです。

それはプラトンが「イデア論」という思想を「核」にしていたからです。

プラトンの思想をものすごく簡単に説明すると、
「理想的な国家をつくるためには、理想的な国家を知っていなければならない
 それを知ることができる人間は哲人のみ!!」
って感じです。

プラトンはエリートが政治を行うべきだと考えていました。