野村ホールディングス(株)【8604】の掲示板 2024/04/22〜2024/04/30

湯船の角に首まで浸かり、頭に手ぬぐい、いつものスタイルだ、この男はこの辺りでは最後の漁師、背丈は五尺少々、短い太いふととも、長く太い両腕、全身に無駄がない、熱湯と水風呂を繰り返す、心肺機能も問題なさそうだ。赤黒い地肌はまさに類人猿。右手を上げてが挨拶。
今年は熊とったか
「ここ何年も熊は獲らん」どうして「金にならんから、熊とっても肉も皮も誰も買ってくれん。」
今は夏から秋まで山の番人
この男、80歳を撃ちにいく時は一人、売り金を一人で取れるから。
山で熊を獲ったら100キロ以上もあるものどうして持ち帰る？
「熊はその場で腹を割っていらないものは捨てる、たぬきや鳥が始末する」
誠に理にかなった術。熊の胆は伊予柑ほどの大きさがあるが、囲炉裏でいぶすと人差し指の先程の大きさにな。獲った熊は両腕を頭の上で縛り、毛の流れに沿って雪に滑らせ、腰にロープを結んで山を降りるのである。
昨年、山菜採りに訪れた際、小山前の石垣に連れていかれ、マムシを見せられた、
「欲しいか、欲しいなら持って帰れ」
要らない、どうするのかと尋ねると
「マムシは大人しいからここに秋までおいて太らせて焼酎につける」
湯仲間の友人ながら獲物をえぐるような鈍い目はたまに見てもゾクッとする。
色んな人間がいて飽きの来ないわが町の温泉。機会があれば来てください。