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>>2387

神経変性疾患に対する薬剤効果の主要評価項目は“臨床症状”であることは再三述べてきましたが、要は、患者の“症状悪化を薬剤がどれだけ食い止められるか”です。
私がよく引用するAMX0035のPSPのP3試験(ORION)は、「28項目のPSPRSトータルスコアについて、ベースラインから52週後までの症状進行(悪化)の変化」を主要評価項目として評価し、探索的なアウトカムとして、「日常生活動作、認知機能、生活の質、全体的な生存率、脳領域のボリューム、神経損傷/炎症のバイオマーカー、介護者の負担の変化など」を評価します。おそらく、これがFDAの考えている神経変性疾患の薬効評価であり、この評価のために、600例の症例が必要なんでしょうね。
今回、探索的なP2a/b試験では、まずは有効性の代替指標であるバイオマーカーが改善するか、臨床症状の改善はこれらと矛盾はないか(これが掲示板2360で述べたconfirmatory study results)を探索的に評価することで十分であり、あとはP3試験での主要評価項目の有意差の症例数設定の根拠を説明し、企業がP3を開始する訳です。これ以上でもこれ以下でもなく、探索的なP2a/b試験の結果について、“外野で素人がいろいろと騒いでいる”ことに、私は違和感を覚えます。
なお、本日引用した、バイオジェン社のSOD1-ALS治療薬トフェルセンは、NfLの減少に基づいて承認されましたが、BrainStorm Cell Therapeutics社のNurOwnはNfLが減少してもFDA諮問委員会で不支持となったことに対して、Xでいろんな(なぜ、あちらが良くてこちらはダメなのか)意見が出ておりましたね。