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ドル円メモ帳

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  • 2021/07/23 11:18
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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

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    routineWorker 7月23日 11:18

     オセアニア市場のドル円は110円前半で小康状態。本日も本邦祝日(スポーツの日)のなか、昨日同様に本邦実需のリーブオーダーが両サイド抑えるか。輸出のドル売りは110.50円から、輸入の買いは109.50円から断続的に置かれているもよう。

     昨日はECB理事会では、「フォワードガイダンス」が変更され、景気を支えるため粘り強く緩和を継続することを約束。2022年3月末までPEPPは継続となった。ラガルド総裁のユーロ圏経済は回復発言もユーロの戻しも限定された。ユーロ円売りに連れてドル円は伸び悩み、また米経済指標の新規失業保険姿勢件数や失業保険受給者が予想より悪化し、米長期金利の低下もドル円の重しとなった。

     本日は欧米の経済指標で7月の製造業とサービス業PMI発表があるものの、来週のFOMCを控えて予想外の結果以外は動意限定と思われる。ドル円の下値目途は節目の110円、割れると一目均衡表の雲の上限109.85円とし、上値の目途は昨日高値110.36円を超える7月7日高値110.82円を意識し、CMEダウ先物や米長期金利を睨む展開となろう。

  • 今年後半のドル円相場はどうなる?重要なのは9月以降の米雇用統計

    7月2日に米6月雇用統計が発表されました。まずは、その内容を確認していきましょう。

    サービス業で雇用者増がつづく
    事業所調査ベースの非農業部門雇用者数(以下 NFP)が前月比85万人増と、事前予想中心値の72万人増に比べてかなり強い内容となりました。前月・前々月分は併せて1.5万人上方修正されました。2月分以降のレジャー部門を中心としたサービス業の堅調な雇用者増が引き続き全体の雇用増をけん引しています。

    家計調査ベースの労働力調査では、6月雇用者は前月比1.8万人減と、NFPとは全く異なる結果となりました。以前もこの連載で触れましたが、1人が複数の事業所で非正規雇用(パート・アルバイト)された可能性が高いのではないかと筆者は考えています。例えば、月火はコストコでレジ、水木はウォルマートで清掃、週末はどっかのビルの夜警、といった感じです。また、既に就業している人が、他社でも雇用されたのかもしれません。

    家計調査ベースの失業率は、市場予想の5.6%に対して5.9%と悪い内容で、5月の5.8%からも悪化しています。失業率が悪化(上昇)した理由としては、自主的に離職する人や職探しをする人が増えたことが挙げられます。

    筆者の今回のNFP予想は、米雇用統計調査週(12日を含む週)の米失業保険継続受給者数の差(受給者が19.8万人減少)から予想したため前月比25万人~30万人増と市場予想中心値よりもかなり弱く、大きくはずれました。

    事業所調査ベースの平均時給は、市場予想と一致しましたが、5月からはかなり強い内容となっています。相場のファーストリアクションは市場予想比で動く傾向が強いので、今回の相場の動きには影響しなかったと思われます。

    ただし、米国の今後の物価動向を注視していく上で、今後賃金の上昇率が鈍化していくのか、高水準のままなのかは注視していく必要があるでしょう。ただ、前年が大荒れなので、落ち着くには時間がかかりそうな指標ではあります。

    今回も市場の期待が前のめり過ぎただけ?
    米6月雇用統計発表後の市場は乱高下しました。ファーストリアクションは強いNFPを受けてドル買い、米国債利回り上昇となりました。しかし、すぐにドル売りも出て、米国債利回りも低下しました。失業率が予想比かなり悪かったことで、ポジションを一方に傾けることに慎重になったのかもしれません。

    また、短期の投機筋やA.I.が強い米雇用統計を予想して、ドル買いポジション、米国債売りポジション(金利上昇ポジション)で米6月雇用統計を迎えて、ポジションをアンワインドする動きになったのかもしれません。

    毎月の繰り返しになりますが、米6月NFPに対して市場期待が強まった背景は、6月30日に発表された米ADP雇用統計(民間雇用)が、市場予想の前月比60万人増に対して同69.2万人増であったことと思われます。過去を見ると、ADP雇用統計とNFPが乖離する場合も多く、筆者はNFP予想にADPはほとんど使用していませんが、米FRB当局者が米雇用回復に対して自信を示していることで、気持ちと短期筋ポジションは前のめりになりやすかったものと思われます。

    米雇用回復を妨げている要因
    ワクチン接種が進んでいる米国において、雇用回復ペースが鈍い要因を米FRB当局者たちはいくつか挙げています。

    (1)米失業保険給付の追加支給延長(9月6日まで)によるもの。
    安い賃金(時給)で雇用につくよりも、失業保険を受給してる方が高い収入になるので、敢えて就業しない人がいる、というものです。ただこれに関しては、米共和党出身知事の州(赤の州)を中心に、既に米19州で失業手当ての給付金が削減されている。

    (2)学校が完全再開(面談授業)していないために、子供を持つ(主に母)親が就業できない。

    (3)一部の州で接種が進んでいない(何らかの理由で接種を拒む米国人が多い)
    比較的米共和党支持者が優勢と言われる州(赤の州)での接種率が伸び悩んでいるようです。
    NYタイムズ紙によると、7/2現在、米国民で1回目のワクチン接種が終わった人の割合は54.7%で、18歳以上では66.8%になります。18歳以上の接種率が最も高い州はバーモント州の85.3%。人口が多い州では、ペンシルベニア州75.6%、カリフォルニア州74.8%、ワシントンD.C.72.7%、NY州72.4%となっています。一方で、18歳以上の接種率が低い州は、ミシシッピ州46.3%、ルイジアナ州49.0%、ワイオミング州49.6%、アラバマ州50.2%テネシー州52.0%ウェストバージニア州52.4%・・・、と赤の州が占めています。

    上記のうち、(3)に関しては、日本人の筆者には何とも言えませんが、来年の米中間選挙に影響が出て来るかもしれません。(1)と(2)に関しては、9~10月の米雇用回復ペースアップにつながる可能性が高いと思われます(米国の新学期は10月から)。米FRB当局者の発言を見ていても、9~10月ぐらいからの米雇用回復を期待している向きが多いようです。

    逆に言えば、米FRB当局者は現状の労働市場のひっ迫は解消されると予想しており、6月、7月、8月の米雇用統計で一喜一憂する必要はないでしょう。短期投機筋は別ですが…

    この先のドル円相場、予想レンジは?
    さて、昨年末から円安相場を予想してきた筆者ですが、今回の米6月雇用統計の反応もあまり重要視していません。当面の超過剰流動性下における平和ボケに近い楽観トレードは、8月までは続くものと思われます。

    筆者は9月の米FOMCで米テーパリング「議論開始」と予想していましたが、筆者予想に反して6月の米FOMCで議論が始まりました。パウエルFRB議長は「今回は『議論することについて議論する』会合だった」と、日本の政治家みたいな遠回しな言い方をしていますが、出来るだけ市場にショックを与えないようにしているのでしょう。

    当面は、米FRB当局者のハト派とタカ派と中立派をうまく交互にしゃべらせて、市場のポジションの傾きを静かに調整させ、2013年5月の「バーナンキ・ショック」のような相場の急変を回避する方策を取ってくるものと思われます。

    年末のドル円は需給の円安で111~112円方向と筆者は予想していまが、7~8月期はポジション調整的な動きもあって、107.50~111.50をコアとしたレンジになるのではないでしょうか?

    今泉光雄(大和証券 チーフ為替ストラテジスト)

  • 円が約1年ぶり安値、FOMC受けたドル買いで-115円模索の声

    (ブルームバーグ): 23日の外国為替市場で、円が対ドルで約1年ぶりの安値となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が先行して緩和政策を縮小し始めるとの見方から、米国資産の投資妙味が高まっている。

    円は対ドルで3営業日続落し、一時0.4%安の1ドル=111円10銭と、2020年3月以来の安値を付けた。FOMCが23年に利上げを2回実施する可能性がある一方、日本銀行は緩和政策を長期間維持するとトレーダーの間ではみられている。

    こうした政策のかい離を背景に、日本の投資家はリターンを求めて国外に目を向けており、対円のドル相場は2017年以来の高値水準となる115円を試す可能性もあると、みずほの為替セールス(金融機関)責任者ニール・ジョーンズ氏は指摘する。

    「ドル・円は上値を追う展開になるとみている」と同氏は発言。「ソブリン債のかい離が再び材料になりつつある。日銀が現状維持の一方、他の主要7カ国(G7)の中央銀行は利上げに向かいつつある」と述べた。

    ドルは過去1カ月に、主要10通貨でパフォーマンスが最も良かった。米国債の名目利回りが他の主要国の債券利回りと比べて高いことに支えられた。米10年債利回りは1.49%。一方、日本の10年債利回りは0.05%前後となっている。

    原題:Fed-Driven Binge for Dollar Assets Sends Yen to Pandemic Lows(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • FRB声明受け、米国債上昇…ドル円は「114円」までいくか?

