(株)北洋銀行【8524】の掲示板 〜2020/08/06

　北海道が地盤の北洋銀行は17日、2009年に国から受け入れた公的資金1000億円を14年３月から１年以内で完済すると発表した。08年秋のリーマン・ショック後に資本注入を受けた銀行が公的資金を完済するのは初めて。株高や倒産減に伴い、財務基盤が回復した銀行の間で返済の動きが広がりそうだ。

　北洋銀は今年７月にまず300億円を返済しており、残りの700億円を15年３月までに返す。保有する国内の株式投信や不動産投資信託（ＲＥＩＴ）を今年11～12月に売却して701億円の利益を計上し、返済に充てる。

　18年３月期までの完済をめざしていたが、市況の好転で売却益を計上できたため、完済の時期を大幅に前倒しする。公的資金を返しても、財務基盤の強さの尺度である自己資本比率は10％以上を確保する見通しという。

　金融機能強化法は金融機関による貸し渋りを防ぐため、経営危機前に予防的に資本注入できるよう定めた法律。リーマン後への対応では11の銀行と信用組合、東日本大震災への対応では13の銀行と信用金庫・信用組合に注入した。注入額は総額5910億円で、１金融機関では北洋銀の1000億円が最大だった。

　財務の健全化に伴う貸出余力の増加に加え、足元の株高で金融機関の財務はさらに余裕が増している。北洋銀以外でも返済を前倒しするところが増えそうだ。