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イオンモール(株)【8905】の掲示板 2020/03/17〜2020/07/08

賃料減免、REITに影
ホテル系最大手、分配金98%減 商業施設に波及も
2020/5/17 日本経済新聞 朝刊


新型コロナウイルスの影響で、家賃の減免交渉に乗り出す企業や個人が増えている。不動産を保有して賃料などの収入を投資家に分配する不動産投資信託(REIT)では、ホテル系の最大手で実際に免除に応じる例が出てきた。減免の動きは商業施設などにも広がりかねない。テナントが賃料を払えない場合にどう負担を分け合うのか、不動産業界が直面する問題の前触れとなっている。

先週の東京市場では、ホテル系REIT最大手インヴィンシブル投資法人の投資口価格(株価に相当)が24%下落した。2020年6月期の1口あたり分配金の予想を30円としたためだ。19年12月期の1725円に比べ98%減る。


分配金減額の理由は、ホテル運営会社マイステイズ・ホテル・マネジメント(東京・港)の支援にある。マイステイズはインヴィンシブルが国内で保有する83ホテルのうち73を運営し、同REITに賃料を払っている。新型コロナの影響で宿泊客が減り、賃料を払えなくなった。

宿泊需要「蒸発」

両社の交渉の結果、賃貸契約を変更し、3~6月分の固定賃料を免除する。さらに、同REITが建物の管理費なども支援する。同REITの収入は急減し、投資家への分配金を減らさざるを得なくなった。

インヴィンシブルは19年末にホテルの資産額がREITで最大の約4300億円になった。資産拡大に伴い、分配金は6年間で7倍弱に増加。投資口価格も3倍強と比較可能な銘柄でトップだ。

運営に不透明さ

フォートレスは2社を一体運営し、これまではインヴィンシブルの拡大を重視し、投資家も恩恵を受けてきた。今回はマイステイズの経営支援を優先し投資家の負担が増える。フォートレス側もマイステイズに13億円を追加出資する。ただ、ある地銀の運用担当者は「マイステイズの財務状況は非上場のため見えにくく、REITの投資家は負担が合理的か判断が難しい。フォートレスがもっと身銭を切ってもいいのではないか」と話す。

REITと主要な施設運営会社が同グループという関係は、ホテル系や商業施設系に多い。同様の対応が広がれば「構造問題が意識され、近寄りがたい投資商品とみなされかねない」(アイビー総研の関大介氏)。

不動産証券化協会(ARES)によると、上場REITの約60銘柄が保有する不動産の総額は2月末時点で約19兆円。家賃収入(不動産賃貸事業収益)は19年度の1年間で約1兆1千億円ある。

イオンモールやイオンリテールは4月、運営するショッピングセンター(SC)に出店するテナントの賃料減免を発表した。SCを保有するのがイオンリート投資法人だ。商業施設系では同様の減免が多く出て、REITや投資家側にも負担が及ぶ可能性がある。

小売りなどテナントが稼いだ収益の一部が家賃として家主や投資家の利益になってきた。新型コロナで経済が収縮した今、損失の分担を巡って議論が活発になりそうだ