    15~16日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、量的な緩和政策の段階的縮小について討議を開始したと表明した。慎重な言い回しに終始していたものの、市場では警戒感が強まっている。国際金融ストラテジストの長谷川建一氏が解説する。

    FOMC開催「2023年中に利上げの見通し」

    米連邦準備理事会(FRB)は15~16日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、金融政策は何ら変更せず、現行通り維持することを決めた。一方で、利上げを開始する時期について、これまで2023年末までは実施しないとしていたが、2023年中には利上げがあるとの見通しに変更した。そして、大量の資金を供給している現行の量的緩和政策について、いつどのように適切に開始するかを議論し始めたことを確認した。

    また、昨年来、米国経済のリスクファクターとして示していた新型コロナウイルス感染の拡大状況が経済に与える影響について、ワクチン接種などにより急速に改善しているとの認識により、これをFOMC声明から削除した。

    パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、量的な緩和政策の段階的縮小(テーパリング)についての討議を開始したことを表明した。ただ、実際に政策を転換するかどうかについては、さらに著しい経済の進展が見られることが必要とコメントして、具体的に何がどのようになれば行動に移すのか、ガイダンスは示されなかった。

    景気・政策見通しは上方修正…「利上げ予想」過半数超
    FOMCに参加した18人の委員が示した最新の景気・政策見通しでは、前回3月の見通しから、失業率は2021年第4四半期に4.5%との予想は変わりなしだが、2022年第4四半期には3.8%に改善すると修正された(3月時点の予想は3.9%)。国内総生産(GDP)は2021年に年率7%増加と上方修正された(3月時点の予想は6.5%増)。

    市場が最も注目していたインフレ率に関連する予測では、個人消費支出(PCE)について、2021年に3.4%上昇すると、3月FOMC時点での2.4%上昇から上方修正した。ただ、2022年については2.1%上昇と3月時点の2.0%上昇からわずかな上方修正にとどまり、インフレ率の上昇は「一過性」とのこれまでの見方が踏襲された。

    利上げについては、18人のうち13人が2023年末までに少なくとも1回の利上げがあると予想した。3月のFOMC時点では7人だったことから比べると過半数を上回った。うち11人は、2023年末までに少なくとも2回利上げがあると予想し、早ければ2022年中に利上げを見込んだ参加者も7人と、前回の4人から増加した(なお、1回の利上げ幅はいずれも0.25%の幅を前提としている)。ただ、パウエル議長は会見で、金利予測に関するドット・チャート(分布図)は割り引いて捉えるべきだと、利上げに関する議論を時期尚早と戒めた。

    需要拡大…「インフレ率上昇」に市場は警戒感強める
    パウエル議長の記者会見で筆者が注目したのは、経済活動の再開によって需要の増加は大きくなっており、生産財のボトルネックや、労働力不足といった制約要因が、製品などの供給を今後も制限する恐れがあり、価格の上昇(つまりインフレ)がFRBの予想を超える可能性を高めると説明した部分である。これは、4月5月の生産者物価指数や消費者物価指数の上昇で確認された、需要の拡大に供給がついて行けず、価格転嫁の動きが着実に広がっていることを警戒するということにほかならない。

    また雇用市場についても、米国史上最長となった前回(新型コロナウイルス禍前の10年に及ぶ景気拡大期)の過程で、長期間、予想を超える拡大局面となったことを学んだと語ったことは注目したい。これは、労働力を求める企業側の需要が大きく、すでに雇用のミスマッチが生じていることから、賃金が上昇する現象を警戒しているということである。

    いずれにしても、米国経済はFOMCが前回3月に予想していたよりもはやいペースで回復している可能性を認めた。そしてこれは、FRBが金融政策を変更することに備えて討議を始めることを正当化するものである。

    パウエル議長は、今回のFOMC会合は、FRBの資産購入による量的な緩和政策の段階的縮小を議論することについて予備的に議論した会合だと、慎重な言い回しに終始したが、市場の受け止め方は、FRBが金融政策を引締めに転換していく転換点と受け止めるだろう。

    ドル金利上昇をメインシナリオに
    FOMC会合後の発表を受けてニューヨーク市場では、10年米国債利回りは1.50%から1.58%と上昇した。1.50%は当面の下限となり、むしろ利回りは今年3月に急上昇した水準1.77%に向けて上昇圧力にさらされると予想する。

    為替相場でも米ドルが主要通貨に対して上昇し、ドル指数は約6週間ぶりの水準に上昇した。米ドルの金利がやはり先に上昇するとの見方に傾くことから、為替でも、ドルの堅調な動きが強まるだろう。ドル円は、111円が上限とこれまで予想してきたが、111円を上回り114円というシナリオも頭に入れておきたい。ユーロドルは、当面1ユーロ=1.20はユーロの下限とみてきたが、切り下げる展開に注意しておきたい。

    長谷川 建一

  • FOMC控えドル・ショート減少、タカ派シフトの織り込み不足警戒か

    (ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定を16日に控え、政策のタカ派シフトが十分に織り込まれていないとの警戒感から投資家がドル安を見込む取引を縮小しており、ドル弱気派に再考を促している。

    ドルは3日連続高となり、過去5営業日では4日上昇。一方、プットオプションとコールオプションのバランスを測る指標とされるリスクリバーサルは、4月以来最も強気なセンチメントを示している。

    ドイツ銀行のチーフ国際ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が16日にインフレ抑制について言及し始めた場合、カナダ・ドルや円に対して米ドルの強気ポジションを採るよう投資家に推奨。一方で、カナダ・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)のビパン・ライ氏は、FOMC決定前にユーロやカナダ・ドルに対して短期のドル・コールオプションを有望視している。

    ブルームバーグ・ドル指数は、先週のドル・ショートポジション縮小を背景に上昇しており、米国債利回り低下に反するこうした動きがドル高を後押しした。市場はFOMCで資産購入のテーパリング(段階的縮小)やインフレ見通しについて何らかの手掛かりが出ないか注目しており、ドルはやや上昇気味の利回りに追随する動きに戻っている。

    ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのストラテジスト、ウィン・シン氏は「米国の利回りに対するリスクが上向きに傾く中、ドルはFOMCやインフレ見通しに関する債券市場のリプライシングから恩恵を受ける可能性が高い」と指摘。FOMCは政策金利を据え置くが、一段と楽観的な経済見通しや当局者の金利上昇予測が示されるとの見方を示した。また、資産購入の縮小プロセスに関して当局が言及するとの見通しもある。

    原題:Dollar Traders Cut Shorts Ahead of Fed, Keeping Currency Afloat(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 今年後半のドル円相場はどうなる?足元の“前のめり解消”相場から解説する

    6月4日(金)に発表された米5月雇用統計は、事業所調査による非農業部門雇用者数(以下 NFP)が前月比55.9万人増と、事前予想中心値の67.5万人増に比べて若干弱い内容となりました。前月・前々月分は併せて2.7万人上方修正されました。

    家計調査ベースでの労働力調査は前月比44.4万人増と、NFPとそれほど乖離はありません(と筆者は思っています)。詳しくは触れませんが、44.4万人の内訳は、男性4.5万人、女性39.8万人となっています。これは良い兆候ですね。

    米雇用統計調査週(12日を含む週)の米失業保険継続受給者数の差(受給者が5.1万人減少)から予想している筆者の今回のNFP予想は5万人~10万人増と、非常に弱い予想でしたが、大きくはずれました。

    次月・次々月には修正される速報値の、市場予想中心値との差で一喜一憂する必要はないと筆者は感じていますが、A.I.主導のマネーゲームの様相が強い昨今の為替相場は、指標発表の瞬間からドル急落、米国債利回り急低下となりました。それでは、今回も詳しく解説していきましょう。

    市場の期待が前のめり過ぎただけ
    今回、NFPに対して市場期待がどんどん強まった背景は、6月3日に発表されたADP雇用統計が、市場予想の前月比65万人増に対して同97.8万人増であったことと思われます。そのため、週初に比べて、予想中心値は上昇していました。過去を見ると、ADP雇用統計とNFPが乖離する場合も多く、筆者はNFP予想にADPはほとんど使用していませんが、その他の米経済指標が米景気回復を示す中、気持ちは前のめりになりやすかったものと思われます。

    今回の米雇用統計を見て、筆者がやや疑問に思ったのは、米地区連銀や米ISMが発表する景況感に含まれる雇用指数・雇用者数指数と方向性が一致しなかったことです。大はずれだった筆者予想が弱過ぎたことは反省すべきことではありますが、下記の通り、雇用指数・雇用者数指数はほとんどが前月(4月分)から悪化しています。市場が考えているほど、米雇用回復は早くないのではないでしょうか。

