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日本市場 全般の掲示板

  楽天証券経済研究所の愛宕伸康チーフエコノミストは、植田総裁が中立金利に改めて言及したことは重要なメッセージだと指摘する。短期の中立金利は保守的に見て1%もしくは1%を上回る程度とし、仮に次の利上げが9月とすれば、「半年ごとに0.25%ずつ引き上げていけば、26年3月には1%になり、植田総裁の発言のイメージに合う」とみている。

  そのペースでも、これまでの日銀の発信や市場の想定よりも「タカ派だろう」という。市場メカニズムがきちんと働く債券市場に戻すには、長期金利を2%程度に引き上げていく必要があるとし、そこにゆっくりと近づくように、日銀は経済・物価情勢を見ながら中立金利に向けて政策金利を引き上げていくとみる。

  ブルームバーグが4月会合前に行ったエコノミスト調査では、日本の中立金利水準の中央値は1.13%。市場が低めの中立金利を想定する中、半年に1回程度の利上げペースは整合的だが、日銀がもっと高い中立金利を見込んでいる可能性もある。日銀が16年に実施した総括的な検証では、自然利子率について「おおむね0%程度で推移している可能性が高い」と分析。目標実現時の中立金利は2%前後になる計算だ。

  植田総裁は4月会合後の会見で、中立金利について「かなりの不確実性がある」との認識を改めて示しつつ、「まだ狭い範囲に絞ることができておらず、なるべく早い期間にもう少し絞る作業を続けたい」と語った。今後、日銀としての分析をどのように示すかが注目される。