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クレディS、失態続く経営陣の責任追及へ
-リスク管理の能力に疑念も

(ブルームバーグ): スイスの銀行クレディ・スイス・グループは、資産運用部門が英金融ベンチャー、グリーンシル・キャピタルと運用していたサプライチェーンファイナンス(SCF)のファンド、そしてビル・フアン氏のファミリーオフィスに絡む損失の評価作業を続けている。失態続きの経営陣の説明責任に間もなく注意が向く可能性が高い。

クレディ・スイスは、グリーンシルとの取引を巡る問題を調査するため、ウルス・ローナー会長や監査責任者らを中心とする特別危機管理委員会の活動を再開したほか、資産運用部門の責任者エリック・バーベル氏を更迭し、一部上級幹部のボーナスの支払いと受給権を停止した。

だが、フアン氏のアルケゴス・キャピタル・マネジメントに関係するポジション解消に伴う損失に比べれば、グリーンシルの影響はごく軽微と見なされそうだ。

クレディ・スイスの大株主の一つ、米資産運用会社ハリス・アソシエイツのパートナー、デービッド・ヘロ最高投資責任者(CIO)は3月31日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「将来価値を生み出す能力が経営陣にないと判断する場合、われわれは株式を売却する。クレディ・スイスについて現段階ではそこまでいっていない」と発言した。

クレディSの大株主「アルケゴスは警鐘」-変わらなければ投資見直し

2020年2月に就任したトマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)は、最初の大掛かりな取り組みの一環として、リスク判断の改善と効率化に向けリスク部門とコンプライアンス(法令順守)部門の統合に動いた。こうした経緯もあって、アルケゴスの問題はゴットシュタイン氏のリスク管理の手腕に疑念を生じさせる。

ハリス・アソシエイツのヘロ氏は「クレディ・スイスの良い部分を開花させるには悪い部分を取り除く必要があるが、この会社を過去10年の大部分にわたって苦しめ続けたリスク管理がその悪い部分だ」と指摘した。

原題:Credit Suisse Executives Under Scrutiny for Serial Miscues(抜粋)

(c)2021 Bloomberg L.P.