    米雇用回復を妨げている要因
    先進国の中ではワクチン接種が進んでいる米国において、雇用回復ペースが鈍い要因として、米金融当局者たちはいくつか挙げています。

    (1)米失業保険給付の追加支給延長(9月6日まで)によるもの。
    安い賃金(時給)で雇用につくよりも、失業保険を受給してる方が高い収入になるので、敢えて就業しない人がいる、というものです。

    (2)学校が完全再開(面談授業)していないために、子供を持つ(母)親が就業できない

    (3)一部の州で接種が進んでいない(何らかの理由で接種を拒む米国人が多い)
    比較的米共和党支持者が優勢(赤の州)と言われる州での接種率が伸び悩んでいるようです。

    上記の内、(3)に関しては、日本人の筆者には何とも言えませんが、(1)と(2)に関しては、9~10月の米雇用回復ペースアップにつながる可能性が高いと思われます(米国の新学期は10月から)。米金融当局者の発言を見ていても、9~10月ぐらいからの米雇用回復を期待している向きが多いようです。


    逆に言えば、現状の労働市場のひっ迫は解消されると予想しており、5月、6月、7月の米雇用統計で一喜一憂するなら勝手にしなさい的なスタンスとも思われます。まあ、A.I.はその一喜一憂を生業としているので、それはそれで大事なことなのでしょうが…

    内容的にはまちまちな米5月雇用統計
    では、米5月の雇用統計について、細かく見てきましょう。

    昨年暮れから年明けにかけて、米雇用回復ペースがかなり鈍化していましたが、3ヶ月平均を見ると、順調にペースが上がってきていると見ていいと思います。ご参考までブラード米セントルイス連銀総裁の沈着冷静な発言を引用しますが、「非農業部門雇用者数の増加幅が月100万人ペースになるとは見込んでおらず、むしろ50万人に近い数字となるのではないか」とのことです。とすると、今回のNFPは決して弱くないと思われます。

    失業率は昨年3月以来の6%割れの水準となる5.8%で、市場予想の5.9%よりも改善する結果となりました。平均時給の予想以上の上昇率(個人的には予想がどうなんだろうという感じもしますが…)も決してネガティブな材料ではありません。

    市場の反応で弱いという印象を受ける方も多いでしょうが、今回の米5月雇用統計は決して弱い内容ではないと思っています。回復途上の過渡期と考えればいいのではないでしょうか。

    市場の反応は“ワンウェイ”
    米5月雇用統計発表をうけた市場のファーストリアクションはドル売り、米国債利回り低下となり、ロンドンFIXINGタイム(日本時間00:00JST)にいったんドル買いのフローも出ましたが、NYタイム午後もドルが売られ、米国債利回りが低下する動きとなりました。

    米10年債利回りは、米雇用統計を受けて1.623%水準から1.594%水準まで一気に低下し、そのあとはまた一気に1.633%まで切り返し、乱高下。その時は、予想より強い失業率や平均時給にも反応したからと思ったのですが、瞬く間に利回りは再び低下し1.567%水準になりました。

    前月の4月分発表時は、予想より強い平均時給や失業率で往って来い相場になったことを考えると、今回の方が前のめりな思い込みポジション(米国債の売りポジション)が大きくなっていたのかもしれません。

    米10年債利回り低下に呼応したとも言えますが、ドル円は110円05銭水準から一瞬で109円75~80銭水準まで下落し、いったん売買交錯も見せましたが、結局109.37銭の安値まで下落しました。他の通貨ペアもドル売りになっていましたが、スピードを見るとドル円の下落が最も強かったと思われ、ドル円のロングポジションの投げが加速したものと思われます。こちらも、前のめりになり過ぎたポジションが溜まっていたものと思われます。

    前月同様、市場予想よりも悪い米雇用統計=米低金利政策継続(テーパリング議論は後退)との見方が、米株式市場では楽観につながり、米株式市場は上昇したとのことです。

    さて、昨年末から円安相場を予想してきた筆者ですが、今回の米5月雇用統計の反応もあまり重要視していません。当面の超過剰流動性下における平和ボケに近い楽観トレードは、6~8月までは続くものと思われます。筆者は9月の米FOMCで米テーパリング「議論開始」と予想していますが、年末のドル円は需給の円安で111~112円方向と予想しています。以前触れましたが、今年の日本企業のM&A案件、出資案件からは目が離せません。

    今泉光雄(大和証券 チーフ為替ストラテジスト)

  • 〔マーケットアイ〕外為:ドル109円後半、ドルLIBORは5日連続で過去最低を更新

    [東京 28日 ロイター] -

    <15:32> ドル109円後半、ドルLIBORは5日連続で過去最低を更新

    ドルは109.87円付近で一進一退。

    週明けの31日はロンドン及びニューヨーク市場が休場となるため、短期筋がポジションを取りにくい状況となっている。

    米短期金融市場では、指標となるドルの3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が過去5営業日連続で過去最低水準を更新し、27日時点で0.13463%まで低下した。同LIBORは1年前に0.36250%だった。

    金利低下の背景には、米連邦準備理事会(FRB)による米国債買い入れの継続や、国債発行後に、財務省がFRBの財務省口座にいったん預託した資金(国債購入代金)が、市中に還流していることがあるとみられる。

    「ドルのマネーマーケットには資金が有り余っており、金利がゼロまたはマイナス方向にいくのは避けられない」(国内銀)という。

    こうした懸念から、FRBは超過準備の付利金利(IOER)やリバースレポ金利の調整を検討しはじめている。

    FRBが短期金融市場における資金吸収のための調節手段としているリバースレポ・ファシリティーの取引額は27日、過去最高の4850億ドルを記録した。

    手元資金を持て余している金融機関の間で3月以降、リバースレポを利用してFRBに金利0%で資金を貸し出す動きが増え続けており、短期金利のマイナス化圧力が一段と強まっている。

    <14:37> ドル110円手前で足踏み、人民元は3年ぶり高値更新

    ドルは109.89円付近と、110円の手前で足踏み状態となっている。

    市場では「110円ちょうどにはディーラーの戻り売りや証拠金取引(FX)の利益確定売りなどが待ち構えている。加えて、来週月曜日はロンドン、ニューヨーク市場が休みなので、無理にポジションを取りたくない参加者が多い」(外為アナリスト)との声が聞かれた。

    さらに、人民元高も、ドル買いの勢いを削いでいるという。

    国内スポット市場の人民元は一時1ドル=6.3680元と、2018年5月以来の高値を更新。

    オフショア人民元は6.3615元まで上昇し、同じく3年ぶり高値を更新した。

    市場では、中国が前週から発表している一連のインフレ抑制策が好感されている、という。「人民元高はインフレ抑制に好都合なので、中国当局も人民元高を演出または許容している」(国内銀ストラテジスト)との指摘もあった。

    中国国務院(内閣に相当)は19日、コモディティー価格の「不合理な」上昇を抑制し販売価格への転嫁を防ぐために、需給両面の管理を強化する方針を示した。

    中国国家発展改革委員会は24日、規制当局が今年の金属価格の大幅な値上がりについて協議したと表明し、工業用金属産業の企業に「通常の市場の秩序」を保つよう求めたと明らかにした。

    <12:02> 正午のドルは109円後半で小動き、米政権の6兆ドル歳出計画に関心

    正午のドルは前日NY市場終盤とほぼ同水準の109.88円付近。

    午前の取引では、一時109.95円付近まで上昇したが、ドル/円は110円を手前に一進一退の動きとなっている。米10年債利回りは1.6%台前半で安定的に推移している。

    市場では、米国のバイデン政権の6兆ドルの歳出計画報道に関心を寄せる声が聞かれた。米紙ニューヨーク・タイムズは27日、バイデン大統領が2022会計年度(21年10月─22年9月)の予算教書で、6兆ドルの歳出を求める計画だと報じた。

    報道を受けて米長期金利が上昇し、ドル高を支えたが、「米10年債利回りは1.6%台の水準にとどまり、ドルの騰勢をさらに強める雰囲気ではない」(国内銀行)という。

    前日の欧米時間に急伸した英ポンドは現在、1ポンド=1.4189ドル付近、155.91円付近で取引され、足元では利益確定売りが優勢となっている。

    英ポンドはイングランド銀行(英中央銀行)関係者のタカ派的な発言を受けて上昇していた。ただ、市からは「英国ではインド型変異株の感染が広がるなど懸念材料もあり、英ポンド買いが持続するかどうかは不透明だ」(ソニーフィナンシャルHD・アナリスト、森本淳太郎氏)との指摘があった。

    <09:17> ドル109円後半でほぼ横ばい、早期利上げ期待で英ポンド堅調

    ドル/円は朝方からほぼ横ばいの109.88円付近で推移。日経平均が寄り付きから買われており、市場からは、日本株の上昇が続けば「リスクオンムードが広がり、円売りのきっかけになりそうだ」(国内証券)との声が聞かれた。日経平均は節目の2万9000円を回復した。

