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NY市場サマリー(29日)ダウ・S&P最高値、ドル下落、利回り上昇
12/30(木) 8:58配信

[29日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、年末の薄商いの中、ドルが下落した。投資家は新型コロナウイルスのオミクロン株流行後を見据えてリスク選好度を高めており、安全資産とされる円も1カ月ぶり安値を付けた。

ドル指数は0.206%安の95.932。

年末に向けて多くのトレーダーが休暇を取っていることから、アナリストらはこの動きを深読みしないよう注意を喚起している。ジェフリーズのFXグローバルヘッド、ブラッド・ベクテル氏は「この時期には短期筋が年末の最後の利益確定をしようとするため、非常にテクニカルな取引になる」と述べた。

豪ドル、ニュージーランド(NZ)ドル、カナダドルなど、リスクに敏感な通貨は上昇した。

豪ドルは0.35%高の0.72515米ドル、NZドルは0.28%高の0.6823米ドル、カナダドルは0.16%高の1米ドル=1.2794カナダドル。

<債券> 米金融・債券市場は、国債利回りが上昇。低調な結果に終わった7年債入札に反応した。新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染が拡大しているものの、投資家のリスク志向には陰りは見られない。

560億ドルの7年債入札は、最高落札利回りが1.48%と、入札前(WI)取引の水準を約2ベーシスポイント(bp)上回った。

アクション・エコノミクスのグローバルフィクストインカム分析マネジングディレクター、キム・ルパート氏は7年債入札について「応札はさえず、今週実施された3件の入札全てが軟調だった」と述べた。

クリスマスと年始年末のホリデーをはさみ、流動性が低い状況となっていることが要因のもよう。27、28日にはそれぞれ560億ドルの2年債入札、570億ドルの5年債入札が行われた。

終盤の取引で、既発の7年債利回りは1.472%と、9日以来の水準に上昇した。

<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終え、ダウ工業株30種とS&P総合500種が終値での最高値を更新した。新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡る懸念が和らぎ、薬局チェーン大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスやスポーツ用品大手ナイキなど小売株が買われた。

ダウは6営業日続伸。今年3月5日─15日の7営業日続伸以来の連騰記録となった。

ウォルグリーンやナイキは、今年の米年末商戦が好調だったことを示す最近の報告を手掛かりに上昇した。

米商務省が29日公表した11月の財(モノ)の貿易収支は、消費財の輸入増加を背景に赤字額が過去最大に達した。

インフラストラクチャー・キャピタル・マネジメントの創業者、ジェイ・ハトフィールド最高経営責任者(CEO)は「オミクロン株は感染力が強いため、より急速に勢いを失うが、医療体制を逼迫させる可能性は比較的低く、市場はオミクロン株が奇妙なことに良いニュースだと気付き始めている」と述べた。ただ、少なくとも向こう1カ月はオミクロン株が逆風になるだろうと指摘した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、反落。投資家のリスク選好姿勢を受けて、安全資産とされる金塊の売りが優勢だった。

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する一方で、重症化リスクは低く、経済に与える影響は限定的との見方が広まっている。投資家のリスク回避姿勢の後退を受けて、安全資産とされる金塊は、朝方に1789.10ドルまで売られた。ただ、安値圏では押し目買いが入ったほか、外国為替市場でのドルの対ユーロでの下落もドル建て商品としての割安感からの買いを後押しし、下げ幅を縮小する動きとなった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油・石油製品在庫の減少や対ユーロでのドル安を背景に、6営業日続伸した。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した米原油在庫は、24日までの1週間に360万バレル減少と、市場予想(ロイター調べ)の310万バレルをやや上回る取り崩しとなった。これで5週連続のマイナス。また、石油製品在庫はガソリンが50万バレル増の予想に対して150万バレル減、ディスティレート(留出油)が20万バレル増の予想に対して170万バレル減となった。この結果を受けて需給引き締まり観測が強まり、買いが優勢となった。

外国為替市場ではドルがユーロに対して軟化し、ドル建て商品である原油の割安感につながったことも相場の支援材料。

ただ、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大への懸念は根強く、上値は重かった。