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丸紅(株)【8002】の掲示板 〜2015/04/28

競争激しく料金低下も
2014/1/10 2:07日本経済新聞 電子版

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 丸紅は2016年までに首都圏で5カ所の火力発電所を動かす。発電能力は現在の10倍の60万キロワットに増え、新電力(特定規模電気事業者)で最大規模になる。建設などにかかる総事業費は1500億円。他社からの調達分を含めた販売量は約170万世帯分と3倍になる。電力小売りが家庭向けを含めて全面自由化されるのをにらみ、最大市場の首都圏では他地域の電力会社や異業種大手の参入が相次ぐ。今後各社の能力増強で競争が激化、電気料金の低下にもつながりそうだ。

 丸紅は新電力2位のF―Power(エフパワー、東京・品川)が千葉県袖ケ浦市に持つ発電容量10万キロワットのガス火力発電所と運営子会社をこのほど買収した。買収額は数十億円とみられる。

 さらに16年をメドにガス火力発電所を2基、石炭火力を2基新設する。いずれも10万キロワット級の発電設備となる。千葉県や神奈川県などを建設の候補地としており、一部自治体と環境影響評価(アセスメント)に向けた協議に入った。

 首都圏以外でも風力や太陽光の大型発電所の新設を計画。発電所の建設などの総事業費は1500億円に達する。

 丸紅は現在、神奈川県と長野県で2カ所の小規模な発電所(合計能力6万キロワット)を運営している。16年以降も火力発電所などの増設を進めていく。20年には自社の発電能力として合計150万キロワットを上回る規模を目指している。

 丸紅は20年に電力の販売量を150億キロワット時(430万世帯分)に引き上げたい考えだ。販売に占める自社の発電分が現在の1割から、4割程度にまで高まる見通し。NTTグループなどが出資する最大手のエネット(東京・港)は12年度の販売量が96億キロワット時だった。丸紅は将来的にエネットを上回る可能性がある。

 東京電力は年間、約2700億キロワット時を販売。首都圏を中心とする東電管内では電力販売量のうち新電力のシェアは昨年10月時点で5%程度だが、完全自由化後は家庭向けの販売も可能になる。東電は燃料費の高騰などを受けて電気料金を引き上げてきた。新電力は需要の多い地域に最新の発電所を持つことができるため、割安な料金を設定しやすく顧客開拓の余地は大きい。

 首都圏では中部電力が昨年、三菱商事系の新電力を買収したほか、関西電力も進出を計画。東京ガスも本格参入する方針を打ち出している。製紙大手など一部の製造業も各地で発電設備を増強、小売事業の拡大を急ぐ。