    英ポンドはイングランド銀行(英中央銀行)関係者の発言を受けて底堅い。1ポンド=1.4202ドル付近、155.97円付近で推移している。対円は2018年2月以来の高水準。

    イングランド銀行金融政策委員会のブリハ委員は27日、労働市場の回復が予想以上に速まれば、英中銀は2022年前半にも利上げを行う可能性があると述べた。ただ、22年後半まで見送られる可能性の方が高いという。

    この発言を受けて英ポンドは上昇した。一方で、市場からは「短期間で大きく値を上げただけに調整が入る可能性もあるのではないか」(国内金融機関)との見方が出ていた。

    <07:55> ドル109.30─110.30円の見通し、ドル上昇の勢い続くか

    きょうの予想レンジはドル/円が109.30―110.30円、ユーロ/ドルが1.2140─1.2240ドル、ユーロ/円が133.40―134.40円付近。

    前日のNY市場では、ドル指数が狭いレンジ内の値動きにとどまった。ただ、ドルは対ユーロで横ばいとなった一方、対ポンド、対カナダドルでは下落、対円では上昇するなどまちまちの展開となった。

    現在、ドル/円は109.84円付近、ユーロ/ドルは1.2191ドル付近、ユーロ/円は133.92円付近で推移している。

    きょうは週末を控えていることから様子見姿勢が強まりやすいが、ドル上昇の勢いが続くかどうかが注目される。上田東短フォレックスの営業推進室長、阪井勇蔵氏は「ドル/円は110円を目指す展開になるとみられるが、110円近辺では利益確定売りも出やすくなりそうだ」と話す。

    米労働省が27日に発表した22日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は40万6000件と、前週の44万4000件から改善し、2020年3月中旬以来の低水準となった。

    米国の景気回復期待は依然として根強く、来週発表される米雇用統計などで良好な結果が示されれば、「さらにドルが上昇する可能性もあるだろう」(阪井氏)とみられている。

    一方、円は全面安の展開となっており、ユーロ/円は133.91円付近で推移。英ポンド/円は156円付近で推移し、2018年2月以来の高水準となるなどクロス円でも円安傾向となっている。

    政府は東京、大阪など9都道府県に31日までの期限で発令している緊急事態宣言を6月20日まで延長する方向で調整しており、「緊急事態宣言の延長で経済回復が遅れるのではないかとの懸念が海外勢の間でくすぶり、円売りにつながっているようだ」(阪井氏)との見方が示されていた。

    主なスケジュールでは、国内では4月完全失業率(総務省)、4月有効求人倍率(厚生労働省)が公表される予定。海外では、米国で4月個人所得・消費支出(商務省)、5月ミシガン大消費者信頼感指数確報値が公表される。

    また、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(英国主催、オンライン形式)が予定されている。

  • 55兆円の眠れる資金、短期市場の圧力緩める「唯一の安全弁」

    (ブルームバーグ): ドル調達市場にあまりにも多くの余剰現金があふれているため、投資家は5000億ドル(約55兆円)近くを連邦準備制度の下に滞留させているが、この資金は何も生み出さない。

    連邦準備制度が短期金利を調節する手段の一つであるリバースレポ(RRP)ファシリティーの利用額は27日、過去最高の4853億ドルに達した。ドルの余剰を生んでいる要因が解消するのはまだ先とみられるため、この数字はさらに増え続ける可能性がある。金融当局が金利をコントロールするために利用できるさまざまな手段について、ますます複雑な議論が活発化しそうだ。

    ドルの津波は止まらない-短期調達市場のゼロ金利、2022年まで継続も

    連邦準備制度のRRPファシリティーの金利は現在ゼロだが、資金を非常に短い期間、安全に保管しておく方法はほかにない。米財務省短期証券(TB)利回りや市場で決まるレポ金利は時にマイナスになり、資金を置いておくために利息を払わなければならないという状態だ。それに比べればゼロ金利は悪くない。

    TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏(ニューヨーク在勤)によれば、RRPファシリティーは短期金融市場で高まっている圧力に対する「唯一の安全弁」だ。 「現金の洪水を何とか抑えている状態だ」と同氏は述べた。

    調達市場に積み上がる巨額のドル資金は連邦準備制度の大規模な債券購入プログラムと無縁ではない。このためRRP利用拡大は当局がいつから、どの程度のペースで債券購入を縮小するかというテーパリングの議論をあおる要因にもなる。しかし、債券購入と短期市場のつながりは単純ではないため、テーパリングに関する当局の姿勢を動かすことには多くの人が懐疑的だ。

    ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、スバドラ・ラジャッパ氏は「テーパリングによってこれが解決するとは思わない。テーパリングは混乱を助長するだけだ。米金融当局が資産購入を漸減させれば世界の市場を動揺させるだろう」と話した。

    RRPファシリティーはその役割を果たしているという指摘もある。それがなければレポ取引やTBに流れる資金の行き場となることで、短期金利下押し圧力を緩和し、フェデラルファンド(FF)金利を当局の誘導目標の範囲内に収めるのに貢献しているからだ。

    実効FF金利は現在0.06%前後で、0-0.25%という当局のレンジの下限に近いが範囲内ではある。他の短期金利の低下は当局がRRP金利と超過準備の付利(IOER)を調整すべきだという議論を浮上させるかもしれないが、FF金利が許容範囲にある限りは静観することが可能だ。

    ラジャッパ氏はRRPとIOERを当局が動かすとは思わないし、たとえ動かしても「RRPファシリティーへの需要はなくならないだろう」と述べた。

    RRPの利用が増えるのは通常年末や期末、月末だ。従って、今月最後の営業日となる28日にまた増えることは十分に考えられ、そこで需要が止まるとみる向きは少ない。

    原題:Half a Trillion Dollars Is Sitting at the Fed Earning Nothing(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • コラム:米インフレ懸念台頭なら「ドル買い」の落とし穴=上野泰也氏

    [東京 26日] - 欧州中央銀行(ECB)でチーフエコノミストを務めるフィリップ・レーン専務理事は、5月21日の英経済紙フィナンシャルタイムズとのインタビューの中で、半導体不足や海運需給ひっ迫といった供給制約がもたらしている価格の上昇について「それはインフレではない」と言い切った。

     足元で見られ始めた物価上昇率の加速は、一時的で一過性の現象だという見方を欧米の中央銀行当局者の大多数が採っている。エコノミストである筆者も同意見なのだが、そうした見解を表明した要人発言の中で、レーン氏の発言はこれまでのところ、最もトーンが強いように思う。

    <米欧金融当局、インフレは「一時的」で足並み>

    足元で見られ始めた物価上昇率の加速は、一時的で一過性の現象だという見方を欧米の中央銀行当局者の大多数が採っている。エコノミストである筆者も同意見なのだが、そうした見解を表明した要人発言の中で、上記の発言はこれまでのところ、最もトーンが強いように思う。

    もっとも、ここでレーン理事が言及しているインフレは「一般物価(消費者レベルの物価)の上昇」という、本来の定義に即した意味合いだろう。

    卸売(生産者)物価の上下動は、消費者が直面するよりも前のステージにおける変動である。それが、いくつかの流通段階を経て「川下」に至るまでの間に、価格の設定を巡ってさまざまなせめぎ合いがあり、原材料価格急騰ショックの影響は緩和されていく。

    例として、日本の企業物価指数(企業間で取引される財の価格変動を測定している日銀の統計)の4月分(速報)を見ておきたい。

    国内需要財(国内品)の需要段階別の上昇率を調べると、「素原材料」が前年同月比プラス9.0%、「中間財」が同4.3%、最終財が同1.9%になっている。流通段階がいわゆる「川上」から「川下」へと進んでいく中で、原油など資源価格の急騰というショックの影響が徐々に和らいでいく様子が、大まかに確認される。

    企業間で自由に競争が行われている場合には、原材料コストが何らかの理由で急に上昇したからといって、それを販売価格に自動的に上乗せ転嫁するわけにはいくまい。価格が上昇すれば通常、需要が減る。販売価格を引き上げず、企業内努力でコスト増を飲み込んだ企業へと需要がシフトしていけば、安易に売り値を引き上げた企業の売上高は減少を続け、最終的には市場からの退出につながるかもしれない。

    ユーロ圏以外の中銀当局者からも、インフレ率の急加速は一時的ではなく持続的現象なのではないかといった市場の一部に漂う警戒感を、けん制あるいは戒める発言が、断続的に出てきている。

    イングランド銀行のベイリー総裁は5月24日、議会金融委員会への年次報告の中で、英国の消費者物価上昇率が3月は前年同月比プラス0.7%だったものの4月は倍以上の同1.5%へと急加速したことについて、経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復する中で物価上昇が予想されているものの「こうした一過性の要因が中期的にインフレに直接的な影響を及ぼすことは、ほとんどないと金融政策委員会はみている」「(インフレ期待は)しっかりと抑制されている」と述べた。

