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ドル円メモ帳の掲示板

 海外市場でドル円は、4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が74.2万人増と予想の80.0万人増を下回ったことが相場の重しとなり、22時30分過ぎに一時109.15円と日通し安値を付けた。
 ユーロドルは、ユーロポンドの下落につれたユーロ売り・ドル買いが出たが、相場は方向感がないなかで小幅に続落した。

 本日の東京時間のドル円は、日本と中国が連休明けとなる中で、実需勢の動きを確かめながら方向感が出にくい動きとなるか。先週末、東京勢が引けた水準は108円後半だったことで、30日の欧米から東京休場の間はドル高・円安に傾いている。通常であれば水準的に輸出勢が売りから入ることが想像できるが、どの程度下押しするかを見定める必要がある。

 特に本日には4都府県の緊急事態宣言の延長の有無が発表される予定であり、実需の売りにもかかわらず下げ幅が限られるようなことになれば、ワクチン普及で完全に後れを取っている日本(円)売りに相場が傾くこともありそうだ。緊急事態宣言については、延長幅が2週間から1カ月との話が出ていることで、その期間により為替市場も動く可能性があるだろう。特に本邦よりも海外勢の方が日本の対応および先行きに対してネガティブに捉えていることもあり、日本人が思っている以上に市場が反応するかもしれない。

 ドル円以外では本日は英国(ポンド)デーともいえそうだ。英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)後に政策金利などを発表する。政策金利の据え置きや、資産買取プログラムの8950億ポンドでの据え置きが市場予想となっている。しかしながら、今年の成長見通しを上方修正するのではないかと予想する声が多くなっている。議事要旨の詳細を含めポンドの動きが注目される。

 また、本日は英スコットランドの議会選が始まる。新型コロナウイルスに対する規制もあり、結果の確定は8日までずれ込むとされているが、様々な憶測がポンドを上下させることになるだろう。週末の英タイムズ紙は改選議席129議席のうち、スコットランド民族党(SNP)は2議席増やし、65議席を獲得するとの結果も出ているが、各調査会社によりばらつきがあることで予断を許さない。また、週末の英テレグラフ紙はSNPが55%以上の得票を獲得すればポンドは1-1.5%下落し、SNPが45%以下の得票となった場合はポンドが1%上昇するとの予測も出ている。

 市場全体にいえることは、昨日から今日までの間だけでも世界情勢が大きく動いていることには目を向けておきたい。欧州連合(EU)は昨日、国から補助金を受けている外国籍企業の規制強化を発表した。中国政府を具体的には名指しはしていないものの、この規制が中国向けということは明らかなことで、バイデン政権樹立後は欧州も米国と歩調を合わせることを示したかたちだ。また、イスラエルでは第1党リクードのネタニヤフ首相による組閣の見通しが立たなかったため、野党が政権樹立に動くことになったことで、中東情勢にも要注意となる。なお、バイデン米大統領がワクチンの特許権廃止を求める行動をとっているが、実際に廃止になるには時間を要することで、市場への影響はまだ先になりそうだ。