ここから本文です
投稿一覧に戻る

私と経済の掲示板

<日米の金融純資産額はドイツの倍以上>

大手保険・金融グループのアリアンツが2011年末時点のデータで示した主要国の一人当たり名目国内総生産(GDP)と金融純資産の分布を見ると、GDPと金融資産の双方で最も裕福なのはスイスであり、これは世界中から超富裕層が資産をスイスに移転して住んでいる結果だろう。スイスは相続税をゼロにすることで、世界中から富裕層を呼び込む政策をとっている。

スイスを除くと主要先進国の一人当たり名目GDPは概ね円換算300万円から400万円台に分布している(11年末の為替相場で換算)。その中で、日本(名目GDP370万円、金融純資産931万円) と米国(名目GDP370万円、金融純資産904万円)は、金融純資産額では他の先進国と比較して突出して高い位置にある。国民一人当たり平均で見て、日米ともにドイツの倍を上回る金融純資産を保有している。ただし日米家計の資産分布は全く異なる特徴を持つ。ひとことで言うと、米国家計の金融資産は超富裕層に一極集中しており、日本の場合は60歳以上の高齢者に比較的薄く広く分布している。

日本の問題は、今後も人口の高齢化が進む中で、21世紀中葉までを展望して、これまでに実現した経済的な豊かさを維持できるかということになる。