    <米テーパリング議論は後ずれ>

    米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は同日、講演終了後のやり取りの中で、インフレ率は「今後数カ月に一段と上昇することが予想されるが、こうした経済再開やボトルネックに関連した物価圧力は弱まると私は見込んでいる」「インフレ動向の非常に重要な部分は長期的なインフレ期待で、こうした期待は極めて安定した状況が続いている」とコメントした。

    このようなハト派色の濃いメッセージを欧米の中央銀行幹部が数多く発信しているため、比較対象の水準の低さというテクニカルな要因も寄与して上昇率が加速しやすくなっている消費者物価指数の新しいデータに対し、金利・為替マーケットが過敏に反応して大きく動く可能性は低下している。

    出てくる経済指標の数字が不安定に上下動している中、FRBによるテーパリング(量的緩和縮小)議論の正式開始時期は6月や8月よりも後ずれするだろうと、筆者はみている。そして、実際にテーパリングが開始されるのは早くても22年の4─6月期以降、利上げの開始は今年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)の「ドットチャート」が示していた通り、24年に入ってからだろう。

    FRBによる金融緩和は当面このままだろうという観測から、米10年物国債利回りは1.50─1.75%程度の狭いレンジ内にこのところ収まっており、秋以降の展開(特に物価動向)待ちとなっている。ドル/円相場は108円台を中心に推移しており、近年形成している100─110円程度のボックス圏内に、しっかり収まっている。

    <インフレ顕在化でドル安リスク拡大>

    では、頭の体操として、仮に上記のハト派的な予想が大きく外れてしまい、インフレ率加速が一時的ではなく持続的で、インフレ期待の発散的な上昇を防ぐには一刻の猶予も許されないと判断されるケースを考えてみよう。

    実際にそうなる可能性は筆者の見るところ極めて小さいのだが、金利・為替はどのように動くだろうか。

    FRBは「情勢急変に応じて政策方針を変更する」とアナウンスしつつ、市場に対する地ならしもそこそこに、最初の手を打ってくるだろう。テーパリングの議論開始・実施予告・開始・終了という手順を省き、いきなり利上げに動くことが十分あり得る。通常の金利変更幅である25ベーシスポイントよりも大きい、50─100ベーシスポイントの利上げが有力視される。

    その場合、「金利面で大幅に有利になったから、ドルは買い」ということになるだろうか。状況を静態的に捉えて日米金利差の拡大だけに注目すれば、セオリーとしてはそういう話になる。だが、筆者はそうは考えない。

    経済にもマーケットにもダイナミズムがある。急激な利上げ・市場金利上昇は、米国の景気腰折れに直結する可能性が高い。

    そもそも、消費者レベルの物価指標は景気サイクルの遅行指標である。そこに強い関心を寄せて、いわばバックミラーを見ながら金融政策を運営すると宣言した時点で、FRBは景気の動向に対して後手に回らざるを得なくなっていると言える。

    ここでもう1つ重要なのは、急激な金利上昇は株価急落につながる可能性が高いことである。景気の先行指標であり、企業・家計の景況感に深く関わり、政治の世界も注視している株価の非常に大幅な下落を、FRBは座視できないだろう。「スタグフレーションも警戒しながら、インフレ抑制を主眼に据えた連続的利上げ」というシナリオは、机上の議論ではあり得ても、現実問題としては極めて成り立ちにくいように思う。

    インフレ対応でFRBが急きょ利上げに動き、景気腰折れが濃厚になる場合、米国債のイールドカーブは逆イールドになると考えられる。その場合に為替市場がイールドカーブのどの部分で日米金利差を考えてどのように反応するかは難しい話だが、「ぬるま湯」的な金融緩和の時代は突然終わったと判断した金融市場は、全体として「リスクオフ」へと大きく傾斜する可能性が高い。そうした場合に買われやすいのは、ドル、円、スイスフランといった逃避通貨である。

    ドル/円相場について言えば、ドルと円のどちらか片方だけが大きく買い進まれる展開は想定しにくい。米国株急落でリスクテイク能力が低下したファンドなどから円売りを伴うキャリー取引的ポジションの解消が大量に持ち込まれて、円高が急速に進むケースも十分予想される。

    このように考えると、「インフレ懸念があるから、米長期金利は上昇含みでドルは買いだ」というような単純化し過ぎた見方に沿って売買を進めるのは、相当リスキーだという結論になる。

  • ドルの津波は止まらない-短期調達市場のゼロ金利、2022年まで継続も

    (ブルームバーグ): 短期調達市場にドル資金があふれる状態は、近い将来終わりそうにない。この津波を当局が止める行動を取らない限り、短期金利への下押し圧力は来年まで続くだろう。

    バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらはこのように予想し、余剰資金が行き着く先となった米連邦準備制度のリバースレポ(RRP)ファシリティーの利用がますます増えるとみている。翌日物RRP金利は現行ゼロだが、少なくとも金融機関側に負担がかかるマイナスではない。

    短期金融市場の他の部分ではマイナス圏入りが既に起きた。大量の資金によってレポ金利や米財務省短期証券利回りは低下し、時にゼロを下回っている。こうした状況を背景にRRPファシリティーの利用は26日に4500億ドル(約49兆1000億円)と、過去3番目の大きさになった。

    BofAのストラテジスト、マーク・カバナ、オリビア・リマ両氏は同日のオペの前のリポートで「米短期市場には現金があふれ、目先これが収まる兆候はない。米金融当局からの資金が引き続き、短期の金利をほぼゼロにとどめるだろう」と指摘した。

    ドルの短期資金は、米金融当局による資産購入や米財務省が連邦準備制度の政府預金口座(TGA)に預け入れている現金残高の圧縮によって増えている。残高圧縮の背景には、債務上限の適用停止措置の7月末失効予定や新型コロナウイルス禍対応の給付金の流れがある。連邦政府から州や自治体への景気対策資金提供も拍車を掛け、銀行預金からマネーマーケットファンドに向かう資金シフトも要因となっている。

    BofAのストラテジストは26日のリポートで、短期金利への持続的な下押し圧力を緩和するために当局が講じ得る選択肢を以下のように示した。

    原題:Tsunami of Cash Threatens to Pin Funding Rates at 0% Until 2022(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • アングル:ドル、主要通貨で最も低迷 FRBのハト派姿勢などで

    [ニューヨーク 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のハト派的な姿勢と米国外における経済成長の加速がドル相場を圧迫している。こうした動きは株式などの資産には追い風となる可能性がある。

    ドルは今年の高値から4%下落、今四半期はこれまでのところ主要通貨で最も低迷する通貨となっている。対照的にユーロは対ドルで4%上昇。ブラジルレアルは6%高、中国人民元は約3%上がった。

    先物市場ではドルは5週連続で売り越され、売り越し額は158億6000万ドルと3月上旬以降で最大となった。

    モルガン・スタンレー・ウエルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は「現在見えている光景の一部は、ドル離れという世界的ポートフォリオフロー調整の第1イニングの表だ」と述べた。

    ドルを圧迫している要因はいくつかある。投資家の間では、物価が大きく上昇したとしても債券の買い入れ規模は早期には縮小しないとFRBが表明していることがドルの魅力を低下させる決定打になっている、との見方がある。量的金融緩和はある意味ではドル紙幣の印刷に等しく、物価上昇はドルの購買力を弱める。

    アドバイザー・キャピタル・マネジメントのチャック・リーバーマンCIOは「誰もが見て見ぬふりをしているが、FRBがインフレへの対処で後手に回る懸念は高まっている」と語った。

    FRBがハト派的な姿勢を繰り返し表明する一方、ブラジルやロシア、トルコなど一部の国は政策金利を引き上げ、利回りを追求する投資家にとってこうした国の通貨は魅力が高まっている。

    米国では10年物国債利回りが今年のピークから約17ベーシスポイント(bp)低下した。

    米国の経済成長がピークを迎えるかもしれない一方、欧州など他の地域は景気回復が始まったばかりの局面にあることも、ドルが下げる要因になっているという。

    オックスフォード・エコノミクスの予測では、第1・四半期にマイナス成長となったユーロ圏の域内総生産(GDP)は年末にかけて伸びが加速し、第3・四半期は年率換算で9.2%成長になるとみられる。一方、米国の成長率は第2・四半期に13.3%でピークに達するとの見立てだ。

    モルガン・スタンレーのシャレット氏は、ドルの軟化によって最も恩恵を受けるのはユーロ、英ポンド、人民元になると考えている。

    ドルは世界で圧倒的な影響力があるため、ドル相場の変動は幅広い資産に波及することが多い。素材は価格がドル建てで設定され、ドルが下落した際に外国の投資家には割安となる。今年に入り高騰していた銅、石油などの原材料価格が下落に転じたのに伴い、S&P/ゴールドマン・サックス・コモディティー指数は最近のピークから約3%下落した。

