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NY為替市場
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NY為替市場の掲示板

パウエル会見を受けてリスク回避のドル買い強まる=NY為替概況
今日の為替 2022/01/27(木) 06:56

 きょうのNY為替市場、終盤に入ってドル買いが強まった。午後になってFOMCの結果が発表され、3月の利上げ開始や早期のバランスシート縮小の可能性を示唆した。しかし、一部が想定していたほどはタカ派ではなかったとの印象だったが、その後のパウエル議長の会見を受けて、米株が失速し、米国債利回りが上昇したことで、リスク回避のドル買いが強まっている格好。

 議長はバランスシート縮小に関して、積極的な姿勢を示すなど、想定よりはタカ派な印象が広がったようだ。大幅利上げに関しても「金利変更の幅についてはまだ決定していない」と完全には否定しなかった。ただ、バランスシート縮小は再投資額の調整通じて行うとしている。

 ドル円は114.70円近辺まで上昇。本日の21日線が114.80円付近に来ており、目先の上値メドとして意識される。

 ユーロドルは売りが優勢となり、1.12ドル台前半まで下落。12月下旬から1月初めにサポートされた水準をブレイクしている。目先は12月安値の1.1220付近が下値サポートとして意識される。

 市場からは、ウクライナの緊張をめぐる懸念は、本日のFOMCの結果発表後にドルが下落したとしても、ユーロドルの上昇は一時的になる可能性が高いとの見方も出ている。今後予定されているロシアへの制裁措置がEUとロシアの関係、特に天然ガスに与える影響は、ユーロの短期的な見通しにとって重要なポイントとなるという。これらの影響が明らかになるまでユーロは、ウクライナ情勢の緊張を感じ続けることから、FOMC後のドル売りはユーロドルを大きく持ち上げるには不十分だという。

 ポンドドルも1.34ドル台半ばに下落。ジョンソン首相のスキャンダルで政治リスクはあるものの、いまのところポンド相場は静観姿勢を決め込んでいるようだ。首相への辞任要求が多方面から出ているが、ジョンソン首相は対抗する方針を示している。

 市場では英中銀の利上げ期待が高まっており、来月の英中銀金融政策委員会(MPC)での利上げを織り込む動きも出ている。一部からは、英中銀は追加利上げを継続し、2023年下期には政策金利を1.5%まで上昇させる可能性が高いとの声も出ている。英中銀は、インフレ期待や賃金に与える影響を抑えようとしているという。通常以上の賃金上昇を示唆する証拠と、これまでの異例の金融緩和が、利上げ継続を正当化する理由の多くを提供するはずだという。2月、5月、そして、下期に1回、2023年にさらに2回の利上げを実施すると見ているようだ。

 きょうはカナダ中銀が金融政策を発表し、政策を据え置いたが、これを受けてカナダドルは下落の反応を見せた。政策金利はエコノミストの予想通りに据え置きとなったが、市場では0.25%の利上げで70%織り込む動きを見せていた。市場にとっては期待外れだったようで、カナダドルは売りで反応した模様。しかし、その後にマクレム・カナダ中銀総裁が「インフレを管理するために利上げが必要。カナダ国民は利上げを予想すべき」などと述べていた。市場では4月の利上げを期待しているが、次回3月の利上げとの声も高まっている模様。カナダ円はカナダ中銀の政策発表を受けて、90.50円付近まで下落していたが、90.80円近辺まで戻す動き。ただ、パウエル議長の会見を受けて90円台前半に再び戻している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美