ここから本文です
東京外国為替市場
投稿一覧に戻る

東京外国為替市場の掲示板

2022-01-26 08:00
見通し
東京為替見通し=ドル円 一目・雲を睨み神経質な展開か、明朝のFOMC声明に注目

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は114.16円まで上昇後に113円後半で伸び悩んだ。ユーロドルは、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて年初来安値となる1.1263ドルまで下落後に1.13ドル台まで反発。ユーロ円は128.25円を下値に128円後半まで持ち直した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝午前4時に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて、日足一目均衡表・雲を睨みながら神経質な展開が予想される。

 ドル円の一目均衡表では、本日は先行スパン2(114.03円)が先行スパン1(113.89円)を上抜けて雲がネジレる「変化日」となっている。FOMC声明を受けて、年初来の下落トレンドが反発するのか、あるいは反発しなければ下落トレンドが加速するのか要注目となる。

 FOMC声明やパウエルFRB議長の記者会見での注目ポイントは、テーパリング(資産購入の段階的縮小)の終了時期、3月FOMCでの利上げ幅や今年の利上げ回数、量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)の開始時期と金額への言及となる。

 テーパリング(資産購入の段階的縮小)は3月に終了する予定となっているが、サプライズは1月に終了、あるいは2月終了に前倒しされた場合となる。利上げ開始は3月15-16日のFOMC、利上げ幅は従来通りの漸進的利上げ+0.25%で今年3回が見込まれているが、サプライズは、利上げ回数が0.25%が4回(3、6、9、12月)、そして+0.50%の急進的利上げの可能性となる。

 量的金融引締政策(QT)の開始は、7月26-27日のFOMCと見込まれているが、サプライズは、3月、あるいは5月開始の場合となる。金額の上限は、前回QT時の最大規模の500億ドルから600億ドル程度と見込まれているが、サプライズは1000億ドル程度の場合となる。
パウエルFRB議長は、1月11日に開催された自身の指名承認公聴会において、「バランスシートの規模がかなり大きくなっているため、バランスシート縮小も速いペースとなる可能性がある。早く開始し、速いペースで実行するだろう」と述べている。

 前回の2017年10月に開始されたQTは、上限額として、当該月に満期の到来したFRB保有債券のうち、償還で得た資金の再投資を行わない上限額が100-500億ドルと設定された。しかし、このペースでは1年間で6000億ドル(500億ドルx12カ月)となり、8.86兆ドルのバランスシートの7%に過ぎない。そのため、今回は、全般的な資産売却に動く可能性が警戒されている。

 すなわち、前回2015年12月からの金融引き締め局面は、利上げが漸進的利上げの+0.25%、QTが2017年10月から償還分の再投資を控えるという緩慢なものであった。今回は、急進的利上げ+0.50%と急進的資産売却という、米連邦準備理事会(FRB)と市場が経験したことのないものとなる可能性、そしてオーバーキルとなる可能性に要警戒なのかもしれない。

 FRBのバランスシートが2008年9月のリーマンショック前の9000億ドル台から現状の8.86兆ドルまで約10倍に膨張するチャートは、史上最高値へ駆け上がってきた米国株式市場のチャートに重なっている。