    ドル安はまた、米国を本拠とする多国籍企業にとっても歓迎すべき動きとなる傾向がある。外国で稼ぎ出した利益をドルに転換する際に有利に働くからだ。

    ハイテク部門の企業は外国為替相場の変動によって最も影響を受ける業種の1つ。ラッセル1000指数の構成企業をビスポーク・インベストメント・グループが分析したところ、ハイテク企業は海外売上高比率が約54%となっている。ハイテクに次ぐのは素材の約48%だ。

    インフレ圧力によってFRBが金利に関する姿勢を緩めざるを得なくなるかもしれないとのシグナグが表れ、ドルの下落基調反転を後押しする可能性もある。

    4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、「多数の」FRB当局者が、継続する強い景気回復に基づき金融政策の変更を検討する用意があるように見受けられた。だが4月の低調な雇用統計が、当局者の見通しを悪化させたかもしれない。

    バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチのアナリストチームは「当社は、米国(経済)が過熱するシナリオについて懸念している。そうしたシナリオはインフレがFRBの許容範囲を大きく超える事態に結び付く可能性がある」と指摘。「当社の見解では、そうした事態は真に市場を動揺させる可能性があり、(ドルが)大きく上振れする結果につながり得る」と説明した。

    株価の下落もドルを押し上げる可能性がある。ドルは市場が混乱した局面で安全資産として買われるためだ。

    アムンディ・パイオニア・アセット・マネジメントの通貨戦略ディレクター兼ポートフォリオマネジャー、パレシュ・ウパディアヤ氏は、こうしたリスクから一部の投資家はさらなるドル安を見込む投資を手控えるかもしれないと考えている。

    それでも同氏は、世界的な経済成長の加速が豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルの対米ドル相場を押し上げ続けると見ており、「米ドルの基礎的条件は弱気のままだ」と話した。

    (Saqib Iqbal Ahmed記者)

  • なぜ世界で「ドル離れ」が進むのか?チラつく中国・ロシアの思惑とは…

     基軸通貨であるドルの国際的な地位が徐々に変化している。ドルの圧倒的な地位は当面、不変だが、世界の外貨準備におけるドルのシェアはじわじわと低下が進む。背景には構造的な要因があり、今後、通貨の多用化が進む可能性は否定できないだろう。

    ●外貨準備におけるドル比率が徐々に低下

     IMF(国際通貨基金)が2021年5月6日に公表したレポートによると、2020年における世界の外貨準備高に占めるドルの比率は59%と、過去25年間で最低になった。

     外貨準備とは政府や中央銀行が保有する外貨のことを指す。政府や中央銀行が一定量の外貨を保有していないと、経済危機などが発生した際に、輸入ができない、外国との短期資金の決済ができない、といった問題が生じる。外貨準備はこうした非常時に対応する資金なので、通常は信用度が極めて高い通貨、つまり基軸通貨が選択されることが多い。

     もっとも、輸出が旺盛で多額の貿易黒字を計上している国は、望むと望まざるとに関わらず、外貨準備が増える傾向にある。かつての日本や今の中国はその典型だが、工業製品の輸出で経済を成り立たせている国の場合、製品を売った代金は通常、基軸通貨のドルで支払われる。

     製造業が盛んな国は、原材料や部品を大量に輸入しているので、受け取ったドルの一部は輸入の代金決済に使われる。だが、多額の貿易黒字が存在する場合には、基本的に外貨は余り、メーカーはドルを日本円に換える必要に迫られる。最終的に余った外貨は中央銀行が引き取り、中央銀行には外貨が蓄積されていく。これが外貨準備が増大する要因の1つである。

     リスク管理としての外貨準備であれ、貿易黒字の結果としての外貨準備であれ、通貨はたいていの場合ドルになるので各国の通貨当局は、ドルを中心に外貨準備を保有してきた。今でもその傾向は変わらないが、2000年には70%に達していた世界の外貨準備に占めるドルの比率は年々低下が進んでおり、2020年においては59%まで下がっている。

     基本的に外貨準備の比率はドル換算で計算されるので、為替がドル安になれば、当然のことながらドルの比率は低下する。だが、各国の通貨に対するドルの為替レートを見ると、2000年前後はドル高だったものの、2010年までの間に20%以上ドル安になり、その後は再びドル高に戻っている。一方で、外貨準備の比率は恒常的に低下が続いているので、必ずしもドル安だけが比率低下の原因とは言えない。

     為替レートの動きに加え、徐々に各国がドル以外の通貨保有を増やした結果、ドルの比率が下がったと考えた方が自然である。

    ●どの国が一番ドルを手放している?ドル比率減少の要因

     ではドルを減らした各国の通貨当局はどの通貨の保有比率を上げているのだろうか。基本的にはドルに準じる通貨を持つケースが多く、過去4年間でユーロは19.1%から21.2%に、日本円は4.0%から6.0%に増加した。増加ペースが顕著なのはやはり人民元で1.1%から2.3%に倍増している。

     ドル離れが顕著なのは、ロシアやトルコなど米国との対立が顕著な国である。ロシアはウクライナ問題をきっかけに米国から制裁を受けており、金融市場の混乱が続いている。ロシア政府は米国債の保有を急ピッチで減らしており、一方で人民元の保有を増やしている。トルコも似たような状況だが、やはり米国債の保有を減らしている状況だ。

     まだ大きな動きではないものの、人民元の保有比率拡大は、一帯一路計画に象徴される中国の新興国支援が影響している可能性がある。中国の最終的な狙いは経済援助を通じて人民元経済圏を確立することであり、ゆっくりとしたペースではあるが、中国の国際戦略もドルのシェア低下の一因となっている。

     しかしながら、直近におけるドル比率の低下は、地政学的な要因というよりも、インフレによるドル安懸念という側面が大きい。


     米国はバイデン政権の成立後、矢継ぎ早に巨額の財政出動を決定しており、経済の急回復が期待される一方、景気過熱によるインフレや、国債の大量発行を原因としたドルの価値毀損が懸念されている。

     このところ米国株の上昇が著しかったのは、ワクチン接種の進展による景気回復を期待した動きだが、同時にインフレ懸念という側面があることは否定できない。国債などの形でドル資産を保有していると、今後、ドル安が進行して価値が毀損するリスクがあるため、一部の国は別の通貨への切り換えを進めている可能性がある。

     ドル安のリスクがあると言っても、コロナ対策で巨額の財政出動を行っているのはどの国も同じである。米国ほどではないがEU(欧州連合)も巨額の財政出動を決めているし、日本は以前から財政難という状況であり、常に通貨価値の毀損リスクを抱えている。ドル安が懸念されているからといって、安易にユーロや日本円という選択肢にはなりにくいだろう。

     人民元については中国の高成長が続いていることから財政リスクは低いものの、国際的な通貨としては信用が足りないため、一部の国を除いて人民元を大量保有するという選択肢はない。結局のところ、どの通貨であれ同じインフレ・リスクが存在するのだとすると、保有が増える可能性があるのは金などの代替資産だろう。実際、中央銀行が保有する金の額は増加傾向となっている。

    ●長期的にドルのシェアは大きく低下する?その理由とは

     整理すると、外貨準備の構成比率を積極的に変える方針を表明しているのはロシアなど、民主国家ではない国が中心であり、近年のドル離れという現象も、米中経済のデカップリング(分離)の一形態と見なすことができる。だが、中国経済はしばらくの間、高成長を続ける可能性が高く、多くの調査機関が2030年頃に米中のGDP(国内総生産)が逆転すると予想している。

     経済規模と基軸通貨が必ずしも同じタイミングで連動しないことは、米国の台頭後も、しばらくの間、英ポンドが基軸通貨であり続けた戦前の歴史を見れば明らかである。だが中長期的には経済覇権を握った国の通貨は、基軸通貨としての性格を帯びる可能性が高く、今の時代にあてはめれば、それに相当するのは人民元ということになる。

     通貨の動きは極めてスローペースであり、実体経済よりも何歩も遅れて進展するので、今すぐにドルのシェアが急低下したり、人民元のシェアが拡大するとは考えにくい。だが世界経済におけるトップ交代が目の前に迫っているという現実を考えた場合、長期的にはドルのシェアが大きく下がる可能性は十分にある。

     米国や日本では中国を敵視する論調が強まっているが、米中対立が激化すればするほど中国のドル離れは進む。政治的にもドルの比率低下を促す環境が出来上がっていると考えた方が良い。

    ●仮想通貨が基軸通貨ドルに与える影響

     さらに言えば、ビットコインに代表されるような仮想通貨(暗号資産)の台頭という別の要因もある。IMFは昨年、ビットコインやディエム(旧リブラ)など民間通貨によるデジタル通貨圏が出現する可能性があり、場合によっては「ドル基軸体制が崩れる可能性がある」とする報告書を取りまとめている。

