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本日のドル円市場
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本日のドル円市場の掲示板

 海外市場でドル円は、一時112.08円と昨年2月21日以来約1年7カ月ぶりの高値を付けたものの、その後失速した。ロンドンフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りも観測され、米国株相場の失速も相場の重しとなり、111.24円まで弱含んだ。
 ユーロドルは、ロンドンフィキシングにかけてユーロ売りが強まると、1.1563ドルと昨年7月23日以来約1年2カ月ぶりの安値を更新した。

 本日の東京時間のドル円は、111円台でもみ合いか。本日から10月に入るが、9月の株式市場はアノマリー通り(9月は株安)で終了した。今月に入り株価の反転期待があるものの、ダウ平均は昨日の下落もあり、日足一目均衡表・雲の下限を下抜け三役逆転で、売りシグナルが点灯している。米株が軟調地合いを維持すれば、米金利が上昇した場合でもドル円やクロス円の頭を抑える要因になりそうだ。

 本日のアジア時間で大きな値動きが期待できないのは、本日から国慶節が始まり中国と香港市場が休場となることだ。中国恒大集団については、7日の連休明けにかけて様々な憶測が流れるだろうが、国慶節初日から大きな発表が流れる可能性は低いか。また、米議会下院は昨日、12月3日までの連邦政府の資金を手当てするつなぎ予算案を賛成多数で可決した。政府機関の閉鎖が回避され、12月3日までつなぎ予算で資金が手当てされることになったため、しばらくの間は米債務上限リスクが後退した。

 本日東京時間で発表予定の経済指標では、本邦の9月調査の日銀・企業短期経済観測調査(短観)に注目したい。かつてのように日銀短観で市場が大きく動くのは難しいだろうが、想定為替レートの水準は、今後の為替市場を取引するうえで参考になるだろう。6月調査では2021年度通期および下期の想定為替レートは106.71円だった。7月1日の発表時は111円台で、水準よりかなりの円高水準だったと言える。また、ユーロ円は2021年度通期が125.27円、下期が125.26円だった。この想定レートからどのように変移しているかが要注目。

 他通貨では、ここ最近のアジア市場を牽引していた豪ドルを中心とするコモディティ通貨も動意薄になるか。昨日もシンガポール取引所(SGX)の鉄鉱石価格が10%超上昇したことで豪ドルが買われた。しかしながら、昨日の買い手と言われた中国勢が上述のように休場となることを考えると、本日は大きな動きを期待するのは難しいか。
 
 なお、東京市場以後の欧米市場は、ユーロ圏HICPコア速報値や米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として最も重要視している米個人消費支出(PCE)が発表される。指標などにより相場展開が急速に変わる可能性もあることには警戒したい。

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