     このところビットコイン価格が再び上昇しているが、背景となっているのは機関投資家による積極的な買いである。機関投資家や資産家はシビアなので、精神論やベキ論、感情論では絶対に動かない。巨額の資産のごく一部とはいえ、機関投資家がビットコインの購入をスタートさせたということは、彼らが仮想通貨を代替資産の一つとして認識し始めたことを示唆している。

     直接的には大型財政出動によるドル安懸念という動きだが、徐々に進み始めたドルの比率低下は、ドルが基軸通貨としての地位を失っていく長大なプロセスの始まりかもしれない。

     ドルの国際的な地位の低下が顕著になった場合、最大の影響を受けるのはドル経済圏と一体化している日本であることは言うまでもない。少なくとも、ドルが基軸通貨としての地位を半永久的に維持するという戦後の大前提は、そろそろ捨て去った方が良いかもしれない。

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    経済評論家 加谷珪一

  • ドル振り出しに戻る、米雇用統計が追い打ち-年初来の上昇基調に変調

    (ブルームバーグ): ドルが今年初めの水準に戻った。

    7日発表された4月の米雇用統計が市場予想より悪い内容となり、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は低下。今年に入ってからの上昇基調からは確実な変調が見られ、年初来でほぼ横ばいとなった。同日は単日として5カ月ぶりの大幅な下げとなり、ドルは今や2018年2月以来の安値に向かうリスクがある。

    今年初めのドルの一時的な上昇は、米国債利回り低下や米国以外の国・地域の経済に対するセンチメント改善、米金融当局のハト派的な姿勢によって消失しており、今回の雇用統計がドルに追い打ちをかけた。ドル指数は昨年3月に付けた最高値からは約14%下落。JPモルガン・アセット・マネジメントなどは世界経済の回復につれドルがさらに値下がりすると予想する。

    ウニクレディトのストラテジスト、ロベルト・ミアリッチ氏は7日付のリポートで「世界の経済情勢やリスク許容度がさらに改善する限り、ドルは安全な逃避先としての魅力が薄れ、一段と下げると予想される」と指摘した。

    原題:Dollar Back to Where It Began the Year as Rally Burns Out(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  •  海外市場でドル円は、米経済指標が予想より強い内容となったことを受けて、円売り・ドル買いが先行し一時109.40円付近まで値を上げた。ただし、米10年債利回りが1.55%台まで低下したことが相場の重しとなり、一時109.00円と日通し安値を更新した。

     ユーロドルは、米長期金利の低下に伴うドル売りも出て、一時1.2072ドルと日通し高値を付けた。

     本日の東京時間のドル円は109円前半から108円後半でのもみ合いとなるか。米雇用統計が発表されることもあり、本日は指標発表までは多少のポジション調整や、ニュースで上下することあるだろうが、大きなトレンドを作るのは難しいと思われる。

     ダウ平均が史上最高値を更新するなど本来ならばクロス円の買いに連れて、ドル円も上値を切り上げる展開が予想される。しかしながら、4日に109.49円、5日に109.48円、昨日6日アジア時間に109.43円、昨日NY時間は109.40円と上値トライを幾度となく失敗していることで、雇用統計前のアジア市場が上値を敢えてトライするのは難しいと思われる。なお、昨日CME225先物は大阪取引所比55円高で引けている。

     東京時間は上述のようにドル円相場が動意づくのは難しく、欧米市場も雇用統計次第にはなるだろうが、週末を控えて市場を動かす様々な要因には目を向けておきたい。ファンダメンタルズを見ると、米国ではウイルスワクチンの普及で、感染状況が大きく変化している。ロサンゼルス郡(カウンティ)では、今週に入り2日間連続して新型コロナウイルスでの死者が観測されなかった。すでに成人の56%以上が1回目のワクチンを接種し、完全にワクチン接種が終了した成人も30%を超えている。一方日本では緊急事態宣言を対象地域も拡大し、期間も延長し、ワクチンの普及は滞ったままのこともあり、ファンダメンタルズでの円売りが今後も続く可能性が高い。その一方で世界的な地政学リスク再燃がくすぶっていることで、円が逃避先として買われることもあることには警戒しておきたい。

     欧州通貨は引き続き神経質な値動きになりそうだ。米雇用統計も欧州通貨を動意づけるだろうが、本日はラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁やブロードベント・イングランド銀行(BOE)副総裁、ホールデン英金融政策委員会(MPC)委員などの講演も行われる。特にBOEの両者の発言には注目したい。昨日のMPCの結果に対して更に深く言及する可能性があり、ポンドの動きがボラタイルになりそうだ。また、昨日行われたスコットランド議会選挙が明日には結果が判明することもあり、週明けに向けてポンドのポジション調整が激しくなる可能性もあるだろう。週明けのポンドは窓を開けて始まる可能性もあり要警戒となる。

     また、格付け会社ムーディーズが本日南ア債の格付け見直し結果を発表する。通常はNY引け間際で発表されることが多いことで、週明けのランド市場にも注意したい。なお、ムーディーズはすでに昨年南ア債をジャンク級に引き下げ、見通しもネガティブにしている。

  •  海外市場でドル円は、4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が74.2万人増と予想の80.0万人増を下回ったことが相場の重しとなり、22時30分過ぎに一時109.15円と日通し安値を付けた。
     ユーロドルは、ユーロポンドの下落につれたユーロ売り・ドル買いが出たが、相場は方向感がないなかで小幅に続落した。

     本日の東京時間のドル円は、日本と中国が連休明けとなる中で、実需勢の動きを確かめながら方向感が出にくい動きとなるか。先週末、東京勢が引けた水準は108円後半だったことで、30日の欧米から東京休場の間はドル高・円安に傾いている。通常であれば水準的に輸出勢が売りから入ることが想像できるが、どの程度下押しするかを見定める必要がある。

     特に本日には4都府県の緊急事態宣言の延長の有無が発表される予定であり、実需の売りにもかかわらず下げ幅が限られるようなことになれば、ワクチン普及で完全に後れを取っている日本(円)売りに相場が傾くこともありそうだ。緊急事態宣言については、延長幅が2週間から1カ月との話が出ていることで、その期間により為替市場も動く可能性があるだろう。特に本邦よりも海外勢の方が日本の対応および先行きに対してネガティブに捉えていることもあり、日本人が思っている以上に市場が反応するかもしれない。

     ドル円以外では本日は英国(ポンド)デーともいえそうだ。英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)後に政策金利などを発表する。政策金利の据え置きや、資産買取プログラムの8950億ポンドでの据え置きが市場予想となっている。しかしながら、今年の成長見通しを上方修正するのではないかと予想する声が多くなっている。議事要旨の詳細を含めポンドの動きが注目される。

     また、本日は英スコットランドの議会選が始まる。新型コロナウイルスに対する規制もあり、結果の確定は8日までずれ込むとされているが、様々な憶測がポンドを上下させることになるだろう。週末の英タイムズ紙は改選議席129議席のうち、スコットランド民族党(SNP)は2議席増やし、65議席を獲得するとの結果も出ているが、各調査会社によりばらつきがあることで予断を許さない。また、週末の英テレグラフ紙はSNPが55%以上の得票を獲得すればポンドは1-1.5%下落し、SNPが45%以下の得票となった場合はポンドが1%上昇するとの予測も出ている。

     市場全体にいえることは、昨日から今日までの間だけでも世界情勢が大きく動いていることには目を向けておきたい。欧州連合(EU)は昨日、国から補助金を受けている外国籍企業の規制強化を発表した。中国政府を具体的には名指しはしていないものの、この規制が中国向けということは明らかなことで、バイデン政権樹立後は欧州も米国と歩調を合わせることを示したかたちだ。また、イスラエルでは第1党リクードのネタニヤフ首相による組閣の見通しが立たなかったため、野党が政権樹立に動くことになったことで、中東情勢にも要注意となる。なお、バイデン米大統領がワクチンの特許権廃止を求める行動をとっているが、実際に廃止になるには時間を要することで、市場への影響はまだ先になりそうだ。

  •  海外市場でドル円は、4月米ISM製造業景気指数が60.7と予想の65.0より弱い内容となったことを受けて米長期金利の低下とともに、アジア時間の安値109.19円を下抜けて一時108.90円まで値を下げた。
     ユーロドルは、欧州時間に伝わったデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の「新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済が加速すれば、ECBは緊急緩和措置の段階的解除に着手できる」との発言を受けてユーロ買い・ドル売りが先行。低調な米経済指標が相次ぎ、米長期金利が低下したこともドル売りを促し一時1.2076ドルと日通し高値を更新した。

     本日のアジア時間のドル円はもみ合いに終始するか。昨日のアジア時間では、ドル円は緩やかながらほぼ一本調子でドル買いが進行した。しかしながら、一夜明けると昨日の早朝につけた水準にほぼ戻したこともあり、仕切り直しの展開となっている。引き続き日本と中国の両市場が休場なことを考えると、本日は上値を攻めるのも、下押しをトライするのも難しいのではないかと思われる。

     もみ合いを予想するが、アジア時間で円が動意づく要素としては、引き続きウイルスの進行状況が一つと言える。国内での感染の勢いが弱まらないばかりか、ワクチンの普及率は経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国で最低となっていることで、海外勢は日本の経済回復に対してより悲観的になっている。市場が再びワクチン相場に戻りやすい状況下で、ウイルスの進行が加速し、緊急事態宣言の延長が決定されることになった場合は円売り圧力が強まりそうだ。

     ただし、昨日の米債(金利)の動きを見ていると、今週末に発表される米雇用統計までは米債は調整局面に入り、大きく金利が上昇するのは難しく、金利上昇が抑制される場合はドル円の上値も抑えられそうだ。なお、NY入り後には、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーでもあるデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されている。

     ドル円以外ではアジア時間では豪ドルの動きが注目される。アジア時間午前には3月豪貿易収支、午後には豪準備銀行(RBA)が政策金利を発表する。RBAは据え置きが市場予想となっているが、注目されるのは声明文の内容になる。先週発表された1-3月期消費者物価指数(CPI)は前期比で+0.6%(予想+0.9%)、前年比で+1.1%(予想+1.4%)となり、市場予想を大きく下回る結果となった。市場では企業活動は強まり、雇用は回復しているが、賃金の上昇が緩やかなことと、今回のCPIの伸びが低かったことで政策金利を2024年頃まで現行水準で維持するという予測が広まっている。RBAの声明文次第で豪ドルは神経質な値動きになりそうだ。特に、本日早朝にロバートソン・ニュージーランド(NZ)財務相が「経済回復はすべての予測よりも上回っている」と発言していることで、RBA声明文が悲観的な経済予測を立てた場合は豪ドル/NZドルの値動きが激しくなりそうだ。

     欧州通貨は、6日にスコットランド議会選挙が予定されていることで、欧州入り後はポンドを中心に神経質な値動きになるだろう。週末の英「サンデー・テレグラフ」紙ではスコットランド国民党(SNP)が55%以上の票を獲得した場合は、ポンドは1-1.5%程度下落するとの予測を立てている。英国ではイングランド銀行(BOE)が今週、GDPの予測引き上げを発表するとの話が出ているが、スコットランドの選挙までは予断が許さない状況が続きそうだ。

  •  海外市場でドル円は、月末を迎えたロンドンのフィキシングに絡んだドル買いのフローが入ると109.37円まで上値を伸ばした。

     ユーロドルは、独・ユーロ圏の1−3月期GDP速報値が予想より弱い内容となったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時1.2017ドルと日通し安値を更新した。

     本日のアジア時間のドル円は堅調地合いを維持するものの、値動きは限られたものになるか。本日は日本が憲法記念日で祝日なだけでなく、中国(メーデー)と英国(アーリーメイバンクホリデー)も祝日休場となっている。米国時間には4月米ISM製造業景気指数やパウエルFRB議長の講演などもあることで市場が動意づくだろうが、日中両市場が休場のアジア時間は大きな値動きは期待できない。ただし、先週末にドル円は110.97円から107.48円までの下落幅の半値戻しと、日足一目均衡表・基準線が重なる109.23円を超えたことで、上値をトライしていくステージがあるかもしれない。
     
     アジア時間では市場を動かすような経済指標やイベントがほぼないことで、市場の注目は引き続き変異株を中心としたウイルスの進展が注目される。週末に豪政府は自国民を含めインドに滞在していた人の入国を中断し、これに違反した場合は最大で5年の懲役という厳しい措置を発表している。一方、日本国内では海外からの入管が依然としてザルなこともあり、変異株の蔓延が懸念され、早くも緊急事態宣言の延長が囁かれている。ウイルス変異株の対応同様に国内よりも、海外の方が日本の状況にセンシティブに動くことが高いことで、再びワクチン相場になり、負け国の日本(円)売りに相場が戻る可能性もありそうだ。
     
     なお、1日のインドでのウイルス新規感染者は40万1993件となり、世界の中でこれまで観測されていた最大の感染件数となった。また、2日に行われたインド・西ベンガル州の選挙で、モディ首相が率いる与党が敗北したことで、モディ政権が窮地に立たされているという報道も流れている。市場はインド・リスクも意識した動きになるかもしれない。

     ドル円以外では、今週はポンドの動きに注目したい。週末の英「サンデー・タイムズ」紙の世論調査では6日のスコットランド総選挙で、スタージョン氏が率いるスコットランド国民党(SNP)がわずか1議席差の65議席(総議席129席)で過半数を獲得するとの調査結果を発表している。ジョンソン英首相には首相官邸改装費の献金疑惑がかけられているものの、ウイルス・ワクチン普及で与党・保守党は追い風が吹いている。しかし、今回の選挙次第で今後の英国の分裂の可能性も否定できなくなるかもしれない。なお、30日にスタージョンは「現時点で(スコットランドの独立を問う)国民投票を要求するべきではないと思う」と発言したものの、「サンデー・タイムズ」紙にSNP議員は匿名で、「次のスコットランド政権で国民投票を行わなければ、独立の話が全くなくなるかもしれない」と、国民投票を行うことを訴えている。

  • 110円到達の確率を一気に上げる だた、来週も続くかは未知数

     今週のドル円は買い戻しを強め、109円台まで買い戻された。FOMCや米GDP速報値、そして、米企業決算がピークを迎えるなどイベント目白押しの週だった。しかし、イベントに反応したと言うよりも、月末要因が大きかった可能性もありそうだ。

     欧米の大手銀の予想によると、4月末のリバランスはドル売りとの見方の一方で、円については円売りとの見方が出ていた。その見方を裏付けるようにドル円は107円台に入ると押し目買いが活発に見られ下値が次第に堅くなっていた。それを見て短期のショート勢の巻き返しが活発に出たのかもしれない。

     イベントとしてはFOMCだが、大方の予想通りにパウエルFRB議長はこれまで通りの慎重姿勢を強調していた。ただ市場では、回復に伴うインフレ期待の上昇から、早期出口戦略着手への期待は根強い。一方、日銀決定会合もあったが、日銀は2023年4月の黒田総裁の任期満了までに2%目標に届かない見通しを示していた。米欧は一時的だが大幅な物価上昇を見込んでいるのとは対照的に、日銀の利上げ開始は全く見込めない状況。将来の金利差拡大観測も円売りを誘発していたのかもしれない。

     確率は先週から一転、上向きの可能性を高めている。106円と110円に着目すると、5月末までに110円に一度でも到達する確率は前週の26.3%から68.6%に急上昇。一方、106円の確率は前週の32.3%から5.1%に急低下している。110円到達の確率を一気に上げた格好。

     来週から5月相場に入るが、今週の流れを踏襲し、1-3月にみられた相場展開に再び戻るのか注目される。ただ、ユーロドルやポンドドルの動きを見ると、市場がドルを積極的に買い戻している印象もなく、ドル円が110円を目指す展開になるかは未知数の部分も多い。

     来週は週末に米雇用統計が発表になり、かなり強い内容を見込む声も出ているようだ。非農業部門雇用者数(NFP)の予想は現段階で95万人増だが、100万人を大きく超える増加になるとの見方も出ている模様。しかし、こちらも反応は未知数。むしろ、リスク選好のドル売りを誘発する可能性も留意される。

    ◆来週以降5月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率
    ()は先週末
    112円:11.8%( 3.2%)
    111円:32.3%(10.2%)
    110円:68.6%(26.3%)
    109.31円(週末終値)
    107円:17.6%(64.6%)
    106円: 5.1%(32.3%)
    105円: 1.1%(12.8%)

    ◆来週以降6月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
    ()は先週末
    113円:15.3%( 5.7%)
    112円:29.4%(12.3%)
    111円:50.7%(23.9%)
    110円:78.6%(42.1%)
    109.31円(週末終値)
    106円:20.0%(48.6%)
    105円: 9.3%(28.2%)
    104円: 3.7%(14.4%)

    ※ドル円のオプション取引から算出

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

  • 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、円の投機的な先物ポジション(非商業部門)が、4月20日時点で差引き-5万9819枚のネット・ショートになった。

    前週の-5万8312枚のネット・ショートから、2週連続で売り持ちが増加(円売り)。3月16日週からは、昨年3月3日週以来のネット円ショート転換となっている。円のショート幅は年初来の最高を更新し、2019年5月14日週の-6万1580枚以来の高水準となっている。

    今後は円ロング解消と円ショートへの転換、円ショートの急膨張による過熱感をを受けて、円ショート取り崩しの円買い戻しが優勢になるか。
    あるいは円ロング取り崩しとネット円ショート転換への勢いのまま、ポジション調整を経ながらも円の戻り売りと一段の円ショート積み上げが優勢になるか。その両シナリオを見極める展開となっている。

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